地方の中小企業に限らず日本全体で言えることではありますが、
「部長を任せられる人材が、社内にいない」と
思っている経営者は意外に多いようです。
また今の部長に物足りなさを感じている経営者も
たくさんいらっしゃいます。
課長までは成績優秀者が順当に育っていくが、
部長となると話が変わってきます。
課長と部長では役割やマインドセットが大きく異なり、
そこには「大きな見えにくい壁」が存在します。
中小企業でよく起きることですが、
「◯◯さんはもう課長になって長いからそろそろ部長にしようか」とか
「営業課の売上が良いから、あそこの課長を部長にしよう」という理由で
昇進させて悔やまれた方も多いのではないでしょうか。
そういった人事がうまくはまらないと、管理職に昇進させることに慎重になり、
より厳しくなるのではないかと思います。
実際に産業能率大学総合研究所の
「上場企業の部長に関する実態調査」(2019年)によると、
「部長の95・8%がプレーイングマネジャーで、仕事の4割がプレーヤー」という
驚くべき結果が出ています。
調査に回答した部長に「3年前と比較した職場の状況」を尋ねた項目では、
「業務量が増加している」(45・5%)
「コンプライアンスのために制約が厳しくなっている」(37・2%)
「成果に対するプレッシャーが強まっている」(34・5%)などと、
部長を取り巻く環境が「きつく」なっている現状が浮き彫りになっています。
こうした環境下では、部長は本来の力を発揮できません。
ほとんどがプレイヤーになっており、マネージメントがしにくくなっています。
上場企業でそうであれば、中小企業ではなおさらです。
更に「管理職になりたくない」という人が一定数います。
マンパワーグループが2020年に行った、
役職についていない20~50代の男女400人の正社員への調査では
「今後、管理職になりたいか?」という質問に対して
全体の8割超(83%)が「なりたくない」と回答していました。
報酬面や責任を負いたくないなど様々な理由がありますが、
経営者にとっては頭が痛い結果ではないでしょうか。
課長と部長との境目には、働く側と雇う側という大きな認識の違いがあります。
役割を明確にし、やりがいを持てるポジションで相応の報酬を払い
経営層に入ってもらわなければなりません。
「言わなくても分かってほしい」は通用しません。
経営者が何を求めているのかをちゃんと言語化して、
働く側が何を求めているかを確認し、
推進しなければ強い組織体は作れません。
経営層を増やしていくためには、
そのコミュニケーションを怠ってはいけないのです。
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