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2023年1月

社員が転職を考え始める事柄3選
長期休暇の後は、最も転職を考える時期だと言われています。 普段は会わない人と話す機会が増え様々な近況を聞くことで、 「自分は大丈夫だろうか」「このままでいいのか」と 自分のキャリアや仕事を見つめ直す機会が多くなるためです。 最近、採用以外にも社員の定着に関する相談を 多くいただくようになってきました。 そこで今回は、意外とやってしまっている 社員が辞めたくなる上司の行動や会社の仕組みのうち 代表的な3つの事例をご紹介します。 ①目を見て話さない 例えば社員が何か相談にきた時、パソコンで作業をしながら、 あるいは別の資料を見ながら話していることはありませんか? 自分では聞いているつもりだったとしても、 社員は真摯に向き合えてもらえていないと感じたり、 面倒くさがられていると感じたりします。 当たり前のことですが、相談された時は仕事の手をとめて、 相手に体を向けて話すことをお勧めします。 ②1から10まで全部指示を出す 仕事をお願いするときやアドバイスをする時、 ゴールだけでなく、やり方まで全てに指示を出していませんか? 失敗しないためにアドバイスすることはもちろん重要ですが、 仕事をする上で、有能感(自分は〇〇ができている!)や 自律性(自分で決定し、動かしている)を感じないと、 仕事に対するモチベーションが下がってしまいます。 社員が自己決定をする部分を残しつつ指示を出すことで 社員はやりがいを感じながら働くことができます。 ③企業理念と実際の行動・言動が伴っていない 企業理念やミッションは採用においても、とても強力な武器になります。 しかし実際に入社すると、企業理念がただの飾りになっていると感じ、 転職を考える社員も多いそうです。 例えば経営理念としては「お客様を第一に考える」と掲げているが、 実際には「売上至上主義」で、売上に対して毎日詰められるといったように。 ここまで社員が転職を考え始める事柄を3つ紹介しました。 ぜひ自社の状況を見つめ直し、今後の組織づくりにも生かしていただければと思います。
乾 恵

パーパス再定義のタイミング
2020年以降コロナ禍で新しい顧客の創造が停滞し、 顧客数が伸び悩む企業が多く見受けられたように思います。 新型コロナウイルスの感染が完全に収束する時期は予測不能ですが、 国ごとにばらつきがあるものの規制緩和が進み 「アフターコロナ」に向かっていると言えるのではないでしょうか。 こういった経済の大きな変化がある中、企業は利益の追求だけでなく 社会的責任を果たすことが求められるようになりました。 そのためESG(環境・社会・ガバナンス)やSDGsなどの視点から、 自社の存在意義・存在価値を 「事業を通じて世界(社会)と持続的成長にどのように貢献するか」 というパーパスで表し、再定義する会社が増えているように思います。 当社でも昨年1年間かけてパーパスの再定義を行いました。 1995年にビルテックサービス有限会社という社名で ビルメンテナンス事業から始まった当社ですが、 現在ではビルメンテナンスを中心に警備事業や人材派遣業、 セミナー事業、コンサルティング事業と複数の事業を展開しています。 創業当時は経営理念が無く、現在の社長である樽本が参画したタイミングで 初めて経営理念ができました。 最初の経営理念は「雇用インフラの開発」「人間力の向上」「共生と幸福の追求」 の3つでした。 そして創業者の大武から現社長の樽本にバトンタッチをするタイミングで 経営理念を再定義しました。 その時、「何を大切にして会社経営を行っていたか」 というところにフォーカスして議論した結果、 現在のミッションである「あらゆる人と組織に元気のきっかけを創り出す。」が 出来上がりました。 創業当時の話を聞き、言語化し、何を大事に会社運営を行い、 お客様と接していたのかということを簡潔にまとめると 「人を活かし、人を元気にし、社会に貢献する」というものでした。 バトンタッチするタイミングで、しっかりと何を大事に経営をしていたのかを 握り合うことが事業承継でも必要ですし、 新たにパーパス(存在意義)を考える上でとても大事なことだと言えます。 弊社は来年で30周年を迎えようとしています。 会社の歴史を振り返るともちろん様々なことはありましたが、 何を大切にしてここまで来たのかを経営者、幹部、社員全員が 理解し納得して社業を行っていく必要があります。 世界や日本社会の情勢が混沌とする中でも、 過去を振り返った上で、これから先どう在りたいかを しっかりと経営陣、幹部、社員と議論しパーパスの再定義を行うことが 必要なのではないかと思います。 そこで新たな発見や気付きが生まれてくるかもしれません。
小濱亮介

チームビルディングの要、採用の4つのポイント
チームビルディングの三大要素は、採用・育成・メンテナンスです。 そして育成とメンテナンスの根本は、採用です。 つまり採用に力を入れることが結果的にチームの質を 高めることにつながるのです。 今回はチームビルディングの要である採用について、 3つのポイントを紹介します。 まず採用において重要なのは「簡単に決めない」ということです。 中小企業の場合、ひとりの社員が会社に与える影響力は大きくなります。 そのため、慎重に人材を選んでいかないと後々苦労することになります。 1.理想像を明確にする 意外と多くの会社で見落とされているのが 「自社の欲しい人材を明確にする」ことです。 面接に来た人たちを相対的に比べてなんとなく決めていては、 本当に自社に適した人材は採用できません。 そのため採用において経営者がまずするべきなのは、 欲しい人材を明確にすることです。 優れた人材には大きな影響力があります。 どんな人材が欲しいのか、またどんな人材が今必要なのかを 書き出してみましょう。 最初は難しく考えず、「積極性」や「チャレンジ精神」など シンプルな言葉で思いつくだけ書き出してみましょう。 そしてその中から優先度の高いもの10個を選ぶと、 自社の【欲しい人材10か条】が見えてきます。 2.自社の「見え方」を磨く 【欲しい人材10か条】を満たす人材に来てもらうために、 すぐできることは「見た目」を良くすることです。 もちろん本当の姿を磨くことが大切ですが、 本当の価値や魅力が正しく伝わっていないことがよくあります。 会社の見た目とは、たとえばホームページです。 求職者は必ずホームページをチェックするでしょう。 客観的に自社のホームページを見たときに、 「ここで働きたい」と思えますか? 無料あるいは安価で、かつ比較的簡単に ホームページを作成できるツールがいくつもあります。 その中から会社のカラーや良さを表現できそうな媒体を選び、 魅力が伝わるホームページを作りましょう。 3.小さな会社の採用戦略 小さな会社や認知度があまり高くない会社は、 それだけで採用が不利な場合も多いでしょう。 しかし、それは一般的な求職者のニーズを 考え過ぎているからです。 中小企業には中小企業にしか求職者に提供できない、 特権的な価値・武器もあります。 例を挙げると、 ①成長余力がある ②分かりやすい社会正義を語れる(ミッションや使命感) ③挑戦できる環境 ④チームとしての一体感 ⑤風通しの良い社風・仕事環境 ⑥社長・経営陣と近い距離で仕事ができる環境 ⑦経営に携われるチャンスがある 将来的に起業したいと考えている、 大規模な会社よりも小さい会社のほうが肌が合う、 といった求職者からすると、 これらの要件が魅力的に映るものです。 4.決定プロセスの要点 採用までのプロセスは、多い方が良いです。 もちろん多ければ多いほど良い、という訳ではありませんが、 1回の面接だけで人を理解することはできません。 そのため「できるだけ接する回数を多く、接する時間を長く」 できる採用プロセスを作りましょう。 新卒採用の場合、インターン制度を設けることをおすすめします。 最近ではインターンを経験したいと考えている学生が増えていますが、 企業側にもメリットがあります。 まず1つ目のメリットは、育成しやすい人材か否かを 採用前に判断できることです。 採用をしたら育成をする必要がありますが、 単に優秀かどうかだけでなく、 その人材が自社の企業文化・ミッションに共感し 力を発揮できるかどうかも、育成の際には重要です。 2つ目のメリットは、接触回数を増やしてから採用すれば、 自社と求職者の双方が“ミスマッチ”を減らすことができることです。 今回は新卒採用を例に見てみましたが、 中途採用であっても簡単に採否を決めず ステップを作って採用しましょう。 組織力の高い会社は、人材の教育・管理制度が整っています。 しかしそれ以前に、人材を採用するノウハウも優れているのです 採用方法を見直す・グレードアップすることが、 チームビルディングの要となります。 弊社が毎月開催している 社長の学校 プレジデントアカデミー 1月のテーマは「チームビルディング」です。 事業を安定的に継続させるために不可欠な、 自立型の組織の設計術について解説します。 少しでも気になった方というは、 こちらから詳細をご確認くださいませ。
樋野 竜乃介