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2020年2月

雇用の流動性が高まる可能性
”終身雇用”や”1社勤め”という言葉が本当に薄くなってきたように感じています。 2020年はそれが顕著に現れてくるのではないでしょうか。 世の中の流れは副業推進など時代は変わろうとしています。 よく30年スパンで、市場が大きく変わるということを耳にします。 1990年にバブルがはじけ、そこから30年が経とうとしているのです。 就職というのは職に就くと書きますが、今まではどちらかというと就社のほうがとても近いと思っています。 職に就くのではなく会社に就くという考えです。 終身雇用もそのような考えから言われていました。 日本の給与は職能給から職務給に変わっていっています。 よく勘違いされるのが職能給の「能力」とは自身のスキルというわけではないということです。 「能力」=「長く続ける」という意味を示しています。 長く続けることがその人の能力だということ。 職務給は違います。 業務の難しい、簡単で給料が決まっていくという考え方です。 いわゆる欧米型(ジョブ型)と言われることもあります。 同一労働同一賃金の考えはまさにその流れなのだと思います。 もちろん一気に変わるというのは難しいかもしれませんが 日本はその方向に舵を切っています。 働く人達もちょっとずつ気づいていっています。 スマートフォンがこれだけ普及していて、たくさんの情報がある中で必ず気づくと思います。 そうすると雇用の流動性が高まる確率は非常に高いと思います。 ---------------------------------------------------------------------------------------- 転職が当たり前のようになっていきます。 大企業ほど中途採用には世間体を非常に気にするので比較消極的ですが、 以前に比べると積極的に活動をしております。 トヨタ自動車は2019年度は中途採用の比率を3割まで引き上げ、 最終的には5割にする方針を明らかにしています。 新卒一括採用にこだわっていると組織も運営できなくなるということです。 また政府が雇用制度改革の一環として、 企業に対して中途使用の比率を公表するように義務付ける方針を固めました。 どんどんこの市場がオープンになっていくことでしょう。 転職を少しでも考えている人は「転職ってよくないもの」というマインドが少しあったとして、 こういった情報に触れることで一歩を踏み出す可能性があります。 新卒も中途採用も受け入れる体制を少しでも構築するように企業も努めなければなりません。 そして、去っていくということも覚悟しながら定着する仕組みをちゃんと作っていかなければならないのです。
乾 恵

エピソードを共有する
”社員と思いを共有する。” ”同じビジョンのもとに行動する。” 言うのは簡単ですが、実際にやるのは想像以上に難しいものです。 社員にも社長やリーダーの思いに共感し、 自分でも実行してみようという意思はあります。 しかし、実際に何をやればいいのか想像がついていない。 そこまでは振り切る自信がない。 目の前にやらなければならないことがたくさんある。 そういった理由で行動できていないことが多いわけです。 社長やリーダーの思いが市場に伝わらない最大の理由は、 社員の行動が変わらないことが原因です。 その最大の理由は、社長やリーダーの「思い」に魅力がないこと。 その次の理由は、それが「言葉」として整理されていないこと。 そして最後は、それが市場に対して、明確に「宣言」されていないことです。 魅力的なビジョン・明確な言葉の2つくらいあれば、 ビジョンの共有は十分だと思うかもしれません。 しかし、実際にはこれだけで組織が変わることはありません。 というよりも、社員の行動が変わらないのです。 私達がビジョン共有を目的にしてお客さんから仕事を受けるときには、 必ずエピソードを共有します。 お客さんに怒鳴られた話とか、夜中に呼び出されて大変だったとか、納期の問題で1ヶ月くらい家にさえ帰れなかったとか。 カッコいい話ばかりではありません。 その出来事の背景には「お客さんへの思い」とか「納期へのこだわり」とか 「絶対に妥協できないという気持ち」などが隠されています。 それは決して華やかな話しや歴史を変えるような出来事ではないのですが、 そういったエピソードには、本当に大切にすべき思いが込められていたりします。 若い社員にはただ、「ウチは技術を大切にしてたのだよ」とか 「納期を守り続きてきたから今があるのだ」と言われても、正直ピンとこない。 何を大切にしてきたということは、何かを犠牲にしてきたという歴史です。 やってきたこと、やってこなかったこと。 なぜこの仕事を受けて、あの仕事は受けなかったのか。 そこに今まで大切にしてきたこだわりや思いが詰まっていたりします。 言葉にして明確にするとともに、ちょっとしたエピソードをまとめておくことで、 なぜそれが大切なのかを社員と共有する大切なツールになっていきます。 社員からすれば、社長の昔話はたいてい古臭く、聞くのさえ面倒なもの。 でも、この価値観を大切にしているのだ、という会社の思いに直結しているエピソードを言葉にしてまとめておくと、社員も理解して、 行動を変えやすくなります。 何にこだわっているのかを伝えるためのエピソードを、ぜひ集めて、言葉にしてみてください。
シナジー 広報

内定者フォローで間違いやすいところ
昨年はリクルートの内定辞退の予測するデータを販売していたとして とても大きなニュースになりました。 それくらい内定者が辞退することの損失は大きいのだと思います。 おそらく内定辞退でテンションの下がる経験は人事を担当される方は誰しもご経験があるのではないかと思います。 学生は内々定企業とどれくらい接触したいかというアンケートデータが出ていました。 一番多いのが1ヶ月に一回程度47.7%、次に2ヶ月に二回程度39.9%というデータが出ています。 出展:マイナビサポネット 約9割近い方が2ヶ月に1~2回の接触したいと思っているそうです。 ではなぜ学生は企業と接触したいのでしょうか。 それは「不安」だからです。 様々な学生と話をしますが、決まったあとに本当にその企業で大丈夫なのか。 自分は合っているのか。というような悩みが出てきます。 Amazonのカートに入れて決済までに悩むのと同じ心理ですね。 ただ接点を持てばよいかというとそういうわけではありません。 ご飯を食べに行けば良いという話でもありません。 出展:マイナビサポネット 私もよく内定者フォローをしているのだが徐々に参加されなくなるという話を聞きます。 大体が月に一回の食事会をしています。 接触はしないといけないのですが、ただ単純に接触すれば良いというものではありません。 学生はわがままなのです(笑) 出典:マイナビサポネット 内定者がなにを求めているのか、必要にしているのかをちゃんと把握して それを実行しなければならないのです。 そこを履き違えると内定辞退は増えていきます。 学生は不安なのでその安心がほしいのです。 不安感を増幅させてしまうかもしれません。 学生がなにを求めているのか。何を必要としているのか。 企業としてなにを必要としているのか。 そこを合わせる場でもあるのです。 私が経験から言えるのは即戦力化を考えることです。 よく入社してから教育して育てるというお話も聞きます。 私も社内でも反発など「忙しいのに入ってからで良いじゃないか」というような声を聞きました。 しかし、内定者は社内の人と人間関係を作りたいという思いや社会に出たら活躍したいという考えを持っているので、 インターンシップという形でちゃんと接点を作りながら育てたほうが良いでのです。 そうやって会社に慣れさせるというのは食事の場だけでなく、 一緒に仕事をすることでちゃんと関係性を築くことが必要なのです。
乾 恵

未来予測
平成が終わって 令和が始まりました。 残念ながらこのまま行くと 日本に明るい未来は やって来ないようです。 こんな予想はハズれたほうが いいに決まっていますが 著名な人たちがいろいろな シミュレーションをしてみても、 日本経済が悪くなる以外の 方向性は見えないといいます。 それでも、 やはり未来予測は 簡単ではないようです。 想像を超える技術革新が 何をどう変えていくのか。 それらを見通していくのは 大変難しい作業だといいます。 最近は、色々な方からの 相談にのることが増えました。 「漠然と会社の未来をどうしたいか ということが今ひとつ固まらない」 「複雑な時代だからこそ 何が成功するかなんて わからないじゃないですか。」 そう思っている経営者は 意外と多いようです。 多くの人は「未来予測は難しい」 といいますが、本当にそうなのでしょうか。 実は、 短期的な予測よりも 長期的な未来予測の方が随分と簡単です。 短期的に見れば、ある取り組みが 成功するか、失敗するかは 偶然性に影響を受けてしまいます。 長期的に考えた場合、その取り組みが 「本質的に必要なこと」であれば 取り組んだ期間が長ければ長いほど 上手くいく確率は上がります。 今日、歯磨きをしなくても 明日、歯が一本もなくなる なんてことはありませんし 毎月、歯医者で予防治療に通い 定期的に指導を受けたからといって 短期間で大きな変化があるわけでは ありません。 しかし、長い期間で見れば とても予測は簡単になります。 40年後もどうやったら 自分の健康な歯で生活できるか と考えた場合 現時点で本質的にやるべきことは 丁寧な歯磨きと、予防治療に通う ということになるわけです。 まず、1つ目が 「今、自分達が何をやりたいのか。 どうなりたいのか」を、明確にする。 そして、2つ目が やりたいことに向けて 情報を整理し、アイデアを加味し、 自分たちが必要としているものを具現化する。 やるべきことを考え、 やるべきことを、実行する。 ということ。 とても当たり前なのですが 私たちが本質的にやるべきことを、 やり続けているかどうか。 その延長線で考えれば 未来予測は意外と簡単なものです。 わかってないな。 忙しくて、本質的にやるべきことを やり続けることができないのだよ。 そういった声が 聞こえてきそうですが、 人は自分が何を望んでいるのか、 何を欲しているのか、 自分が分かっていない場合 とても多いものです。 だから、 自分にむけて どんな課題を抱えているのか。 何を解決したいのか。 徹底的に聞いてあげないといけません。 「私が求めていたのはこれだったのか」 と、自分に気づかせてあげる。 ここを真剣に考えていないと 無尽蔵にある、 できるなら、やらないよりは やったらいいことに振り回されて 時間がなくなるわけです。 自分たちの理想の未来は、 しつこいくらい自分に問いかける。 考えないといけないけれども、時間がない。 考えているけれども、未来像がまとまらない。 自分の役割は そういう時に、一緒に考える仕事。 自社の強みは何か。 売るべき商品は何か。 どういう人材を採用すべきか。 どうやって販売するのか。 考えないといけないけれども、時間がない。 考えているけれども、いいアイデアが浮かばない。 自分の役割は そういう時に、一緒に考える仕事。 明確に言葉にはできないが、何となく感じている課題感。 心のどこかで欲している渇望感。 それにピタリと当てはまる言葉を準備する。 みんな、忙しくて 自分自身のことを 自分のやるべきことを 真剣に考える時間を取れていないわけです。 自分でも気がついていない、自分自身の本質。 そこに辿り着くことが出来れば、 人生はかなり成功に近づいたと言えるのではないでしょうか。 ここが長期的な未来予測の方が 随分と簡単だと考える理由なのです。
シナジー 広報

早期離職者を募って向かう先
2019年上半期の早期退職募集人数が発表されました。 1月から6月での募集人数は8,178人で早期退職の募集が出たそうです。 1年間を見ると余裕で1万人は超えていますね。 2018年の早期退職募集人数は年間で4,000人程度でした。 2019年の上半期は2018年の年間募集人数の2倍近い人数です。 資料:東京商工リサーチ 一番多かったのが富士通の2,800名で、業種別に見ると業績不振の電気機器の会社が目立ちます。 年齢で言うと45歳〜50歳以上の役職者以外の人が対象になっています。 定年を伸ばそうと言われているこの時代に、相反している気がしますね。 2020年はさらに加速していくのではないかと予測されています。 一方で新卒採用などの若手採用は止めないようです。 少子高齢化問題とは逆の方向ですよね。 これからの経営戦略において《どう舵を切るのか》というポイントが出てくると思います。 大手企業はどんどん若い人たちを囲い込み 45歳以上の人たちは放出していく。 採用難はしばらくは続くと言われている中、都心では仕事がなく彷徨っている人がいるかもしれません。 地元に帰ろうにも家を買ってしまっていて、出れない。 起業しようと思うがその勇気がない。 いろんな人が出てくるのではないかと思います。 逆に本当に優秀な層はこの背景をしっかりと理解しているため 大手企業に1〜2年勤めてスタートアップ企業に転職することも多くなってくるでしょう。 様々な選択肢がある中、方向性を決めなければいけません。 もちろん今まで通りには行かないでしょう。 IT、RPA、AIは自分たちの知らないところで大きく変化しています。 どんな会社にして、どういう目的で会社経営をしていくのか しっかり考えて実行していかなければならないのです。 なんとなくうまくいっていたことがそうではなくなると思っています。 社員、お客様、関わる協力会社がいる限り、事業やサービスを止めてはいけません。 止まらないようにちゃんと学び続けて、 しっかりと足元を見ながら上を見上げ、理想とする会社経営の実現を目指していかなければならないのです。
乾 恵