経営者向け
2020/06/06 (土)
シナジー 広報

「顧客は誰か」における勘違い

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なぜ高いのか。
その理由がしっかり伝われば
お客さんは理解してくれるものです。

 

ただしそれは、顧客を間違えないということが大前提。
しかし、よくある勘違いはここで起こります。

 

”お客様は大切だ。”
”一円でも買ってくれたら立派な顧客だ。”
そう考えている人は、案外多いことに気づきます。

 

当然ながら、雑に扱っていいと言っているのではありません。

 

すべての人が満足する商品やサービスなどこの世の中には存在しません。
ある人の満足が、他の人にとっては憤りにもなる。

 

相手は人間なのだから、そんな事は考えるまでもなく当たり前のことです。

 

にもかかわらず、
この最も重要なところを間違えてしまう経営者やリーダーは多いものです。

 

その結果、部下やスタッフが懸命に頑張った努力がクレームとなって跳ね返ってきたりするのですが、
それは顧客を明確にしていないことが最大の原因です。

”お客様は大切だ。”
”一円でも買ってくれたら立派な顧客だ。”

 

謙虚であろうとする姿勢が、顧客を明確にする場面においてはマイナスに作用
しています。

 

誤解してほしくないのですが、私は
「顧客とは対等な立場だ」
「媚びる必要はない」
と言いたいわけではありません。

 

嘘はよくない、といっているだけです。

 

どんな人でも満足させます

これが嘘でなくて何なのでしょう。

 

そして嘘をつかれた顧客が怒り出すのは当たり前の話です。

 

顧客を明確にするということは
顧客ではない人を明確にするということでもあります。

 

顧客層を広げたいがために安さもサービスもウリにしようとするから、
顧客は混乱し、現場は疲弊するわけです。

 

ここで重要になるのが、顧客を選別するときに、切り捨てるということではなく、
間違われないようにするという配慮

 

間違えられないようにするために重要なのは冷たくすることではなく、
はっきりと分かるメッセージを届けることです。

 

自分たちのウリを曖昧にしない。
欲張らない。できることはできる、できないことはできない、
その境界線が見えることが大切になります。

 

良いメッセージは、届けたい人にだけ響くメッセージです。
顧客でない人には響かない。
だから間違って受け取られることがありません。

 

「ウチは安い。徹底的に安い。その代わり、接客は雑です。ご自分でどうぞ。」

そういった明確なメッセージを発信しているのがスウェーデンの家具販売会社のIKEAです。

 

IKEAというお店では接客という概念を感じません。

そういった理由でIKEAが嫌いだという人もよく見ます。
ネットを検索すれば、IKEAの接客の悪さに辟易している書き込みも少なくありません。

 

でもそれでもいいわけです。
それで嫌なら来てくれなくても良いですよ。
ちょっと高くてもいいから接客してほしいという人はIKEAのお客さんではないということが明確になっているわけです。

 

あなたは顧客ではありません
というメッセージを発信するのには勇気がいります。

 

ですが、結局全ての人を満足させることなどできないのだから、
はっきりと「あなたは対象ではない」と伝えていくことが
お客さんにとっても親切なことなのです。

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この記事を書いた人
『ぐっとくる会社を、もっと。』を、ブランドスローガンに中小企業を活性化させる活動をしているが、自社でも財団法人次世代普及機構が主催する2017『ホワイト企業アワード』の制度部門で大賞を受賞している。
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