経営者向け
2022/06/15 (水)
小濱亮介

アナログで属人的な幹部人材の採用手法

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ハローワーク リクエスト求人 イメージ図

人材採用を行う中で、会社の規模はどうであれ採用手法の根幹は一緒です。
よく「うちは中小企業だから大手企業のように費用を掛けることはできない」
ということを言ってしまいがちです。

もちろん母数を稼ぐには多くの費用がかかります。
そのため採用手法は大手と中小では違ってきますが、
根幹となる考え方と口説き方は変わりません。

また幹部人材を口説く採用手法は非常に属人的で、
仕組みに落とし込むことはできません。

ただ一般社員であれば、仕組みを使って採用することも可能です。
福利厚生を整えたり、ブランディングを行ったりといった
様々な工夫と仕組みを活用することで採用できるケースもあります。

しかし、幹部人材は違います。
幹部人材は仕組みではなく、属人的に口説いていくしかありません。

よく営業は恋愛に例えられますが、採用も恋愛に例えることができます。
まだ付き合ってもいない相手にいきなり婚姻届を渡し、
サインを求めるでしょうか?

恋愛であれば「ありえない」とわかることが、
採用の場では平気で行われてしまうのです。

参加者が結婚を意識して行われる婚活パーティーの場でも、
年収や年齢・趣味などの条件を見て好感が持てる人が
目の前に現れたとしても、
急に婚姻届を渡すなんてありえないですよね。

しかし採用となると、求人票を見て自社が気になって来社しくれた人に
「いつから来れる?うちに入りなよ!」と言ってしまうのです。

会社の側は、始めから結婚(=雇用契約)を想定していますが、
求職者の側は「とりあえず付き合ってみるか」という感覚で話が進み、
運良く採用に至ってもすぐ破局してしいます。

せっかく採用した社員がすぐに辞めてしまう一因は、
こういった採用手法にあるのではないかと思います。

一般社員ならまだ諦めはつきますが、
幹部人材にそう簡単に退職されるようでは困ります。

そのため自分たちのことを知ってもらい、
相手のことを理解できるだけの時間が必要です。

私は最低でも4回は面談するべきだと思っています。
最近ではオンラインで全てを完結させることもできますが、
2回はリアルで会うべきだと思います。

もちろん相手にはよりますが、口説くには順番が大切です。

1回目:自社が向かうべき方向性(ビジョンやミッション)の説明
2回目:相手のこと(スキルやキャリアまで)を具体的に理解できるまで聞く
3回目:自社が向かうべきところの、どの部分を担ってほしいか明確に伝える
4回目:相手を理解し、その課題において活躍できるところで条件の明示

以上のように最低でも4回は会って話をすることをおすすめします。

上記のことを1度に伝えてしまうと、
大事なことが忘れられてしまう可能姓があります。

人は忘れる生き物だという大前提のもと、
重要なことは何度かに分けて伝えましょう。

またやってしまいがちですが、
1回目で条件(年収)を伝えるのは避けるべきです。
相手の能力(スキル)もわからないまま、幹部人材として迎え入れてしまうと
後々困った事態になるかもしれません。

特に重要なのは3回目の面談で相手の得意分野・不得意分野だと
思われることを、明確に本人に伝えることです。

「この欠点は弱点まで引き上げてほしい」
「ここは得意分野なので、入社後もしっかり伸ばしてほしい」
といったことを、文章または口頭で伝えることが大事です。

そうすることでこちらが提示した条件への納得度も高まり、
入社後に活躍する確率も高くなります。

幹部人材の採用はこういったステップを踏まなければならないのです。
面倒だからと手を抜いてはいけません。

そしてこれらは仕組みにすることは非常に困難ですし、
経営者もしくは幹部が本気になって採用に携わらなければ
成功しないのです。

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この記事を書いた人
2010年、新卒でシナジーに入社し、人材サービス事業に従事。2021年に執行役員に就任。 これまでに2,000名以上の転職相談を受けた経験から求職者の視点を取り入れた中小企業の採用戦略を立てることを得意とする。 社内で新規事業の立ち上げを5事業ほど経験し、自身も2019年に社内起業を行い、代表も務めている。 様々な経験から採用戦略、経営戦略、システム構築などのアドバイザーとして活躍しており、10社以上の顧問先持つ。
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