ビジネスにおいて、顧客単価の増加=売上の増加なのは明白です。
一方で信頼されていない状態で商品やサービスを売ろうとすれば、
「ゴリ押しされた」と捉えられる危険性があります。
平成が終わり令和に突入した今、
ゴリ押しの時代は終わったといっていいでしょう。
そこで、今後の売り方として注目したいのが
『アップセル』と『クロスセル』です。
主にアップセルとクロスセルは、
『顧客単価を増やす』という文脈で利用されます。
どちらも既に商品を検討している、
または商品を利用した経験のある顧客に対して行われるため、
交渉を有利に進めやすいとされています。
令和に突入した今こそ、既存顧客との関係性を見直し、
『顧客に寄り添える企業』を目指しましょう。
そのために必要なのが、
今回紹介するアップセルとクロスセルという手法です。
この手法を実践するためには、企業と顧客の信頼関係が重要です。
顧客との親密な関係性があるかどうかによって、
アップセルとクロスセルの成功率が変わります。
アップセル(up selling)とは既存顧客に、
より高い商品やサービスを購入してもらう手法のことを指します。
アップセルでは、既存顧客に上位モデルの商品やサービスの購入を促します。
例えば、家電量販店でパソコンを購入する顧客に対し、
もう少し上のグレードを薦めるのがアップセルです。
上位モデルやサービスを購入してもらうためには、
顧客に対して明確なメリットを提示できなければいけません。
一方、クロスセル(cross selling)とは、
顧客に別の商品やサービスを一緒に購入してもらう手法です。
クロスセルでは、検討段階の顧客に別の商品やサービスを
セットで購入することを促します。
例えば、スマホの購入を検討中の顧客に対し
液晶保護シートやケースを薦めるのがクロスセルです。
ここからは顧客の情報・育成・理解を深め、
アップセルとクロスセルの成功率を向上させるポイントを
3つ紹介します。
①顧客の情報を正確に把握する
アップセルとクロスセルはタイミングが肝心です。
顧客の購買意欲がないときに、アップセルやクロスセルを行えば、
ゴリ押しになってしまいます。
アプローチする際の内容(メリットの提示など)はもちろん、
適切なタイミングを見極めましょう。
特に、顧客のコンディションを把握し、
隠されたニーズを探ることが大切です。
成約のタイミングは何も購買意欲があるときだけではありません。
ほかにも、ベストなタイミングがあるかどうかは、
顧客情報の把握にかかっています。
長期間顧客の動向を追って、ベストなタイミングを見極めてください。
②顧客を育成しエンゲージメントを高める
アップセルとクロスセルを成功させるためには、
『信頼』が重要です。
顧客との信頼関係が成り立っていない企業が、
こうした営業手法を行えばマイナスのイメージが付き、
いわゆるゴリ押し企業として忌避されてしまいます。
顧客を育成しエンゲージメントを高めるためには、
継続的に関係性を構築する必要があります。
顧客の興味や関心がどこにあるのかを理解し、
最適なタイミングでアプローチを行ってください。
マーケティングオートメーションなどのシステムを
利用するのも効果的です。
③顧客に対してのPDCAを回し続ける
顧客の情報やエンゲージメントを高めることは重要です。
ただ、これだけではアップセルやクロスセルは成功しません。
現在、こうした営業手法を成功させている企業は、
多くの成功や失敗を分析しています。
企業独自の情報を組織で共有・改善を繰り返すことで、
質の高いアップセルやクロスセルが実現可能です。
つまり、アップセルやクロスセルを成功させる秘訣は
顧客に対してのPDCAを回し続けることに他なりません。
外部の情報だけはなく、内部で情報を精査して、
独自のタイミングを見出してください。
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