ブランディングという文字を見ると、
コーチやエルメスなど高級ブランドを思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし中小企業でもブランド企業は多く存在しています。
では、中小企業がブランド企業になるためのブランディングとは
一体どういうものなのか?
小さくても顧客が自慢したくなる企業は、何を行っているのか?
そこで今回は、正しく、そして効率的なブランディングに大切な
3つのポイントをご紹介します。
3つのポイントについては、下記の本を参考にしています。
浜口隆則(2013)『「成功の型」を知る:企業の技術』(かんき出版)
◯A=顧客 理想の顧客像を明確にする
まず、ブランディングとはリピーターつまりファンを作るために行うものです。
そして適切なブランディング行うには、ファンとなり得る顧客像を
明確化する必要があります。
この顧客像のことをマーケティング用語でペルソナと呼びます。
ペルソナを設定する際に重要なことはできるだけ細かく、
正確にするということです。
細かく、正確に設定することにより、ブランディングにおけるムダを省くことができ、
さらにターゲットの共通点の把握を行うことが可能になります。
例として高級エステサロンを運営する企業をあげます。
どちらのペルソナ設定が良いか比べてみてください。
・女性、年齢20歳以上、会社員、美に敏感な人、広島住み、お酒を飲むのが好き
・女性、年齢30歳前半、アパレル関係の企業で勤務、収入400万、
愛用の化粧品はCHANEL、趣味ゴルフ、住まい中区袋町付近、
休日は流川のバーによく行く
後者の方がより具体的で、特定の誰かまで絞り込めるほど細かく設定されていると思います。
ペルソナ設定の際はより細かく、正確なものを作成しましょう。
◯B=自社 ミッションや行動方針を明確にする
ペルソナを細かく設定した後、ペルソナに対し、どのように振る舞うべきか、
そしてどのような企業だと認識してもらいたいかについて考えます。
商品価値をポイントにあげることも可能ですが、
ここでは企業のミッションや行動方針の明確化に焦点を当てて、
ご説明したいと思います。
なぜ、ペルソナに対し、企業のミッションや行動方針の明確化が必要かというと、
現在商品ライフサイクルが短い社会になり、「顧客と企業」の関係構築が
必要になってきているからです。
この現象はある商品がヒットしたとしても、
その商品を真似た商品を販売してくる企業が現れたり、
さらに低価格商品が台頭してきたりすることが影響しています。
そのため、会社を経営している間に幾度かの商品リニューアルや、
新商品を投入する必要があります。
その際、企業のミッションや行動方針をペルソナに対し明確化し、
「顧客と商品」だけでなく、「顧客と企業」という関係が築けていると、
企業がすでに顧客から受け入れられているところからスタートできます。
つまり、その企業が出す商品たちは暖かく迎え入れられることが多くなり、
安定した収益、ファンの獲得につながります。
よって、ペルソナに対しミッションや行動方針を明確にすることは
非常に重要なのです。
◯C=評価 どのような価値を顧客に提供し、どう思われたいを明確にする
最後に、ファンに対しどのような価値を提供し、
どう思われたいのかを事前に明確にしておく必要があります。
その際、上記で述べたミッションや行動方針を軸とした価値を提供することが重要です。
これは、選ばれる企業になるかそうでないかを分ける大きなポイントになります。
ファンにとって最も大切なのは、自分にとって企業が提供するものに価値があるかないかです。
つまり、ファンを獲得するためには、ミッションや行動方針を軸とした価値を
ファンに提供し続ける必要があります。
失敗する中小企業に共通する要素として、
今までとは全く違った商品やサービスを提供する、
いわゆる多角化での失敗が挙げられます。
経営理念とは違った価値を提供してしまうことや、
組織体制、事業計画が不十分であることが根本にあります。
多角化は悪い選択ではありませんが、提供する価値はミッションや行動方針を軸にして、
組織体制、事業計画を充実させなければいけません。
◯ブランディングのゴールとは
ここまで、正しいブランディングに必要な3つの点をご説明してきましたが、
3つのを行うことがブランディングのゴールとなってはいけません。
あくまで、ブランディングのゴールはファンを多く作るということにあります。
つまり、「固客化」です。
そしてブランド企業になるためには、3つのポイントを踏まえたブランディングによって、
ファンを多く作り、そのファンが企業の提供する価値の宣伝をする(アンバサダー化)
という流れを作ることが重要になってきます。
弊社で毎月開催している社長の学校「プレジデントアカデミー」の
今月7月のテーマは「ブランディング」です。
経営資源を引き寄せる自社ブランドの作り方についてお伝えします。
少しでも気になった方はこちらのページをご覧ください。
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