キャリア採用
2022/04/21 (木)
乾 恵

ダイレクトリクルーティングとは?~運用成功している中小企業の7つの共通点~

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求人サイトや人材紹介を用いた従来の採用手法に代わって、
近年取り入れられることが多くなっているダイレクトリクルーティング。

求める人材を採用するために、企業側が能動的に動くことから、
「攻めの採用」として注目されています。

本記事では、ダイレクトリクルーティングに対して興味はあるものの、
どのような採用手法なのかあまり分からないという方に向けて、
ダイレクトリクルーティングの基本から、実際始める際のポイントなどを
解説していきます。

Contents

1.ダイレクトリクルーティングとは

ダイレクトリクルーティングとは、企業側から求職者に対して
積極的にアプローチする採用手法を意味します。
求人サイトに情報を掲載して応募を募ったり、
人材紹介会社を依頼したりする従来の採用手法が
「待ち」の採用と呼ばれています。
一方でダイレクトリクルーティングは、
企業側が「欲しい人材」を積極的に探して
直接アプローチをするため「攻め」の採用手法と呼ばれます。

2.なぜダイレクトリクルーティングが注目されているのか

現在日本では、少子高齢化に伴う人材不足によって
人材獲得競争は年々激しくなっています。
そんな中で従来の採用手法では優秀な人材確保は難しくなっており、
ダイレクトリクルーティングは良い人材を採用する新しい手法として、
近年注目されています。

また、人材不足に伴う有効求人倍率の上昇によって、
人材1人の採用にかかるコストが年々増加している中、
ダイレクトリクルーティングは従来の採用手法に比べて
コストを抑えられるという点が、注目される大きな理由となっています。

3.従来の採用手法とダイレクトリクルーティングの比較

従来の主な採用手法である求人サイト・人材紹介会社を利用した手法と、
ダイレクトリクルーティングの特徴を簡単に表にまとめました。


次に、従来の採用手法と比較しながら
ダイレクトリクルーティングの具体的なメリットとデメリットを
解説していきます。

4.ダイレクトリクルーティングのメリット

(1)無駄な時間と費用を削減できる
ダイレクトリクルーティングでは、従来の採用手法で要した
「待つ」時間を削減することができます。

また、従来の採用手法における求人サイトの掲載料や
人材紹介会社に払う報酬などに比べて、
ダイレクトリクルーティングのサービスを
利用する際の費用はかなり抑えることができます。

それに加えて、従来の採用手法に比べて作業工程は増えるものの、
アプローチする対象は少数に絞ることができるため、
今まで採用活動にかかっていた人件費も抑えることができます。

従来の採用手法における無駄な時間と費用の両方を抑えることができるのは、
ダイレクトリクルーティングの大きなメリットです。

(2)転職潜在層へアプローチできる
求人サイトや人材紹介を利用する求職者は、
「すぐにでも転職したい」と考えている人が多いのに対して、
ダイレクトリクルーティングのサービスを利用する求職者は、
もし「もし良い会社が見つかれば転職しよう」と考えて
求人サイト等は利用しない人もいるため、
従来の採用手法では繋がれなかった候補者にも
アプローチすることができます。

(3)「欲しい人材」にアプローチできる
人材紹介では、採用した人材の年収を元に
費用が決まることが多く、紹介会社が求職者の年収の高さを重視して
紹介することも多く、ミスマッチも起こり得ます。
それに対して、ダイレクトリクルーティングでは、
候補者の選出の段階から自社の担当者が行うため、
「欲しい人材」の採用に成功する可能性が高まります。

(4)人材採用のノウハウを自社に定着できる
ダイレクトリクルーティングは、
採用までの行程のほぼ全てを自社で行うため、
そのノウハウを自社に蓄えることができます。

長期的な視野を持って考えても、
ダイレクトリクルーティングは企業の採用力を
高める効果的な採用手法といえます。

5.ダイレクトリクルーティングのデメリット

(1)採用までの工程が多い
候補者の選出やスカウトメールの送信など、
採用までの工程を自社で行うため、
求人サイトや人材紹介会社を利用する採用手法に比べて
作業工程がかなり多くなります。

また自社で行う分失敗のリスクも大きくなるため、
ノウハウがまだ定着していない段階では、
想定よりコストが膨らむ可能性も高くなります。

(2)長期的なプランを立てて実行する必要がある
転職潜在層の求人者にアプローチした場合、
転職の意欲を高めるために、関係性を作るところから
自社の魅力を知ってもらうまで
長期的にアプローチをする必要があります。

また、ノウハウを自社に定着させるためにも
PDCAを繰り返しながら長期的に取り組んでいく必要があります。

効果的にダイレクトリクルーティングを成功させるためには、
長期的な視野を持ちプランを立てて実行することが大切です。

(3)大量採用に不向き
ダイレクトリクルーティングでは、求職者に対して
ピンポイントでアプローチできる反面、
その作業を短期間に大量に行うのは困難です。

大量採用を行いたい場合は、従来の採用手法の方が
適しています。

しかし、大量の人材を必要とする大企業に対して
1人の人材の質を重要視する中小企業では、
それはデメリットではなくメリットとも捉えられます。

求める人材の数に対して募集をかける母集団が大きく、
無駄な時間と費用を費やす従来の採用手法に対して、
ダイレクトリクルーティングは少数のターゲットのみに
アプローチできます。
大量採用を必要としない中小企業にとっては
デメリットではなくメリットと考えらレます。

6.ダイレクトリクルーティングに向いている企業

(1)良い人材の「一本釣り」を狙いたい
大量採用を求めるのではなく、
本当に自社に合った良い人材を確実に採用したいと考える企業は、
ダイレクトリクルーティングに向いていると考えられます。

求人サイトでの募集は、やはり大量採用に適した採用手法であるため、
それを必要としない中小企業などにとっては
無駄な時間と費用を費やすにも関わらず、
最適でない採用活動であるといえます。

人材の数よりも質を重視する企業が、
今まで大きな母集団と多くの人材を対象に費やしていた
コストと労力を本当に欲しい人材1人に注ぎ込み、
「一本釣り」を狙うことができるのがダイレクトリクルーティングです。

(2)コストを抑えて良い人材を採用したい
従来の採用手法にかかるコストが高くて悩んでいる企業には、
サービス利用料や人件費などのコストを抑えることができる
ダイレクトリクルーティングがおすすめです。

(3)将来的に自社の採用ノウハウを高めていきたい
ダイレクトリクルーティングは、採用までの工程のほぼ全てを
自社が行うため、ノウハウを蓄えていくことができ、
将来的に採用力を高めていくことができます。

7.中小企業がダイレクトリクルーティングを成功させる7つのポイント

運営する前のポイント

(1)長期的な視野を持つ
ノウハウを蓄えながら行っていくダイレクトリクルーティングは、
やはり最初は失敗する可能性も低くありません。
すぐに望ましい効果が出るとは期待しすぎずに、
PDCAを繰り返しながら長期的な視野を持って行うことで、
将来的に企業にとって大きな力になるでしょう。

(2)専任の担当者を決める
ダイレクトリクルーティングは、採用までの作業行程が多いことから、
他に多くの業務を抱えながら取り組むことで
担当者の負担が大きくなってしまう可能性があります。
その業務を専任で行う担当者を決めると、
採用活動をより効率的に行うことができるでしょう。

(3)会社全体で協力して、熱意を持って取り組む
ダイレクトリクルーティングでは、こちらからアプローチした求職者に対して
しっかりと自社の魅力を伝えることが重要です。
従来の採用手法のように人事担当者だけで行うのではなく、
熱意を持った社員や経営陣も一緒に求職者に対するアプローチを行うことで、
自社の魅力をより効果的に伝えることができます。

(4)候補者の立場になって考えてアプローチする
どのようにアプローチをすれば、
候補者が自社に興味を持ってくれるのか、転職意欲を高められるのか、
候補者の立場になってアプローチの仕方を考えることが重要です。

スカウトメールの内容を考える段階から、
受け取った候補者の心が動くような文面にしたり、
採用までの過程で候補者に寄り添った
アプローチをすると良いでしょう。

運用開始後のポイント

(1)返信は24時間以内
スカウトを送って承認された後は、次のアポ調整を早く行いましょう。
優秀な候補者は、多くの企業からスカウトをもらっています。
返信が遅いだけで辞退される可能性が高くなります。

できるだけスピーディーに対応できるような体制を整えることも重要です。
目安は24時間以内に返信が返せるようにすることです。

(2)社長や経営幹部が関わる
会社の本気度を伝えるために、面談や面接は経営層が関わることが重要です。
「なぜスカウトしたのか」「どのような役割を担ってほしいのか」、
採用にかける熱意をしっかりと伝えましょう。

どうしても選考の中で関わることが難しければ、
スカウト文の送信者名を代表の名前にするなどして、
特別感を出しましょう。

(3)時には会いに行く
用の中で、候補者が遠方に住んでいるケースもあると思います。
現在、オンラインで面談をすることが一般的になっていますが、
入社前にリアルで会っておきたいという思いもあると思います。

その場合、候補者に来社してもらうだけでなく、
本気度・熱意を感じてもらうために、
時にはこちらから会いに行くことも重要です。

8.ダイレクトリクルーティングのおすすめサービス

多くのダイレクトリクルーティングサービスがある中、
データベースに登録されている人材をハイクラス・若年層・技術職に分けて、
それぞれの人材に特化したサービスを紹介します。

BIZREACH(ビズリーチ)【ハイクラス】
ビズリーチの人材データベースには、152万人以上の人材が登録しています。
審査を通して厳選された人材のみ登録が可能なので、
経営や管理職の経験者など、ハイクラスな人材を探すのに向いています。

キャリオク【若年層】
20代・30代の登録者数が半数以上です。
求職者はキャリアシートを登録し、
企業側がオークションシステムで入札するという
新しいシステムを取り入れています。
この機能を活用して転職意欲を高めることも可能です。

キャリトレ【若年層】
大手サービスのビズリーチが提供する、
若手向けのダイレクトリクルーティングサービスです。
登録者の7割以上が20代、約6割が大卒の人材と、
良い若手人材を探すのに向いています。

Wantedly(ウォンテッドリー)【技術職】
300万人以上のデータベース登録者がおり、
エンジニアやデザイナーなどの技術職経験者が半数以上登録しています。
条件よりも価値観や「想い」を重視し、
ブログやSNSのように会社の魅力を発信するためのツールがあり、
魅力を知ってもらった上で人材にアプローチすることが可能です。

Green(グリーン)【技術職】
IT・Web業界に特化したサービスです。
エンジニアやデザイナーなどのIT人材登録者が
60%以上を占めており、技術系の人材を探すのにおすすめです。

9.まとめ

コストを抑えて「欲しい人材」の採用を目指す
ダイレクトリクルーティング。

従来の採用手法ではアプローチできなかった求職者と繋がれ、
コストを抑えながらも採用の質を高めることができます。

特に人材の数よりも良い人材を採用することを目指す中小企業では、
取り入れる価値のある採用手法であると考えられます。

また、人材確保競争がより激しくなると予測される中、
早い段階から長期的な視野を持ちノウハウを蓄えていくことで
将来的に企業の採用力を高めていくことができます。

従来の「待ちの採用」に加え、新しく「攻めの採用」である
ダイレクトリクルーティングもぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

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