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経営者向け

良い職場環境をつくるためのマネジメント
経営者であれば誰しも「良い職場環境にしたい」 という思いがあるのではないでしょうか。 しかし良い職場環境の理想形は、 会社の業種業態や規模によって千差万別かと思います。 環境と言っても働き方や職場の衛生面・人間関係など 幅広い意味を含んでいるため、 「これが良い状態だ」とは一概に言えないという方も いらっしゃるでしょう。 とても抽象的な表現だからこそ、 なかなか具体的なアクションを起こしにくいのかもしれません。 「あれもやらなければ、これもやらなければ」という 多忙な方であれば、さらに緊急度が下がってしまう課題です。 結果として、社員の退職や書類の紛失など何か問題が起きてから、 改善しようとするということが多いのではないでしょうか。 しかし問題が起きた直後は改善しようと思っていても 時間が経つにつれて風化してしまい、 いつの間にか放ったらかしになっていた、 という経験がある方もいらっしゃるかと思います。 人が働きたくなる、働き続けたいと思う職場環境をつくることは、 経営者として真剣に向き合わなければならない課題です。 以前「Z世代が求める理想の上司像とは」という記事には、 Z世代が経営者や上司に求めるもの、理想の職場について 調査した結果が書かれていました。 それによるとZ世代が求める理想の上司像は 一人一人に対して丁寧に指導する 良いこと、良い仕事を褒める 相手の意見や考え方に耳を傾ける というものでした。 そして、職場環境としては お互いを尊重する お互いに助け合う といった環境を求める傾向にあることが明らかになりました。 つまり一昔前はリーダーが中心になって組織を牽引していくことが求められ、 互いに切磋琢磨することが好まれましたが、 現在はたとえ新人でも「人」として尊重し、 お互いに助け合う環境を求めているということです。 とはいえ、社会経験の無い新人を指導する場合、 上記のような特徴を持つZ世代に苦労する経営者は多くいます。 そんな経営者の方たちに私からお伝えしたいのは、 仕組みで動かす「環境マネジメント」を取り入れることです。 そもそも旧態依然のマネジメントが有効でなくなったのは、 人に頼りすぎた手法や組織づくりをしてきたケースが多く、 組織を引っ張っていた人材が抜けてしまうと たちまち上手くいかなくなってしまいます。 「この人だからできた」とか「この人にしかこの空気感を出せない」から 「この会社だからできた」という言葉に変わるように、 仕組みで環境づくりをしていくことが必要だと思います。 教育や職場内でのルールも同様で、この会社だからできているという会社づくりが必要なのです。

小濱亮介

お金をかけるべきポイントは明確になっていますか?
中小企業はお金をかけて集客や宣伝をしてしまいがちですが、 お金をかけたことで簡単に体力を奪われてしまうケースも少なくありません。 もちろん、戦略的に予算を組み、お金をかけることによって 成長する企業も存在します。 しかし場当たり的にお金を使ってしまい効果測定もしないまま 経営が苦しくなっている会社もあるのが現状です。 今回は、中小企業が抱えるお金の不安を解決するため、 3つのリスクと4つの工夫を紹介します。 お金をかけた経営の3つのリスク 1.経営の工夫がなくなる お金をかけた事業運営は、工夫に工夫を重ねた上で行う必要があります。 そもそも事業は利益を得るためのものであるにもかかわらず、 支出を増やしていては本末転倒です。 言い換えれば、お金をかければ事業が上手く行くと考えるのは、 工夫を放棄しているのと同じです。 お金をかけなくても同等以上の効果を得ることができないかを まずは考えましょう。 2.無駄な出費となる可能性がある お金をかけると、単純に無駄な出費となる可能性があります。 たとえば、広告に20万円費やしたにも関わらず、 その広告から1,000円しか利益がなければ、 費用対効果が圧倒的に悪い事になります。 「直接の売上につながらなくても、知ってもらうきっかけになる」 という意見もありますが、 工夫次第でお金をかけず自社を認知してもらうことはできます。 お金をかけた分だけ無駄な出費となる可能性を考慮しましょう。 3.お金をかけることが当たり前化する お金をかけて事業運営をし続けると、 お金をかけることが当たり前化してしまうリスクがあります。 広告に費用を払う時に「本当に広告を出す意味があるのか」を 考えなくなる可能性があるのです。 つまり、お金をかけることに疑問を持たなくなってしまうのです。 場当たり的な支出が増えてしまうリスクを知っておくことが重要です。 お金かけない経営を実現する4つの工夫 1.広告よりも広報を重視する お金をかけずに事業運営をするには、広報活動を最優先すると良いでしょう。 広報活動は広告宣伝と異なり、新聞やテレビなど、 第三者の目線で紹介してもらうため、 客観性のあるPRとなります。 広告よりも説得力が増すため、広報活動に力を入れている会社は お金をかけずに自社や商品サービスを知ってもらうことが可能です。 2.広報しやすい商品を開発する 広報活動をするには、商品やサービスの開発を 工夫をする必要があります。 何の取柄もない商品やサービスを メディアが取り上げる可能性はゼロに近いでしょう。 広報をするには他にはない商品を開発する必要があります。 原則的には季節性・地域性・ニュース性を重視すると メディアに取り上げられやすいので、 それを含めて他社と差別化した商品開発に力を入れましょう。 3.マーケティングを徹底する 差別化を図った商品開発をしても、 その商品やサービスが顧客に向いていなければ意味がありません。 広報活動を成功させるには、その土台となるマーケティングが重要です。 市場を分析しニーズを把握した上で、 顧客に利益をもたらす商品・サービスを 提供する必要があるでしょう。 4.イノベーションを意識する マーケティングを徹底するのと同時に イノベーションも意識すると良いでしょう。 マーケティングに力を入れると、顧客ニーズを気にしすぎて、 ありきたりの商品やサービスばかりになる傾向があります。 市場のニーズを踏まえつつ、新たな価値を生み出す工夫をすることで、 差別化を図りながら顧客のニーズに応えることができるでしょう。 まとめ 中小企業は、会社の体力が十分でない場合が多く、 お金をかけた経営をしていると、すぐに体力を消耗してしまいます。 なるべくお金をかけない経営を心掛け、必要なものも最小限に留めましょう。 特に広告やシステムには、無駄なお金がかかるケースが多いので、 自社に合ったものを取捨選択することが重要です。 弊社が毎月開催している 社長の学校 プレジデントアカデミー、 3月のテーマは「投資とリスクマネジメント」です。 成長し続ける会社だけが実践している リターンを見込んだ投資の方法を解説します。 少しでも気になった方というは、 こちらから詳細をご確認ください!

樋野 竜乃介

スカウト文作成のコツ
最近、採用活動ではスカウトが多く利用されてきています。 しかしスカウト文の作成に頭を悩ませている方も 多くいらっしゃるのではないでしょうか。 今回はそんな方に向けて スカウト文作成のコツをまとめていますので、 参考にしていただけますと幸いです。 ①冒頭で「どのような会社」の「誰から」 送られてきたか分かるようにする 冒頭での自己紹介はとても重要です。 求職者は自社を知らないことがほとんどです。 そのため会社名だけでなく、どのようなことをしている会社なのか 簡潔に説明するのがおすすめです。 さらに「誰から送られてきたか」が伝わることも重要です。 名前だけでなく、「役職名」や「普段行っている業務」などを 付け加えるといいでしょう。 スカウトの本気度を示すために、「代表名」や「役職上位者」で スカウト送信することで会社の熱意を伝えることができ、 スカウトの返信率を高めることができます。 ②「なぜあなたにオファーしたのか」が 分かるような内容にする なぜ他でもない「あなた」にオファーしたのかが 求職者に伝わることも重要です。 例えば、求職者の職務経歴やこれまでの経験などをふまえて 「〇〇という経験を拝見し弊社の〇〇職がフィットするのではと感じて、 オファーしました」という一文を入れることで 「特別なオファー」として受け取られ、返信率が高まります。 ③任せたい業務や自社の目指すべき方向、 解決したい課題を具体的に記載する 求職者に任せたい業務や役割とともに、 現在の職種を募集している背景や目指すべきビジョン、 現在の解決したい課題を記載しましょう。 そうすることで求職者は納得感をが高まりますし、 入社後のイメージをしやすくなるため、 より興味を持ってもらいやすく、ミスマッチの回避にもつながります。 以上、スカウト文作成におけるコツを記載しました。 ぜひ参考にしてみてください。 無料相談のご案内 自社の具体的なスカウト文や現在のスカウトの手法に関して 相談してみたい方向けに無料相談を行っております。 ぜひお気軽に下記URLよりお申込みください。

乾 恵

厳しい賃上げムードに備える
岸田総理からも賃上げを要請が出ており 増税に加えて賃上げということで、 経営環境は更に厳しくなっていくことが予想できます。 ユニクロが新入社員の給与を大幅にアップしたように、 大手企業が人材確保のためインフレ手当を支給したり ベースアップをしたりというニュースが目立ちます。 インフレ手当は一時的なものですので、 実質の賃上げとは言えませんが 支給しないよりかは良いと思います。 そもそも日本で賃金が上がらないのはなぜでしょうか。 それは労働組合が大手を中心に企業別に 組織されていることが原因だと言われています。 労組はその企業内での正社員の雇用維持を重視するため、 賃上げ要求はどうしても弱くなってしまいます。 一方欧州では産業別に組織された労組が経営者団体と交渉し、 労働条件を組合員以外にも拡張適用しています。 日本ではそのようなルールは一般的ではなく、 なかなか賃上げが進みにくいのです。 現在、正社員雇用は増えたものの、 非正規労働者として働く人の割合も増えたことで 平均した賃金は下がることになります。 すべての労働者の平均賃金を出して、 賃上げをしようとすると数字のマジックのように よくわからない数字が出てきたりするのです。 本来の同一労働同一賃金の考えに従い、 「この仕事はいくら」と決まっていれば良いのですが、 自由競争で価格が決まっていることもあり、 全て同じというのも現実的ではありません。 やはり一時的ではなく継続的に賃金を上げていかなければ 消費も増えず、経済の悪循環を断ち切ることはできません。 どういった形で賃金を上げて、生産性を上げ、収益を上げるかを 常に考えながら経営をしなければいけません。 これは容易なことではありませんが、 経営において非常に重要な事項の一つとなることは 間違いありません。 逆にこれが上手くできれば、競争優位性の源泉になり得ます。 「うちの業界は厳しい」「中小企業だから難しい」 と嘆く前に、どうすれば実現できるのかを考え、 小さなことでも実践してみてください。 いつまでも競合他社と横並びでは、会社がどんどん衰退していきます。 国からも賃上げに対して優遇措置が出ることが予測されますので、 早めにキャッチアップして賃上げを実践できる体制に しておく必要があります。 日々の業務に追われるだけでなく、しっかりと未来を見据え 動いていかなければなりません。

広報シナジー

「仕組み化」が進まないのは経営者が〇〇だから!?
経営者の方にとって、「仕組み化」というコトバは とても馴染み深いものかもしれません。 株式会社良品計画のように「仕組み化」を経営に取り入れ、 成長を続けている企業は多く存在しています。 しかし「仕組み化」の重要性は理解しているが、 なかなか会社のシステムとして「仕組み化」を取り入れたり、 使いこなしたりすることができないという経営者の方も いらっしゃるのではないでしょうか。 今回はそういった経営者のために 「仕組み化」をうまく使いこなせない理由と そして、仕組みを取り入れ、使いこなすために 経営者が理解しておくべき3つのルールをご紹介します。 1. 優秀だからこそ「仕組み化」できない? なぜ、仕組みを使いこなすことができないのでしょうか。 おそらく経営者が優秀だからではないでしょうか。 優秀な人ほど ・自分でやった方が効率的に仕事が進む ・やるべきことはきちんと記憶し、実行できる このように「仕組み化」の必要性を見落としがちなのです。 しかし、「仕組み化」は優秀な経営者の方ほど 取り入れてほしいものなのです。 「仕組み化」を取り入れることで、 経営者にしかできない仕事に専念することができ、 これまで以上に会社を成長をさせることが可能になるのです。 2.「仕組み化」を使いこなすための3つのルール ①才能に頼らない 日々の業務を経営者が多く請け負うことや、 できる社員に多く仕事を振ることで 短期的な結果は出るかもしれません。 しかし、企業にとって最も大切なことは 短期的な利益より、長期的な利益による 持続的な成長にあるはずです。 一部の社員が実績を独占するのではなく、 「仕組み化」を行うことによって、 社員全員が成長し、長期的な利益を上げることが重要です。 会社の中で実績の良し悪しが如実に出るのが 営業部門ではないでしょうか。 壁に実績を張り出し、社内競争を煽っている企業も あるかもしれません。 しかし、実はその社内競争が会社の業績を悩ませる一因に なっている可能性があります。 社内競争下だと、社員は成功体験や上手い営業のノウハウを 決して社内のメンバーに口外することはないでしょう。 もちろん、口外したら自分が突出した実績出せなくなるため 当たり前ですね。 しかし、それが逆効果になり会社の成長を妨げているのです。 では、どうすればよいのでしょうか。 1つの方法としては、ベストプラクティスを共有する仕組みを 作ることが挙げられます。 成功体験をしっかり記録、そして共有する仕組みがあることで 全社員が高いレベルで営業を行うことが可能になります。 つまり、企業の成長につながるのです。 才能に頼る短期的視点の経営から、 「仕組み化」により社員全員が成長でき、 さらに会社も成長する長期的視点の経営に変えていきましょう。 ②意思の力に頼らない 経営者の方は優秀な方が多いので、 日々やるべきことをしっかりとやっていく 意思の力も強いかもしれません。 しかし、あなたの会社の社員全員は 必ずしもそうでないのではありません。 とても意思の力が弱く、自分のタスクを しっかりと実行できていないという社員もいることでしょう。 意思の力に頼らないで社員を動かすために 活用するべきなのも「仕組み化」です。 仕組みで人を動かしましょう。 仕組みで動くとそれがルーティンとなり、 その仕事を実施することの苦痛がなくなっていきます。 タスクをルーティン化するための仕組みとしては、 チェックリストが有効です。 チェックシートにタスクを書き出し、 常に進捗を「見える化」することによって、 意思の力に負けることなく、 タスクを行うことができるようになります。 「仕組み化」で意思の力を凌駕しましょう。 ③記憶に頼らない 1日どれくらいの量を記憶しているでしょうか。 さらにどのくらいの記憶が翌日であっても残っているでしょうか。 おそらく少ないと思います。 それをカバーするために優秀な経営者は記録をとります。 しかし、すべてのタスクに対して記録を残していくのは なかなか社員全員が出来ることではありません。 そこで、「記憶」ではなく、「記録」をする仕組みを作りましょう。 例えば、名刺。 名刺は会社にとっての資産になりますが、 大抵うまく管理できず、各自が机にしまっている というケースが多いのではないでしょうか。 そこで社員全員が名刺を「記録」できる仕組みがあると 一気に会社のチャンス獲得率は上がります。 「記憶」ではなく、「記録」によって会社の業務効率を大幅に上げましょう。 優秀な人ほど気づけないということもあり、 その一つが「仕組み化」の必要性ではないでしょうか。 しかし、「仕組み化」によって優秀な経営者ができることの幅を 劇的に広けることができます。 ぜひ、「仕組み化」を取り入れてみてください。 弊社が毎月開催している 社長の学校 プレジデントアカデミー 2月のテーマは「仕組み化」です。 社長が経営と向き合う時間を生み出すために 活用していただきたい仕組みの作り方を解説します。 少しでも気になった方というは、 こちらから詳細をご確認くださいませ。

広報シナジー

社員が転職を考え始める事柄3選
長期休暇の後は、最も転職を考える時期だと言われています。 普段は会わない人と話す機会が増え様々な近況を聞くことで、 「自分は大丈夫だろうか」「このままでいいのか」と 自分のキャリアや仕事を見つめ直す機会が多くなるためです。 最近、採用以外にも社員の定着に関する相談を 多くいただくようになってきました。 そこで今回は、意外とやってしまっている 社員が辞めたくなる上司の行動や会社の仕組みのうち 代表的な3つの事例をご紹介します。 ①目を見て話さない 例えば社員が何か相談にきた時、パソコンで作業をしながら、 あるいは別の資料を見ながら話していることはありませんか? 自分では聞いているつもりだったとしても、 社員は真摯に向き合えてもらえていないと感じたり、 面倒くさがられていると感じたりします。 当たり前のことですが、相談された時は仕事の手をとめて、 相手に体を向けて話すことをお勧めします。 ②1から10まで全部指示を出す 仕事をお願いするときやアドバイスをする時、 ゴールだけでなく、やり方まで全てに指示を出していませんか? 失敗しないためにアドバイスすることはもちろん重要ですが、 仕事をする上で、有能感(自分は〇〇ができている!)や 自律性(自分で決定し、動かしている)を感じないと、 仕事に対するモチベーションが下がってしまいます。 社員が自己決定をする部分を残しつつ指示を出すことで 社員はやりがいを感じながら働くことができます。 ③企業理念と実際の行動・言動が伴っていない 企業理念やミッションは採用においても、とても強力な武器になります。 しかし実際に入社すると、企業理念がただの飾りになっていると感じ、 転職を考える社員も多いそうです。 例えば経営理念としては「お客様を第一に考える」と掲げているが、 実際には「売上至上主義」で、売上に対して毎日詰められるといったように。 ここまで社員が転職を考え始める事柄を3つ紹介しました。 ぜひ自社の状況を見つめ直し、今後の組織づくりにも生かしていただければと思います。

乾 恵

パーパス再定義のタイミング
2020年以降コロナ禍で新しい顧客の創造が停滞し、 顧客数が伸び悩む企業が多く見受けられたように思います。 新型コロナウイルスの感染が完全に収束する時期は予測不能ですが、 国ごとにばらつきがあるものの規制緩和が進み 「アフターコロナ」に向かっていると言えるのではないでしょうか。 こういった経済の大きな変化がある中、企業は利益の追求だけでなく 社会的責任を果たすことが求められるようになりました。 そのためESG(環境・社会・ガバナンス)やSDGsなどの視点から、 自社の存在意義・存在価値を 「事業を通じて世界(社会)と持続的成長にどのように貢献するか」 というパーパスで表し、再定義する会社が増えているように思います。 当社でも昨年1年間かけてパーパスの再定義を行いました。 1995年にビルテックサービス有限会社という社名で ビルメンテナンス事業から始まった当社ですが、 現在ではビルメンテナンスを中心に警備事業や人材派遣業、 セミナー事業、コンサルティング事業と複数の事業を展開しています。 創業当時は経営理念が無く、現在の社長である樽本が参画したタイミングで 初めて経営理念ができました。 最初の経営理念は「雇用インフラの開発」「人間力の向上」「共生と幸福の追求」 の3つでした。 そして創業者の大武から現社長の樽本にバトンタッチをするタイミングで 経営理念を再定義しました。 その時、「何を大切にして会社経営を行っていたか」 というところにフォーカスして議論した結果、 現在のミッションである「あらゆる人と組織に元気のきっかけを創り出す。」が 出来上がりました。 創業当時の話を聞き、言語化し、何を大事に会社運営を行い、 お客様と接していたのかということを簡潔にまとめると 「人を活かし、人を元気にし、社会に貢献する」というものでした。 バトンタッチするタイミングで、しっかりと何を大事に経営をしていたのかを 握り合うことが事業承継でも必要ですし、 新たにパーパス(存在意義)を考える上でとても大事なことだと言えます。 弊社は来年で30周年を迎えようとしています。 会社の歴史を振り返るともちろん様々なことはありましたが、 何を大切にしてここまで来たのかを経営者、幹部、社員全員が 理解し納得して社業を行っていく必要があります。 世界や日本社会の情勢が混沌とする中でも、 過去を振り返った上で、これから先どう在りたいかを しっかりと経営陣、幹部、社員と議論しパーパスの再定義を行うことが 必要なのではないかと思います。 そこで新たな発見や気付きが生まれてくるかもしれません。

小濱亮介

チームビルディングの要、採用の4つのポイント
チームビルディングの三大要素は、採用・育成・メンテナンスです。 そして育成とメンテナンスの根本は、採用です。 つまり採用に力を入れることが結果的にチームの質を 高めることにつながるのです。 今回はチームビルディングの要である採用について、 3つのポイントを紹介します。 まず採用において重要なのは「簡単に決めない」ということです。 中小企業の場合、ひとりの社員が会社に与える影響力は大きくなります。 そのため、慎重に人材を選んでいかないと後々苦労することになります。 1.理想像を明確にする 意外と多くの会社で見落とされているのが 「自社の欲しい人材を明確にする」ことです。 面接に来た人たちを相対的に比べてなんとなく決めていては、 本当に自社に適した人材は採用できません。 そのため採用において経営者がまずするべきなのは、 欲しい人材を明確にすることです。 優れた人材には大きな影響力があります。 どんな人材が欲しいのか、またどんな人材が今必要なのかを 書き出してみましょう。 最初は難しく考えず、「積極性」や「チャレンジ精神」など シンプルな言葉で思いつくだけ書き出してみましょう。 そしてその中から優先度の高いもの10個を選ぶと、 自社の【欲しい人材10か条】が見えてきます。 2.自社の「見え方」を磨く 【欲しい人材10か条】を満たす人材に来てもらうために、 すぐできることは「見た目」を良くすることです。 もちろん本当の姿を磨くことが大切ですが、 本当の価値や魅力が正しく伝わっていないことがよくあります。 会社の見た目とは、たとえばホームページです。 求職者は必ずホームページをチェックするでしょう。 客観的に自社のホームページを見たときに、 「ここで働きたい」と思えますか? 無料あるいは安価で、かつ比較的簡単に ホームページを作成できるツールがいくつもあります。 その中から会社のカラーや良さを表現できそうな媒体を選び、 魅力が伝わるホームページを作りましょう。 3.小さな会社の採用戦略 小さな会社や認知度があまり高くない会社は、 それだけで採用が不利な場合も多いでしょう。 しかし、それは一般的な求職者のニーズを 考え過ぎているからです。 中小企業には中小企業にしか求職者に提供できない、 特権的な価値・武器もあります。 例を挙げると、 ①成長余力がある ②分かりやすい社会正義を語れる(ミッションや使命感) ③挑戦できる環境 ④チームとしての一体感 ⑤風通しの良い社風・仕事環境 ⑥社長・経営陣と近い距離で仕事ができる環境 ⑦経営に携われるチャンスがある 将来的に起業したいと考えている、 大規模な会社よりも小さい会社のほうが肌が合う、 といった求職者からすると、 これらの要件が魅力的に映るものです。 4.決定プロセスの要点 採用までのプロセスは、多い方が良いです。 もちろん多ければ多いほど良い、という訳ではありませんが、 1回の面接だけで人を理解することはできません。 そのため「できるだけ接する回数を多く、接する時間を長く」 できる採用プロセスを作りましょう。 新卒採用の場合、インターン制度を設けることをおすすめします。 最近ではインターンを経験したいと考えている学生が増えていますが、 企業側にもメリットがあります。 まず1つ目のメリットは、育成しやすい人材か否かを 採用前に判断できることです。 採用をしたら育成をする必要がありますが、 単に優秀かどうかだけでなく、 その人材が自社の企業文化・ミッションに共感し 力を発揮できるかどうかも、育成の際には重要です。 2つ目のメリットは、接触回数を増やしてから採用すれば、 自社と求職者の双方が“ミスマッチ”を減らすことができることです。 今回は新卒採用を例に見てみましたが、 中途採用であっても簡単に採否を決めず ステップを作って採用しましょう。 組織力の高い会社は、人材の教育・管理制度が整っています。 しかしそれ以前に、人材を採用するノウハウも優れているのです 採用方法を見直す・グレードアップすることが、 チームビルディングの要となります。 弊社が毎月開催している 社長の学校 プレジデントアカデミー 1月のテーマは「チームビルディング」です。 事業を安定的に継続させるために不可欠な、 自立型の組織の設計術について解説します。 少しでも気になった方というは、 こちらから詳細をご確認くださいませ。

樋野 竜乃介

リモートワークの次は”フレキシブルワーク”
新型コロナウイルスの感染拡大後、急速にリモートワークが普及しました。 最近ではリモートワークから出社するスタイルに戻した企業もあれば、 逆にフルリモートに切り変える企業もありと二極化が進んでいます。 職種や業界の特性上、リモートワークを取り入れることが 難しい会社も中にはあると思います。 しかし求職者の求める条件として、 「リモートワークができる」「在宅勤務ができる」が 上位にランクインするようになりました。 そのような中、”フレキシブルワーク”という働き方が 次第に注目を集めるようになってきています。 フレキシブルワークとは、働く時間・場所、休暇の自由度を 高めた働き方のことです。 自分に合ったタイミングで、自分の好きな場所で働く という働き方を望む求職者が増加傾向にあります。 多くの企業でリモートワークは認められつつありますが、 働く場所には何らかの制約が存在するケースが多くあります。 例えばリモートワークを認めている求人のうち、 95%は特定の国・地域・都市を在住拠点とするなど 何らかの地理的な制約条件が設けられています。 その理由の多くは対面のミーティングや クライアントと対面でやり取りが必要である、 時差によってコミュニケーションが取りづらくなることが 業務に悪影響を及ぼす可能性があるといった、 何らかの不都合を防ぐ意味合いが強いです。 一方でホワイトカラーでノマドワーカー的な働き方をする人が増える中、 実際に会社に勤める上でもそのような働き方を望む方が増えてきました。 今後は”フレキシブルワーク”が徐々に流行し、 優秀な人材を自社で囲い込むため、 導入に踏み切る企業が増加することが予測できます。 一部では、すでに導入している企業もあります。 企業側としては、フレキシブルワークに対応可能な職種は 他社に遅れを取らないよう体制をつくり、 対応が難しい場合はフレキシブルワークよりも旨みのある 働き方や条件を作っていかなければなりません。 そしてフレキシブルワークが広がることで、 人材競争のエリアは一層広がっていきます。 将来的な人手不足のリスクを減らすための対策として参考になれば幸いです。 <おすすめブログ> 働きやすさだけを追求すると社員のやる気が下がる? 働きがいを両立させるために重要なのは…… >>>https://www.kk-synergy.co.jp/saiyo/500234/

乾 恵

会社は誰のために存在するのか
円安に加えて物価高もあり、ますます日本と世界の経済の 先行きがわからず不安ですよね。 そのような状況でも、しっかりと利益を出されている会社も多くあり 「小濱さん、役員報酬ってどうやって決めたらいいですかね?」と 聞かれることが増えてきました。 役員報酬について経営者が相談する相手としては、 税理士さんが一般的なではないでしょうか。 いろいろ聞いてみると、税理士さんの考え方によって 回答は様々なようです 「社長がたくさん取ってください。 何かあったときは社長が個人で入れるしかないんですから」 「利益を残さないようにしましょう。税金払うなんてもったいない」 「しっかり会社に残していきましょう」等々 様々な話を聞いたことがあります。 もちろんどれが正解とは一概に言えません。 従業員の給与であれば、賃金制度をつくり決めることもできます。 しかし経営者は最終的に個人の資産を切り崩さざるをえない状況になることもあります。 そのことを従業員に理解してもらおうと思っても、それは現実的に難しいように思います。 人によって役員報酬の決め方について考え方は様々なので、 「結局は納得度が一番高いところが落とし所です」といつもお伝えしています。 役員報酬について調べていく中で驚いたのが、 アメリカの役員報酬は日本と比べると13倍高いということです。 13倍というと差がありすぎて現実味がないように思いますが、 どちらにしても先進国の中でも日本は低いようです。 様々な要因が考えられますが、 そのひとつに「会社というものの捉え方」があります。 アメリカで「会社は誰のためのもの?」と経営者に聞くと、 9割の経営者は「株主のためのもの」と答えるそうです。 一方の日本では、ほとんどの経営者が「お客様」「地域社会」や「従業員」といった 株主以外のステークホルダーを答えます。 こういった考え方があるため他の先進国と比べ、 経営者が高い報酬を受け取るという文化が無いのかもしれません。 あるいは昔から染み付いた「お金持ち=悪」という風潮が そうさせているのかもしれませんが…… 大谷翔平選手の年俸が43億円と報道されると 「まだ安い。もっともらうべきだ」という声が多く出るにもかかわらず、 「経営者はもらいすぎだ。もっと従業員に分配すべき」という風潮があることに 個人的には矛盾を感じますし、そこの差に何があるのかと不思議に思います。 高い報酬を得ることへの妬みがあるのだと感じることもあります。 もちろんたくさんの報酬をもらうことが経営者の目的では無いのですが、 このような文化が技術の発展や世界競争に遅れを取っていることに 関係しているのではないかと思います。 経営者と従業員が完全に理解し合うというのは難しいかもしれません。 それでも互いに寄り添ってコミュニケーションをとり、 理解しようと双方が努力することが大事です。 お互いが気を遣い合って何も言えなくなることに比べると、 言い合える方が良いチームなのかもしれません。 気がねなく報酬について意見を交わせる関係性がベストとは言いませんが、 そのような関係性のチームは強いチームなのではないかと思います。

小濱亮介

コックピット経営のメリットと注意点
仕事というものは常に動いており、 見える化することは困難と言えます。 同じように、経営も営みであるために、 完全に見える化できるものではないでしょう。 しかし、見えないものを検証することはできませんし、 改善することも不可能です。 そこで2000年頃からブームとなったのが コックピット経営です。 コックピット経営とは、人や物、お金を可視化し、 経営戦略や戦術と、人の動きを紐づけする経営手法です。 たとえば各部署ごとのシステムデータを集め活用し、 まるで飛行機のコックピットで操縦するかのように 経営することを指します。 コックピット経営は多くの企業で有効とされ、 採用されてきましたが、失敗事例も数多く存在します。 何も考えずにブームに乗っかってしまうと、 効果を発揮するどころか、逆効果となることも考えられます。 コックピット経営を行うことでどのようなメリットがあるのか、 そして、どのようなリスクがあるのかを分析する必要があるでしょう。 過去の失敗事例を学ぶことで、失敗を未然に防ぐことができます。 ここからはコックピット経営のメリットと注意点について、 失敗事例をふまえて見ていきたいと思います。 コックピット経営によって得られるメリット コックピット経営のメリットは、経営がガラス張り状態となり、 本来見えない営みが見えるようになることです。 経営の可視化ができれば、 上手くいっているポイント・いないポイントを 客観的に理解することができます。 毎日、経営内容をモニタリングした上で、 業務管理や営業管理、生産管理などのシステムと 連携することによって、社内の経営状態が閲覧可能となります。 つまり、これらのシステムを統合することによって、 経営者が自社の問題点にすぐメスを入れること が可能になるのです。 社内フローや、お金の流れ、人の流れの中で、 どこがボトムネックになっているのかも 浮き彫りとなるため、効果的な改善が行えます。 コックピット経営の注意点 コックピット経営を行う時の注意点としては、 過剰なデータ活用が挙げられます。 システムによるデータは膨大で、 それらを総合的にまとめると、さらに膨大なデータとなります。 膨大なデータを分析するだけでも時間と労力が必要になり、 かえって非効率となるのです。 これは、起業時の会議と似た特徴があります。 細かい議題を集めすぎると会議が増え、 仕事にあてる時間が減るという 本末転倒となってしまいます。 起業してすぐの時期の会議は、ポイントを絞り 必要最小限にしなければなりません。 コクピット経営も会議と同じで、 いかにデータを絞り込めるかが重要です。 コックピット経営の失敗というと、 よくカルビーがその典型例として紹介されます。 カルビーは週次データをシステムごとに集計しており、 全てのデータをチェックするには、 不眠不休で4日かかるといわれたほどです。 また、データ分析で使われた9面グラフというグラフも、 データが多すぎてポイントがよく分からない結果となったそうです。 教科書にアンダーラインを引きすぎると、 結局どこが重要なのか分からなくなるように、 過剰な情報はかえって効率を悪化させる 要因にもなります。 コックピット経営に必要な要素 コックピット経営はITの活用が前提です。 そしてモニタリングしている情報が、 リアルタイムに見える状態となっていることが大切です。 ただし、見えているだけでは意味がありません。 自社のゴール指標と日課の間に ギャップがあるかどうかが判別でき、 そのギャップの原因を突き止める必要があります。 このようなことを重視して、経営者と社員の間で ガラス張りの情報を共有すると良いでしょう。 コックピット経営は、経営を見える化してくれますが、 情報が多すぎると非効率になる可能性があります。 情報の取捨選択をしながら、経営の効果を上げる必要があります。 弊社が毎月開催している 社長の学校「プレジデントアカデミー」 12月のテーマは「経理・財務」です。 社長が会社のバイタルチェックをするために必要な 7つの計器について解説します。 少しでも気になった方というは、 こちらから詳細をご確認くださいませ。 プレジデントアカデミーを受講された方のインタビューを こちらからダウンロードいただけます。 「どんな人たちが受講しているの?」 「受講してみて実際にどう変わったの?」と お思いの方はぜひご覧ください。

樋野 竜乃介

SNSを使ってZ世代に情報を届けるポイント
昨今、企業の採用活動は、求人媒体への掲載だけでは 採用することが非常に難しくなってきました。 求職者は様々な情報を見て、 応募する企業・就職する企業を判断しています。 最近ではSNSで情報収集している求職者も多くいます。 今回は、求職者がどのようにSNSを使って 情報収集をしているのかをお話をさせていただきます。 SNSの情報収集が入社意向度につながる SNSで仕事内容や働き方・社風などの情報を見たことで、 企業に興味を持った経験があると答えた学生は 45.5%と全体の半数近くでした。 さらにその中でSNSで特定の企業の情報に触れ、 選考や入社意向度が上がった学生は 7割を超えたという調査結果が出ています。 6割の学生がTwitterでの情報発信を希望 企業に情報発信をしてほしいツールに関しては Twitterが6割を超え、続いてYouTube、Instagramと 日常的に使用しているSNSでの情報発信を 希望する学生が多いことが分かりました。 またTwitterは企業アカウントではなく、 社員が個人的に発信する内容、 YouTubeは働く風景や社員の様子などを見て、 求人媒体だけでは伝わりにくい、 よりリアルな情報を集めている傾向があります。 SNSの利用といっても、ツールごとに特徴があります。 やみくもに発信するだけではなく、 学生がどのような場面で、どのように利用しているかを把握し それに合った運用をすることがとても重要です。 ぜひ今後の採用活動に活かしていただければと思います。

乾 恵

「普通」は何を指しているのか?
みなさん”普通”という言葉を使うときに、 どのように使われているでしょうか? 私は「”普通”に考えて、こうじゃない?」と、 部下に同意を求めていました。 その時、部下は何とも言えない表情で 「はい」と答えていたように思います。 なぜそんな表情をしていたのか、 納得していないからなのか、 または反論したいからなのか、 ということを考えたことがありました。 直接指摘されたわけではありませんが、 ふとその時の部下の表情が気になって ”普通”について考えてみました。 何をもって普通なのか。 何が普通なのか。 「そんな面倒くさいこと考えても無駄だ。 普通は普通だよ」 と思われるかもしれません。 しかし、このような場面は 日常生活でもたくさんあります。 そんなすれ違いが積もり積もって、 部下との関係を悪くすることも あるんじゃないかなと感じました。 そこで様々な場面で周りの人が使っている ”普通”について考えてみました。 部下に対して 「普通に考えたら、こっちでしょ」 ご飯を食べた時に 「このナポリタン普通に美味しい」 「このラーメンは普通だね」 未成年の若者に対して 「普通は学校に行くべきでしょ」 配偶者と食事について話す時に 「日本人なら、普通はパンより米でしょ」 当たり前のように使っている ”普通”という言葉は、 様々な文脈や使う場面によって、 意味合いが異なります。 そのため「普通は~だ」と言われて 安心することもあれば、 嫌な気持ちになることもあるでしょう。 普通という文字を辞書で引くと 「いつ、どこにでもあるような、 ありふれたものであること。 他と特に異なる性質を持ってはいないさま。」 という意味が出てきます。 しかし、日常で使っている”普通”は辞書とは違った意味合いで、 使っていることが多いように感じます。 「普通に美味しい」は「とても美味しい」という意味で 使うこともできますが、 「このご飯は普通だ」は「期待していたよりも美味しくない」と 相手によっては受け取るかもしれません。 使う文脈によっても捉え方が違いますが、 私が感じる中では大きくふたつの意味合いが あるのではないかなと思います。 1つ目は、マジョリティ(多数派)のこと。 2つ目は、規範的なこと。 そこで気づいたのが、 この2つはあくまで主観的であるということです。 客観的な意見は含まれていないのだと思います。 主観的だから、時に相手には伝わらず、 何気なく使っている”普通”で相手を傷つけたり 意見を押し付けたりする可能性があります。 ふと振り返ってみると、マウントを取るために ”普通”という言葉が使われているケースも あるように思います。 特に年齢が離れた人に対しては、 気をつけて使う必要があります。 いつも何気なく使っている”普通”という言葉が、 意図せず相手とのギャップを 広げているのかもしれません。

小濱亮介

『足で稼がない』営業とその注意点
昔は、営業パーソンが顧客にこまめに訪問して、 足で営業案件や注文を獲得してくるという 営業スタイルが主流でしたが、 近年はこのような手法で業績をあげることが 困難になってきました。 代わりに昨今、注目されているのが 「インサイドセールス」という 営業手法です。 今回はインサイドセールスの定義と その効果、実施する上での注意点を解説します。 インサイドセールスとは顧客を訪問せず、 電話やメールなどを使って営業をして 見込み案件を創出し、育てていく 営業手法のことを指します。 国土が広く物理的に顧客を効率よく訪問することが 困難なアメリカにおいて発展した営業手法ですが、 近年では日本に輸入され、多くの企業で実践されています。 インサイドセールスと対照的なのが、 フィールドセールスです。 フィールドセールスとは、 いわゆる飛び込み営業や御用聞き営業を指し、 営業パーソンが顧客に訪問することによって 新規顧客を開拓したり、 既存顧客から新規案件を創出したりする営業手法です。 どちらの営業手法にも一長一短あり、 今でこそインサイドセールスの手法が注目されていますが、 フィールドセールスは全く効果が見込めない、 ということではありません。 例えば、不動産や保険の営業では、 今でも営業が自分で顧客開拓して、案件発掘から契約、 アフターフォローまで行うという フィールドセールスが主流です。 有能な営業パーソンの能力と自主性に任せて 短期間で売上をあげるためには、 フィールドセールスの方が適しています。 インセンティブを高く設定できるのならば、 このような営業手法でも 効率よく業績をあげることが可能です。 一方、インサイドセールスは農耕のように、 時間を掛けてゆっくりと顧客を育成するため、 一般的な能力しかない営業パーソンでも 安定して利益をあげることが期待できる手法です。 短期間で成果を得ることは難しいのですが、 インセンティブを高く設定したり、 敏腕営業マンを雇ったりしなくても 安定して業績を上げられる可能性が高くなります。 どちらが良いということではなく、 開拓したいターゲットや業種によって、 両者をバランス良く使い分ける必要があります。 かつての日本では、フィールドセールスが主流でした。 特にBtoB系の業種のように、 特定の顧客を開拓しなければならない業種の場合は、 マーケティングで見込み顧客を集めるというよりも、 営業の力によって顧客を開拓しようとしていたのです。 しかし近年はフィールドセールスをやめ、 インサイドセールスを導入する企業が 増加しています。 そこには、 ①フィールドセールスの効率の悪さ ②営業の人材不足 ③情報の蓄積のしにくさ という3つの背景があります。 内勤の営業が電話やメールをするだけならば、 短時間で多くの顧客に情報を伝え フォローすることができます。 また見込みが一定以上の案件だけを 営業に渡すことができるので、 訪問して断られ続けるというストレスを 排除することができます。 その結果、見込み案件を発掘するコストを 削減することができ、 営業の精神的な負担を減らし、 少ない営業人員で効率よく営業することが 可能になります。 更に社内で作業をしているので、 電話やメールのアプローチ結果をシステムに入力し そこから読み取れる顧客のニーズなどを分析しやすく、 情報共有もしやすいので、 一丸となって1社の顧客をフォローしやすくなります。 インサイドセールスを行う上での1つ目のポイントは、 顧客名簿に常に正確な情報が掲載される仕組みを つくるいることです。 営業が持っている名刺を共有しておらず、 顧客であるはずの会社が名簿に掲載されていない、 会社名は分かっても担当者の名前が分からない という状態では、 顧客全員をフォローできないかもしれませんし、 代表電話にかけても 担当者につなげてもらえないかもしれません。 インサイドセールスを行うための前提として、 顧客名簿に掲載されている情報は正確にし、 常に名簿の鮮度を保つ必要があります。 2つ目のポイントは、 関係部署が情報共有できる体制を 構築することです。 例えば、営業事務が顧客に電話して、 取扱商品に関する情報が欲しい依頼されても、 それを営業に伝えなければ、 具体的な見積もりなどにはつながりませんし、 放置してクレームにつながることも考えられます。 インサイドセールスを行うと マーケティング部門、営業事務、営業など 複数の職種が1人の顧客に対応することになるので、 関係部署がきちんと情報共有して 顧客のニーズを把握し、 適切な営業を実施できる体制を 構築しておく必要があります。 プレジデントアカデミーの11月のテーマは 「CLVマネジメント」です。 高収益な会社だけが実施している、 究極の顧客の育て方についてお伝えします。 セミナーの詳細・お申込みはこちら >>>https://www.kk-synergy.co.jp/eventinfo/515059/

樋野 竜乃介

応募者は面接前に気持ちを固めている!?
先日、7月の全国の有効求人倍率が 1.29倍となったと厚生労働省が発表しました。 弊社のある広島県では、1.52倍と 求人倍率が徐々に上昇しています。 今後ますます求人倍率は上昇し、 採用することが難しくなります。 また、最近多くの企業様から 「コロナ前のた採用手法では、採用できなくなってきた」 というお話を伺うケースが増えてきました。 その理由を今回お伝えしたいと思います。 求職者が見ている情報は求人票だけではない 求職者が見ている情報は、 求人票に記載された情報だけではありません。 現在の求職者は、多くの情報を元に 応募する企業を決定しています。 求職者が初めに目にする情報は求人票です。 応募してもらうためには、 まず求人票に記載する内容を精査し、 作り込まなくてはなりません。 そして次に求職者が見るのは会社のHPです。 実際にどのような事業をしている会社なのか、 どのような人が働いているのか、 しっかりと更新されているのか、 など様々なポイントを求職者は見ていきます。 しかし、これだけで応募を決めないのが、 現在の求職者です。 次に、企業のSNS(Twitter、Instagram、TikTok等)や クチコミを調べ、内容を吟味して初めて、 応募するかどうかを決めるのです。 そのため、応募がない原因として、 自社の求人が知られていないとか、 閲覧されていないということに加え、 その他の情報が充実していないがゆえに、 魅力づけできていないことも考えられます。 採用を成功させるのためには、 求人票以外の情報発信が重要な時代になりました。 事前情報と実際に会った時の一貫性を持たせる 多くの求職者は応募した時点で、 入社するかどうかの意思決定を ほとんど終わらせているケースが大半です。 ただし選考では、事前に獲得した情報と実態に 相違がないかを見極めています。 そのため選考においては、 応募者を見極めるのと同時に 企業側も見極められている、 という意識も持つことが重要です。 また、選考で伝える内容と事前情報が 一致していなければ、入社決定には至りません。 しっかりと一貫性を持たせることが重要になります。 選考に関わる社員に、その認識を持ってもらうことはもちろん、 事前情報とのギャップが生まれないように、 注意するべきことをまとめたマニュアルを作成し、 理解してもらうことが重要です。

乾 恵

事業承継のタイミングを逃さないために
最近「2025年問題」というワードを目にすることが 増えてきたように思います。 この「2025年問題」とは少子高齢化の深刻化に加え、 いわゆる団塊の世代が後期高齢者である75歳以上となり、 日本に超高齢化社会が訪れるタイミングをさしています。 その時には雇用や医療・福祉など さまざまな分野に影響を及ぼすとされています。 インボイス制度も消費税導入時から 構想されていたことだとは思いますが、 さまざまな問題が取り巻く中 我々は経営を行っていかなければなりません。 その中で社長の高齢化も進行し続けていることもあり 事業承継の側面でも例外ではありません。 実際に2017年12月の時点で、 社長の高齢化や後継者難の現状を放置した場合、 2025年までに雇用やGDPなど多大な経済損失が発生すると には経済産業省と中小企業庁が試算していました。 2025年まで残り3年となるなかで 後継者難倒産件数が過去最多となったことは、 これらの問題が今後一段と深刻になることを 示唆しているのではないでしょうか。 一方で、明るい兆しも見え始めています。 帝国データバンクの調査では、2021年の後継者不在率は61.5%と 依然として高水準にあるものの4年連続で低下しており、 調査を開始した2011年以降で最低となりました。 改善幅も3.6ptと大きく改善し、 後継者不在の状況は徐々に快方に向かっていることがわかります。 また国内企業のM&A実施件数の増加や後継者不在率の低下など 官民ともに進めている事業承継に対するアプローチも 着実に成果が出ていることが窺えます。 では今後、事業継承を検討しているという場合、 どのタイミングで実施するのが良いのでしょうか。 これは事業承継をしてもらいたいと社長が思うタイミングと 事業承継をしたいと思う人が目の前にいるタイミングが ちょうど合致しないとできません。 そのタイミングを逃してしまい、 承継できずに苦労している事例を 数多く見ててきました。 承継するためには数ある社長の業務(属人的なもの)を 仕組みにしていかなければなりません。 暗黙のルールや意思決定の基準等々を言語化し、 仕組み化していく必要があります。 「事業承継をする相手がそもそもいないから、 そんなことしても無駄だ」という声もあるかもしれません。 しかしM&Aをする場合でも、仕組み化が進んでいる会社の方が 進んでいない会社より価値が高くなります。 つまり「この人にしかできない」という仕事が 多ければ多いほど企業の価値は低くなってしまいます。 超高齢化社会が目の前まで来ています。 なんとかなるだろうという甘い考えは捨てて、 なんとかするための道筋を立てなければ、 新しい課題は次々と舞い込んできます。 自社の今後を見通し、 事業を継承したいと手を挙げてくれる人に バトンを渡す準備をしておかなければ、 事業承継はうまくいかないのです。

小濱亮介