経営者向け
2022/05/05 (木)
シナジー

エクスターナル・マーケティングの極意

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時代の流れが速くなり、ヒット商品の寿命も
だんだん短くなりつつある今、
既存の製品・サービスにとらわれることなく、
新しい製品・サービスに「SHIFT」させることが
企業には求められています。

しかし、Appleのように全く新しいものを
生み出すことは難しく、競争の激しい市場、
いわゆる「レッドオーシャン」で新製品・サービスを展開し、
成功することも考えねばなりません。
そこでキーとなるのがエクスターナル・マーケティングです。

そこで今回は、「レッドオーシャン」に進出し、
成功を収める上で大切なことを、
エクスターナル・マーケティングにおけるセオリーと
成功事例を交えながら紹介したいと思います。

Contents

エクスターナル・マーケティングに必要な3つの要素とプラスα

まず、エクスターナル・マーケティングについて、
簡単に説明をします。
エクスターナル・マーケティングとは
企業と顧客の間でのマーケティングを指しており
一般的なマーケティングの4Pに対応し、
従業員との間における
インターナル・マーケティングの対として
用いられます。

そして、エクスターナル・マーケティングにおいて
重要になるのが、ユーザーの心を捉えることです。
そのために顧客が購入するプロセスを構造化し、
顧客の購買意欲を促さなければなりません。

そのために「デザイン」「ファンクション」「ストーリー」の
3つの要素を兼ね備える商品・サービスを提供することが
まず、大前提です。

さらに購入プロセスを構築する上で大事なのが、
プラスαの工夫で差別化を図るということです。
「デザイン」「ファンクション」「ストーリー」の
3要素を前提とし、プラスαを行うことが
エクスターナル・マーケティングを成功させるための
肝になります。

このプラスαが商品・サービスをヒットさせるか否かの
明暗を分けます。
つまり、商品・サービスがヒットするのは
偶然ではないのです。

「SHIFT」を支えたプラスα

ここからは、この3つの要素にしっかりフォーカスし、
あるプラスαを行って「SHIFT」を成功させた企業の
エクスターナル・マーケティングをご紹介していきます。

アウトドア製品から煙感知器への「SHIFT」
米国の伝統あるアウトドアメーカーである
コールマンの成功事例を取り上げます。
コールマンの主力事業は登山やキャンプなどで
活用するアウトドアグッズでしたが、
収益拡大のため、煙感知器市場への進出を決断します。

しかし、煙感知器市場は競争の激しい
「レッドオーシャン」であり、
進出当初から成功に対する懸念の声は
少なくありませんでした。

しかし、結果はわずか一年で市場シェアの39%を獲得。
大成功に終わりました。
では、このコールマンの「SHIFT」における成功は
何が要因だったのか。

それは「デザイン」「ファンクション」「ストーリー」を
売り場にて明確にし、
売り場におけるユーザーと商品の「タッチポイント」で
商品の差別化を図ったことでした。

コールマンは、商品を「デザイン」するときに、
多くの家でキッチンの煙感知器の電池が
抜かれているという事実に着目しました。
料理で発生する火による誤作動が相次いだことが原因でした。

コールマンは誤作動が起こってもすぐリセットできるように、
リセットボタンを中央に大きく設置し、
脚立なしでもすぐにリセットできる商品をデザインしたのです。

さらに、煙感知器へのニーズは場所により異なること、
買い替えるタイミングが場所により異なることに着目。

つまり、キッチンは誤作動が起きてもすぐ対応できる商品、
子供部屋は感度が高く、安全性が高い商品、
そして廊下はライトが搭載され、機能性がある商品
といった具合に場所により選べる商品を開発しました。

これは、「場所によって機能を選択できる」という
「ファンクション」を生み出しました。

これにより、「場所ごとに最適なものを選べ、利便性がある」
というストーリーが出来上がりました。
このユーザーのニーズに対する明確なストーリーが、
売り場においてユーザーの心をつかんだのです。

コールマンは「デザイン」「ファンクション」「ストーリー」を
明確にした商品を売り場に並べることで、
瞬時に売り場において“特別”と感じさせ、成功したのです。
この「タッチポイント」という視点がプラスαとして働いたと言えます。

まとめ

エクスターナル・マーケティングは
「誰に」「なにを」「どのように」働きかけるか、
費用対効果に見合う形で行うことが重要です。

コールマンは「誰に」を明確にすることで
プラスαを行いました。

製品開発の段階から売り場での優位性を高め、
購買意欲を促したコールマンは
PRには費用をほとんどかけていません。

中小企業はCMに多くの資金を投資できない分、
ユーザーの心をつかむための「What to say」を
明確にした上で、プラスαの工夫をすることが
大切であるということを二社の成功事例は
示していると言えるでしょう。

弊社で毎月開催している
社長の学校「プレジデントアカデミー」の今月5月のテーマは
「商品力」です。

商品・サービスを開発したり、
パワーアップさせるための29のヒントを紹介します。
少しでも気になった方はこちらのページから

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