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小濱亮介の記事

経営者が考えるべき心の健康
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経営者が考えるべき心の健康

昨年度、労災申請が前年度比で337件増の2,683件、 労災認定されたのが710件と、 1983年度の統計開始以降で最多という 衝撃的な数字が発表されました。 昔は精神障害での労災を申請しておらず、 もしかしたらそういった風潮になってきて 表に出るようになったからかもしれませんが、 事実そういった数字が出てきております。 特に40代の男性が最も多く、 この世代はかつて「就職氷河期」と称された 厳しい時代を経験しています。 このような背景を持つ従業員が 心の健康を害する原因として、 上司からのパワハラや 仕事の内容・量の変化などが挙げられています。 今回労災認定されたものの要因の上位3つですが 1.上司からのパワハラ 147人 2.悲惨な事故や災害体験、目撃 89人 3.仕事内容や量の大きな変化 78人 とデータが出ております。 ビッグモーターの記者会見ではありませんが、 経営者は知らないではすまされません。 経営者として、従業員の心の健康を守るために 何ができるのでしょうか。 以下にそのポイントをまとめました。 1.事例性の理解と対応 従業員の心の健康に違和感を感じた際、 具体的な問題点を「事例性」として把握することが重要です。 例えば、勤怠不良の発生や 業務の遂行に時間がかかるようになった場合など、 具体的な事例をもとに従業員とのコミュニケーションを図りましょう。 2.ハラスメントの予防と対応 ハラスメントは従業員の心の健康を脅かす大きな要因の一つです。 特に、ハラスメントを行っている側の従業員が その自覚がない場合が多いため、 経営者としてはハラスメントの予防と早期発見、 そして適切な対応が求められます。 3.心の健康のための環境づくり 従業員が安心して働ける環境を整えることは、 経営者の重要な役割の一つです。 具体的には、業務の適切な配分や、休憩時間の確保、 メンタルヘルスのサポート体制の整備などが考えられます。 経営者として、従業員の心の健康を守るための取り組みは、 企業の持続的な成長や従業員のモチベーション向上にも繋がります。 従業員一人ひとりの心の健康を大切にし、 そのための環境づくりを進めることで、 企業全体の活力を高めることができるでしょうし、 経営の現場での日々の判断やアクションが、 従業員の心の健康を守る鍵となります。

経営者が考えるべき心の健康

小濱亮介

2023.10.13
2024年問題とは?運送業と建設業の挑戦
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2024年問題とは?運送業と建設業の挑戦

近頃、建設業界と運送業界を揺るがす 「2024年問題」が再び注目を集めています。 これは2019年に制定された働き方改革法案の一部として生じた問題で、 運送業と建設業において、時間外労働の上限規制により発生する 諸問題のことを指します。 従業員の長時間労働の改善を目指し、 時間外労働の時間上限を設ける旨を記載した 「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する方針」が 2018年に成立しています。 この時間外労働の上限規制は、 大企業は2019年の4月1日より施行されましたが、 運送業と建設業については5年間の猶予期間が設けられました。 猶予期間が設けられた理由は、 長時間労働が恒常化している現状を一変させる必要があることから、 労働時間規制の即時施行は困難と判断されたからです。 しかし、この猶予期間が2024年で終焉を迎えるにあたり、 業界全体に多大な影響を及ぼす可能性があります。 それは、働き方改革への対応が遅れている企業にとっては 厳しい現実が待ち受けているからです。 その一方で、既にIT技術の導入を積極的に進め、 生産性の向上を達成している企業も存在します。 また、企業の魅力をアピールし、新規採用を増やす動きや、 同業他社とのアライアンスを形成し、協力しながら 新たな働き方を模索している企業も出てきています。 それでも、「2024年問題って何?」と 理解していない経営者が一部には存在します。 誰でも様々な情報を入手しやすくなり、 働き手が事態の深刻さに気づく時代になっています。 これは、生産性の向上や収益構造の改革を 迫られる経営者にとっては一大チャレンジです。 結局のところ、変化を受け入れ、学習し、 行動し続ける経営者こそが、 経済環境の厳しさを乗り越えて 成長を遂げることができるのだと思います。 一方で、学ばない経営者は、経営の衰退を迎える可能性が高いです。 運送業と建設業が直面しているこの大きな挑戦こそ、 業界全体の進化を促す契機となるかもしれません。 2024年問題を前に、企業はその未来をどう描くのか、 その戦略と結果が業界の未来を左右します。 そこにまた他業種の方々も 大きな気づきや発見があるはずですので、 対岸の火事ではなくしっかりと見て学び さらに発展し続ける行動が必要だと思います。

2024年問題とは?運送業と建設業の挑戦

小濱亮介

2023.09.15
人材確保のジレンマ:社内体制を整えるべきか、優秀な人材を採用するべきか
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人材確保のジレンマ:社内体制を整えるべきか、優秀な人材を採用するべきか

時折、企業の社長から 「うちはまだ社内体制が 整っていないから新卒はまだ早い」 という言葉が漏れ聞こえてきます。 具体的にどういう状況なのか聞いてみると、 「教育するほどの人がいない」 「マニュアルがない」 「新人にやってもらう仕事がない」 「人事評価制度がない」と、 多岐にわたる課題を抱えていることがわかります。 社員の高齢化が進行し、 現場の人数自体はなんとか足りている状況。 しかし、将来を見据えると 何となく不安を感じる。 そう考える人ほど、 上記のような問題を挙げるように思えます。 一方で、 私たちが常に強調してお伝えするのは 「良い人材を採用しようと思ったら 良い組織でなければならない」 「良い組織にするためには 良い人材を採用しなければならない」 ということです。 そうなると まるで鶏と卵の問題のように、 どちらが先かに頭を悩ませることになります。 結局のところ、 「中途で若くて良い人はいないかな…難しいよね…」 という話で終わってしまうことが多いのが現状です。 だからと言って、 その問題から逃げるわけにはいきません。 私の結論は、 採用も組織づくりも 同時に進行しなければならない ということです。 新卒や中途の採用においては 会社の相性や好みも重要ですが、 一方に偏らずに 全てを並行して進めることが 求められます。 しかし、「現場が回らなくて…」 「時間が取れなくて…」という 反論が返ってきます。 ここで問われるのは、 高齢化や人手不足といった問題を抱えながら、 経営の優先順位をどこに置くかという点です。 組織強化や採用は 緊急性がないかもしれませんが、 重要度は高い。 優先度を下げて 先延ばしにしてしまうと 組織が混乱し、 結果的に大きなコストを 払うことになります。 企業として強くなるためには、 採用や組織強化を継続的に行い、 その効果を確認し改善していく 仮説・実行・検証のサイクルが必要です。 最終的には、 社長自身が力を振り絞って 組織をまとめ上げるケースが 多いように思えます。 確かに、そのように問題を 解決できれば良いのですが、 それには大きな労力と コストが必要になります。 悩んでいる時間があれば、 専門家に相談することや 具体的な行動を起こすことが重要です。 なにか一歩でも前に進むことで、 組織の未来を切り開くことが 可能になるのです。

人材確保のジレンマ:社内体制を整えるべきか、優秀な人材を採用するべきか

小濱亮介

2023.08.10
何のために経営していますか?
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何のために経営していますか?

経営者の方と込み入った話になったときに よく「〇〇社長は何のために経営していますか?」と 尋ねることがあります。 また顧問先の社員さんや新入社員の方に 「何のために働きますか?」と聞くことも多くあります。 多くの経営者は、 「良い会社にしたい」と思い会社を経営しているはずです。 恐らく良くない会社にしたいと思っている人はいないでしょう。 では”良い会社”とはどんな会社でしょうか? 社員が笑顔でいる会社? 残業が少ない会社? 黒字がずっと続いている会社? 離職が少ない会社? 一つに絞ることはなかなかに難しく、 何をもって良い会社とするかは人によって大きく違うはずです。 これは働く従業員も同じです。 従業員が考える良い会社と 経営者が考える良い会社も 違うことが多いでしょう。 これが一致すれば経営者としては嬉しいですよね。 経営者にはそれぞれの経営の目的があり、 良い会社の定義が変わってくるのは当然です。 社員も「何のために働いているか」が経営者と違えば、 良い会社の定義も変わります。 もちろん互いに本音ではなく、 世間で一般に良いとされていることを口に出しただけなら、 イコールになることもあると思います。 しかしその場合、 腹の奥底では「それが一番ではない」と思っているはずです。 経営者であっても、 関わる人や環境によって 何のために経営するのかは変わっていきます。 変わってきて当然ですし、 100%腹落ちしていれば大きな変化ではなく、 小さな変化でその言葉は変わってくると思います。 経営者が”なんのために経営をしているか?”という 問いに対しての答えが言語化できていれば そこはブレることはありません。 それがきっと経営理念やミッション、 パーパスと呼ばれるようなものに 置き換わっていくのではないでしょうか。 そして、経営者はそれを思っているだけではいけません。 ちゃんと関わる人達にわかりやすい言葉で 伝え続けなければならないのです。 何のために経営しているのか。 自分たちはそのためにどこに向かって仕事をしているのか。 ちゃんと言語化して伝え続けていきましょう。

何のために経営していますか?

小濱亮介

2023.07.14
部下を離職に追い込む『上司の3つの大罪』
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部下を離職に追い込む『上司の3つの大罪』

人が辞める原因の多くは上司に関係していると言われています。 離職するときの主な理由は、 上司(人)が合わない 仕事内容が合っていない 環境が合っていない この3つのどれかに当てはまることが多いように思います。 今回は様々な会社の組織を見てきた中で見聞きした 上司の言動が部下の離職につながった事例を3つ紹介します。 これは上司だけでなく経営者も 知らぬ間にやっていることもあると思いますので、 参考にしていただければ幸いです。     部下を離職に追い込む、上司の3つの大罪 ダメ出し、やり直しをさせる 何かをやってもらいたいと考えて仕事を振った時に、 部下が作ったものが違ったからといって、 上司が全て修正してしまうと部下はやる気をなくしてしまいます。 当人は今までの時間はなんだったのかと考えてしまいます。 メールのテンプレートや言い回し等をアドレスして 再度考えてもらうようにしましょう。 部下の仕事を認めつつ観点や基準を提示して、 もう一度考えさせることで部下の成長が期待できます。 部下と向き合うことを諦める 例えば部下が問題を起こしたり、意図しない行動を取ったり、 結果が出せなかったり、取るべき行動が取れていなかった時に、 上司が「この人(部下)は駄目だ」と諦めムードを出すと相手に伝わります。 部下は「自分はここにいてはダメなんだ」と感じてしまいます。 「この人は駄目だ」というレッテルを貼るのは危険です。 人は他人から自分がどう思われているのかを意識しているので、 「駄目な人」だと思われていると感じた人は 駄目な人の行動を取ってしまいます。 貼るのであれば、良いレッテルを貼るようにしましょう。 「あなたはできるできる」と言われた人は、 できるように育っていくと心理学の研究で証明されています。 ちゃんとさせる 意外かもしれませんが、ちゃんとさせることも離職に繋がります。 上司が完璧主義や管理統制型の人であれば、離職につながる可能性も高まります。 やはりモチベーションの源は自分の自発性や創造性です。 誰かに「ちゃんとしろ」と言われると、それ自体がストレスになります。 上司が注意をしなければ、失敗するのではないかと 心配に思われるかもしれません。 それは部下が自身の役割や責任などを理解できていないことが原因です。 ベストなのは部下が自分で役割や責任に気づくことです。 「ちゃんとする」ことが目的になった結果、 成果につながらずストレスになり離職に繋がることもあります。 そのため「仕事を通して人を成長させていく」ことを、 どう仕組みや関わりで実現するかがとても重要になってきます。 今回解説した3つに気をつけて、部下をコントロールしようと 思わないことが大切です。 コントロールせずに理想を実現できる組織こそが、 最高の組織なのではないでしょうか。 時にはコントロールすることも必要な場合もあると思います。 しかしコントロールは最小限にとどめ、部下とすり合わせを行い 理解してもらうことで、小さな失敗から気づきを与えていくのが 素晴らしい上司です。 最高の組織が増えると、イキイキと社員が働く職場が 増えるのではないでしょうか。

部下を離職に追い込む『上司の3つの大罪』

小濱亮介

2023.06.15
Z世代が今注目を浴びている理由
経営者向け

Z世代が今注目を浴びている理由

2021年に流行語大賞にノミネートされた「Z世代」という言葉を 最近よく耳にするのではないでしょうか。 お笑いでは少し前に第7世代というものが流行り話題になっていましたが、 世界のマーケティングにおいてはZ世代が非常に注目を浴びています。 Z世代とは1996年~2012年の間に生まれた人たちを指しており、 一般的には「最近の若者」というニュアンスで使われる言葉です。 ちなみに2013年以降に生まれた人たちはα世代と呼ばれています。 急激に注目されるようになった印象があるかもしれませんが、 実はZ世代とそれに類する言葉は以前から存在していました。 例えば1965年~1980年に生まれた人はX世代、 1981年~1995年に生まれた人はY世代と呼ばれています。 X世代が最初に呼ばれるようになったのですが、 「これまでとは異なる考え方をする未知の若者」の総称として、 第二次世界対戦後に生まれた人たちのことをX世代と呼ぶようになりました。 その後、時代背景や景気の状況、情報に触れ価値観が変わる世代ごとに区切って アルファベット順に呼ばれるようになったのです。 では、なぜZ世代が注目を浴びているのでしょうか? それは、これからの消費においてZ世代の影響がとても強くなってくるからです。 世界の人口が約77億人、そのうちY世代が31%でZ世代が32%と言われています。 世代によって若い頃の情報収集の仕方に始まり、景気の状況から興味の対象まで 全く異なります。 最近になってLGBTQや人種差別が社会的な問題になってきましたが、 これはZ世代が社会的な問題にとても注目しているという側面があります。 テレビ離れが進み、ネットやSNSを信頼できる情報として様々発信しています。 一方日本ではZ世代の割合が15%と、世界に比べ非常に低くなっています。 そのため他国と比較するとZ世代に向けた取り組みが遅れていると言われています。 X世代やY世代を取り込んでいかないと選挙に勝てないということも、 大きな要因ではないでしょうか。 世界に比べその波は遅くはありますが、 若い世代が今後の日本を引っ張っていくのは間違いありません。 その世代に合わせたマーケティングや働き方を考えていかなければ、 企業は必ず衰退していきます。 自分たちの世代とは違うからと距離を置くのではなく、 その価値観をしっかり理解して、自分たち企業を変えていかなければならないのです。

Z世代が今注目を浴びている理由

小濱亮介

2023.05.15
欲望を解放しろ、環境にこだわれ
経営者向け

欲望を解放しろ、環境にこだわれ

この3月に元日本代表の本田圭佑氏が近畿大学の卒業式で、 ゲストスピーカーとしてお話されました。 その中で強く語っていたのは 「欲望を解放しろ、環境にこだわれ」ということです。 多くの人は子供の頃に将来の夢があったのではないかと思います。 私もそうでした。 しかし歳を重ね経験を積むことで、 人間関係が壊れることやリスクを避けて、 欲望を抑えつけることを覚えてしまいます。 それに対して 「限界を決めずに欲望を開放して、 自分がどうなりたいのかを感じたほうが良い」と 学生たちにぶつけていました。 また環境にこだわることの重要性について このように述べていました。 「成果が出せない人や夢が叶えられない人の多くは、 環境にこだわっていない。 そんな状況でとても頑張っている。 その状況では夢や目標は達成できないのです」 では、なぜ環境にこだわる必要があるのでしょうか。 学校を卒業するまでは、 自分で選ぶことができない環境の中で生きていくしかありません。 誰と出会うのか、毎日何を見るのかということが 五感に働きかけ、最高の習慣を作ってくれるはずです。 自分にとって良い環境に身を置き、 良い習慣を身につけることができれば、 自分にとって当たり前にしていることであっても 周りから「すごいね。それってどうやるんですか」と 言われることが増えるはずです。 ブラジル代表がいい例で、 ブラジルに生まれサッカーの上手い人たちに囲まれた環境で プレーしていると、そのような感覚でいるそうです。 その環境と目標や夢が結びついていると、 それが当たり前になれると言う状態は素晴らしいですよね。 最後に言っていた 「いつかは死ぬ。生きたいように生きろ」という言葉は、 学生ではない人にも刺さる言葉でしょう。 どんなに追い込まれた状況にあっても 「まぁ、なんとかなるだろう」と楽観的に考えることができれば、 楽しく生きる上で大切な考え方ではないかと思います。 歳を重ねていくことで、 いつの間にか変化しているということはあります。 ついできない理由ばかり考えて、 行動できなかったということもあるのではないでしょうか。 本田圭佑氏が語った内容は、悩んでいる若い人たちにとって 非常に刺さる内容だったと思います。 近畿大学は毎年卒業式に著名人を招いており、 学生に向けてのメッセージではありますが、 経営者や社会人にも響く内容が多くあります。 興味を持たれた方はぜひご覧ください。

欲望を解放しろ、環境にこだわれ

小濱亮介

2023.04.15
良い職場環境をつくるためのマネジメント
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良い職場環境をつくるためのマネジメント

経営者であれば誰しも「良い職場環境にしたい」 という思いがあるのではないでしょうか。 しかし良い職場環境の理想形は、 会社の業種業態や規模によって千差万別かと思います。 環境と言っても働き方や職場の衛生面・人間関係など 幅広い意味を含んでいるため、 「これが良い状態だ」とは一概に言えないという方も いらっしゃるでしょう。 とても抽象的な表現だからこそ、 なかなか具体的なアクションを起こしにくいのかもしれません。 「あれもやらなければ、これもやらなければ」という 多忙な方であれば、さらに緊急度が下がってしまう課題です。 結果として、社員の退職や書類の紛失など何か問題が起きてから、 改善しようとするということが多いのではないでしょうか。 しかし問題が起きた直後は改善しようと思っていても 時間が経つにつれて風化してしまい、 いつの間にか放ったらかしになっていた、 という経験がある方もいらっしゃるかと思います。 人が働きたくなる、働き続けたいと思う職場環境をつくることは、 経営者として真剣に向き合わなければならない課題です。 以前「Z世代が求める理想の上司像とは」という記事には、 Z世代が経営者や上司に求めるもの、理想の職場について 調査した結果が書かれていました。 それによるとZ世代が求める理想の上司像は 一人一人に対して丁寧に指導する 良いこと、良い仕事を褒める 相手の意見や考え方に耳を傾ける というものでした。 そして、職場環境としては お互いを尊重する お互いに助け合う といった環境を求める傾向にあることが明らかになりました。 つまり一昔前はリーダーが中心になって組織を牽引していくことが求められ、 互いに切磋琢磨することが好まれましたが、 現在はたとえ新人でも「人」として尊重し、 お互いに助け合う環境を求めているということです。 とはいえ、社会経験の無い新人を指導する場合、 上記のような特徴を持つZ世代に苦労する経営者は多くいます。 そんな経営者の方たちに私からお伝えしたいのは、 仕組みで動かす「環境マネジメント」を取り入れることです。 そもそも旧態依然のマネジメントが有効でなくなったのは、 人に頼りすぎた手法や組織づくりをしてきたケースが多く、 組織を引っ張っていた人材が抜けてしまうと たちまち上手くいかなくなってしまいます。 「この人だからできた」とか「この人にしかこの空気感を出せない」から 「この会社だからできた」という言葉に変わるように、 仕組みで環境づくりをしていくことが必要だと思います。 教育や職場内でのルールも同様で、この会社だからできているという会社づくりが必要なのです。

良い職場環境をつくるためのマネジメント

小濱亮介

2023.03.15
パーパス再定義のタイミング
経営者向け

パーパス再定義のタイミング

2020年以降コロナ禍で新しい顧客の創造が停滞し、 顧客数が伸び悩む企業が多く見受けられたように思います。 新型コロナウイルスの感染が完全に収束する時期は予測不能ですが、 国ごとにばらつきがあるものの規制緩和が進み 「アフターコロナ」に向かっていると言えるのではないでしょうか。 こういった経済の大きな変化がある中、企業は利益の追求だけでなく 社会的責任を果たすことが求められるようになりました。 そのためESG(環境・社会・ガバナンス)やSDGsなどの視点から、 自社の存在意義・存在価値を 「事業を通じて世界(社会)と持続的成長にどのように貢献するか」 というパーパスで表し、再定義する会社が増えているように思います。 当社でも昨年1年間かけてパーパスの再定義を行いました。 1995年にビルテックサービス有限会社という社名で ビルメンテナンス事業から始まった当社ですが、 現在ではビルメンテナンスを中心に警備事業や人材派遣業、 セミナー事業、コンサルティング事業と複数の事業を展開しています。 創業当時は経営理念が無く、現在の社長である樽本が参画したタイミングで 初めて経営理念ができました。 最初の経営理念は「雇用インフラの開発」「人間力の向上」「共生と幸福の追求」 の3つでした。 そして創業者の大武から現社長の樽本にバトンタッチをするタイミングで 経営理念を再定義しました。 その時、「何を大切にして会社経営を行っていたか」 というところにフォーカスして議論した結果、 現在のミッションである「あらゆる人と組織に元気のきっかけを創り出す。」が 出来上がりました。   創業当時の話を聞き、言語化し、何を大事に会社運営を行い、 お客様と接していたのかということを簡潔にまとめると 「人を活かし、人を元気にし、社会に貢献する」というものでした。 バトンタッチするタイミングで、しっかりと何を大事に経営をしていたのかを 握り合うことが事業承継でも必要ですし、 新たにパーパス(存在意義)を考える上でとても大事なことだと言えます。 弊社は来年で30周年を迎えようとしています。 会社の歴史を振り返るともちろん様々なことはありましたが、 何を大切にしてここまで来たのかを経営者、幹部、社員全員が 理解し納得して社業を行っていく必要があります。 世界や日本社会の情勢が混沌とする中でも、 過去を振り返った上で、これから先どう在りたいかを しっかりと経営陣、幹部、社員と議論しパーパスの再定義を行うことが 必要なのではないかと思います。 そこで新たな発見や気付きが生まれてくるかもしれません。

パーパス再定義のタイミング

小濱亮介

2023.01.15
会社は誰のために存在するのか
経営者向け

会社は誰のために存在するのか

円安に加えて物価高もあり、ますます日本と世界の経済の 先行きがわからず不安ですよね。 そのような状況でも、しっかりと利益を出されている会社も多くあり 「小濱さん、役員報酬ってどうやって決めたらいいですかね?」と 聞かれることが増えてきました。 役員報酬について経営者が相談する相手としては、 税理士さんが一般的なではないでしょうか。 いろいろ聞いてみると、税理士さんの考え方によって 回答は様々なようです 「社長がたくさん取ってください。 何かあったときは社長が個人で入れるしかないんですから」 「利益を残さないようにしましょう。税金払うなんてもったいない」 「しっかり会社に残していきましょう」等々 様々な話を聞いたことがあります。 もちろんどれが正解とは一概に言えません。 従業員の給与であれば、賃金制度をつくり決めることもできます。 しかし経営者は最終的に個人の資産を切り崩さざるをえない状況になることもあります。 そのことを従業員に理解してもらおうと思っても、それは現実的に難しいように思います。 人によって役員報酬の決め方について考え方は様々なので、 「結局は納得度が一番高いところが落とし所です」といつもお伝えしています。 役員報酬について調べていく中で驚いたのが、 アメリカの役員報酬は日本と比べると13倍高いということです。 13倍というと差がありすぎて現実味がないように思いますが、 どちらにしても先進国の中でも日本は低いようです。 様々な要因が考えられますが、 そのひとつに「会社というものの捉え方」があります。 アメリカで「会社は誰のためのもの?」と経営者に聞くと、 9割の経営者は「株主のためのもの」と答えるそうです。 一方の日本では、ほとんどの経営者が「お客様」「地域社会」や「従業員」といった 株主以外のステークホルダーを答えます。 こういった考え方があるため他の先進国と比べ、 経営者が高い報酬を受け取るという文化が無いのかもしれません。 あるいは昔から染み付いた「お金持ち=悪」という風潮が そうさせているのかもしれませんが…… 大谷翔平選手の年俸が43億円と報道されると 「まだ安い。もっともらうべきだ」という声が多く出るにもかかわらず、 「経営者はもらいすぎだ。もっと従業員に分配すべき」という風潮があることに 個人的には矛盾を感じますし、そこの差に何があるのかと不思議に思います。 高い報酬を得ることへの妬みがあるのだと感じることもあります。 もちろんたくさんの報酬をもらうことが経営者の目的では無いのですが、 このような文化が技術の発展や世界競争に遅れを取っていることに 関係しているのではないかと思います。 経営者と従業員が完全に理解し合うというのは難しいかもしれません。 それでも互いに寄り添ってコミュニケーションをとり、 理解しようと双方が努力することが大事です。 お互いが気を遣い合って何も言えなくなることに比べると、 言い合える方が良いチームなのかもしれません。 気がねなく報酬について意見を交わせる関係性がベストとは言いませんが、 そのような関係性のチームは強いチームなのではないかと思います。

会社は誰のために存在するのか

小濱亮介

2022.12.15
「普通」は何を指しているのか?
経営者向け

「普通」は何を指しているのか?

みなさん”普通”という言葉を使うときに、 どのように使われているでしょうか? 私は「”普通”に考えて、こうじゃない?」と、 部下に同意を求めていました。 その時、部下は何とも言えない表情で 「はい」と答えていたように思います。 なぜそんな表情をしていたのか、 納得していないからなのか、 または反論したいからなのか、 ということを考えたことがありました。 直接指摘されたわけではありませんが、 ふとその時の部下の表情が気になって ”普通”について考えてみました。 何をもって普通なのか。 何が普通なのか。 「そんな面倒くさいこと考えても無駄だ。 普通は普通だよ」 と思われるかもしれません。 しかし、このような場面は 日常生活でもたくさんあります。 そんなすれ違いが積もり積もって、 部下との関係を悪くすることも あるんじゃないかなと感じました。   そこで様々な場面で周りの人が使っている ”普通”について考えてみました。 部下に対して 「普通に考えたら、こっちでしょ」 ご飯を食べた時に 「このナポリタン普通に美味しい」 「このラーメンは普通だね」 未成年の若者に対して 「普通は学校に行くべきでしょ」 配偶者と食事について話す時に 「日本人なら、普通はパンより米でしょ」 当たり前のように使っている ”普通”という言葉は、 様々な文脈や使う場面によって、 意味合いが異なります。 そのため「普通は~だ」と言われて 安心することもあれば、 嫌な気持ちになることもあるでしょう。 普通という文字を辞書で引くと 「いつ、どこにでもあるような、 ありふれたものであること。 他と特に異なる性質を持ってはいないさま。」 という意味が出てきます。 しかし、日常で使っている”普通”は辞書とは違った意味合いで、 使っていることが多いように感じます。 「普通に美味しい」は「とても美味しい」という意味で 使うこともできますが、 「このご飯は普通だ」は「期待していたよりも美味しくない」と 相手によっては受け取るかもしれません。 使う文脈によっても捉え方が違いますが、 私が感じる中では大きくふたつの意味合いが あるのではないかなと思います。 1つ目は、マジョリティ(多数派)のこと。 2つ目は、規範的なこと。 そこで気づいたのが、 この2つはあくまで主観的であるということです。 客観的な意見は含まれていないのだと思います。 主観的だから、時に相手には伝わらず、 何気なく使っている”普通”で相手を傷つけたり 意見を押し付けたりする可能性があります。 ふと振り返ってみると、マウントを取るために ”普通”という言葉が使われているケースも あるように思います。 特に年齢が離れた人に対しては、 気をつけて使う必要があります。 いつも何気なく使っている”普通”という言葉が、 意図せず相手とのギャップを 広げているのかもしれません。

「普通」は何を指しているのか?

小濱亮介

2022.11.15
事業承継のタイミングを逃さないために
経営者向け

事業承継のタイミングを逃さないために

最近「2025年問題」というワードを目にすることが 増えてきたように思います。 この「2025年問題」とは少子高齢化の深刻化に加え、 いわゆる団塊の世代が後期高齢者である75歳以上となり、 日本に超高齢化社会が訪れるタイミングをさしています。 その時には雇用や医療・福祉など さまざまな分野に影響を及ぼすとされています。 インボイス制度も消費税導入時から 構想されていたことだとは思いますが、 さまざまな問題が取り巻く中 我々は経営を行っていかなければなりません。 その中で社長の高齢化も進行し続けていることもあり 事業承継の側面でも例外ではありません。 実際に2017年12月の時点で、 社長の高齢化や後継者難の現状を放置した場合、 2025年までに雇用やGDPなど多大な経済損失が発生すると には経済産業省と中小企業庁が試算していました。 2025年まで残り3年となるなかで 後継者難倒産件数が過去最多となったことは、 これらの問題が今後一段と深刻になることを 示唆しているのではないでしょうか。 一方で、明るい兆しも見え始めています。 帝国データバンクの調査では、2021年の後継者不在率は61.5%と 依然として高水準にあるものの4年連続で低下しており、 調査を開始した2011年以降で最低となりました。 改善幅も3.6ptと大きく改善し、 後継者不在の状況は徐々に快方に向かっていることがわかります。 また国内企業のM&A実施件数の増加や後継者不在率の低下など 官民ともに進めている事業承継に対するアプローチも 着実に成果が出ていることが窺えます。 では今後、事業継承を検討しているという場合、 どのタイミングで実施するのが良いのでしょうか。 これは事業承継をしてもらいたいと社長が思うタイミングと 事業承継をしたいと思う人が目の前にいるタイミングが ちょうど合致しないとできません。 そのタイミングを逃してしまい、 承継できずに苦労している事例を 数多く見ててきました。 承継するためには数ある社長の業務(属人的なもの)を 仕組みにしていかなければなりません。 暗黙のルールや意思決定の基準等々を言語化し、 仕組み化していく必要があります。 「事業承継をする相手がそもそもいないから、 そんなことしても無駄だ」という声もあるかもしれません。 しかしM&Aをする場合でも、仕組み化が進んでいる会社の方が 進んでいない会社より価値が高くなります。 つまり「この人にしかできない」という仕事が 多ければ多いほど企業の価値は低くなってしまいます。 超高齢化社会が目の前まで来ています。 なんとかなるだろうという甘い考えは捨てて、 なんとかするための道筋を立てなければ、 新しい課題は次々と舞い込んできます。 自社の今後を見通し、 事業を継承したいと手を挙げてくれる人に バトンを渡す準備をしておかなければ、 事業承継はうまくいかないのです。

事業承継のタイミングを逃さないために

小濱亮介

2022.10.14
敏感力と鈍感力のバランスを考える
経営者向け

敏感力と鈍感力のバランスを考える

2022年度も半年が過ぎようとしています。 人が辞めてしまったり、新しく人を迎え入れたりと 採用や人材の定着は永遠のテーマと言われるくらい 経営者の頭を悩ませる課題です。 私たち経営者として大事なことは、 「敏感力と鈍感力をバランスよく持つこと」 だと個人的には考えています。 離職する社員には何かしら その”予兆”があったりするものです。 毎日顔を合わせていると、 普段と様子が違って見えたり しんどそうな顔や相談したそうな顔をしていたり ということがあるはずです。 そこに気づけるかどうかは、 とても大きなポイントです。 そういった予兆を見落とさないためには、 やはり普段から社員の様子を 気に掛けておく必要があります。 社員の変化を敏感に感じ取り、 時にはそれについて行動する必要があります。 しかし敏感になりすぎて過剰に気を遣ったり 甘やかしすぎたりすると、その社員の成長を 妨げることになってしまうかもしれません。 経営者やリーダーは その敏感力と鈍感力のバランスをうまく取りながら チームビルディングを行わなければなりません。 一緒に働くメンバーが精神的にきつい時に ひと声かけたり相談に乗ったりすれば、 相手は「また頑張ろう!」という気持ちになるでしょう。 これはその人のタイプによっても違うので ちゃんとその人のことを理解する必要があります。 気に掛けないのもよくないですし、 気にしすぎてもいけない、ということです。 みなさんは普段、どのようにメンバーと接していますか? 敏感力と鈍感力を高めるためには、 そのメンバーのことをよく知る必要があります。 家族構成や趣味といったパーソナルなところから、 どんな場面でキツいと感じ、何にやりがいを感じるのかなど 心情とその要因を理解していなければ 社員の変化にどう対応するべきかわかりません。 ましてや「最近の若い人だから」と 社員の年齢や属性で括って考えてしまうと 間違った選択をしてしまいます。 中小企業は社員一人のパワーによって、 大きく成果が変わってきます。 そんな一人ひとりに目を向け、 耳を傾け、理解する必要があるのです。 社員から目を背け、無視すると必ず離れていきます。 お客様との信頼作りとチームメンバーとの信頼作りも同じです。 同じ時間を過ごし、お互いが理解することが チームビルディングを行う中でとても重要になります。 敏感にメンバーの様子に目を向け その言葉に耳を傾け、 そして鈍感に対応を考えて 行動することがチームビルディングの 基礎になります。 ビジネスモデルや理念など様々なことを 経営者として考え、行動することもは とても大切です。 しかし、まずは目の前にいる人を 大事にすることを実践していきたいですね。

敏感力と鈍感力のバランスを考える

小濱亮介

2022.09.15
パーパスを掲げることの重要性を考える
経営者向け

パーパスを掲げることの重要性を考える

今回は最近話題の「パーパス経営」についてお話します。 パーパスとは英語で「Purpose」と書き、「目的、存在意義」という意味です。 経営の観点から見ると会社が存在する理由や目的を示したものになります。 このパーパスは、社員の定着や採用という観点でも非常に重要です。 大学生の多くは就職活動のとき、福利厚生や働きやすさ(残業など)を見て、 会社や仕事を選択するというデータがあります。 そして働きながら「何のために働いているのか」を考え始めるのです。 その結果、 「自分たちの仕事が社会で何の役に立っているのか、わからない」 「今の仕事に働きがいを感じない」 という理由で退職する人が一定数でてきます。 一方、第二新卒ではワークライフバランスではなく、 社会に対する会社の役割や何のためにその会社が存在しているのか ということを考えて企業選びをする人が多くいます。 パーパスというと、ただのキレイゴトのように感じる人もいて 「そんなことよりももっと大事なことを」と言う経営者もいます。 しかし、そのキレイゴトを今の事業や仕事とどう紐づけて 表すことができるのかは、とても重要です。 社員が「誰の役に立ってるのか」「何のために事業をしているのか」という 会社が掲げるパーパスに共感したとき、 強い組織となり、周りの方々の困りごとを主体的に解決し、 会社の存在価値が高まっていくのではないでしょうか。 始めから「しょせんキレイゴト」と脳内から弾くのではなく、 そのキレイゴトを事業や実際の仕事と紐付けて 周囲に伝え、追い続ける。 そんな会社が良い会社なのではないでしょうか。 またパーパス経営を行うことで、 社員の定着だけでなくお客様や他の会社からの見られ方も変わってきます。 みなさまが周りを見渡した時に「何を目指しているかわからない」 という会社はありませんか? 特に何かに取り組んでいる姿やSNSで発信された情報を見た時に、 そう感じることがあるはずです。 もちろん関係が浅い会社であれば、特に何も感じないかもしれません。 しかし、取引先や協力会社などある程度知っている間柄であれば、 違和感を覚えたり疑問に思ったりするはずです。 社会の何の役に立っているのか。 自分たちはどこを目指しているのか。 「わざわざ言わなくても活動を見てくれたらわかるよ」と思うかもしれません。 長年連れ添った夫婦でも言葉にしないと伝わらないことがあるのですから、 部下や社外の人であれば尚更です。 人はわからないことには触れないようにする生き物です。 ちゃんとパーパス(存在意義、存在価値)を明確にし、 発信し続けて初めてそれが伝わるのです。 一つ注意していただきたいのは、パーパスを掲げただけでは意味がないということです。 その掲げたことを軸に経営活動をしなければ、本末転倒です。 むしろなにも掲げないほうが良いこともあります。 ただし、健全で周りから必要とされる会社は 自分たちが掲げたものを実現させようと頑張っており、 そんな会社を人は応援したくなります。 自分たちが掲げたパーパスに覚悟を持って向き合い、 経営活動を行っていかなければならないのです。

パーパスを掲げることの重要性を考える

小濱亮介

2022.08.12
クランボルツに学ぶキャリア理論と経営者の役割
経営者向け

クランボルツに学ぶキャリア理論と経営者の役割

先日、高校の教師の先生方と 「私たち教師や経営者は若者をどう育てるか」というテーマで 討論しました。 抽象的なテーマではありますが、 様々な意見が出て非常にワクワクしました。 ちなみに”若者”は法律的に年齢が決まっているわけではないので このときは15歳~25歳くらいまでの人を対象にしました。 色々と議論を重ねた結果、 「若者と一括りにすることはできない。  我々教師や経営者が育つ環境をどう整えるかが重要」 という結論に至りました。 若者といっても、育ってきた環境や家庭環境が違うため 個性がそれぞれ違います。 どんな個性を持っていても、その人が育つ環境を 作ることが私たち大人が作ることなのだと思います。 1999年に発表されたクランボルツによるキャリア理論によると、 ビジネスパーソンとして成功した人のキャリアを調査したところ、 そのターニングポイントの8割が本人の予想しない 偶然の出来事によるものだったそうです。 つまり、キャリアを構築していく上で、 そのターニングポイントの殆どが予想することが 難しいということです。 よくあるキャリアプランの立て方は、将来の目標を決めて計画を立て、 それに向かって積み重ねていくというイメージだと思います。 しかし、変化の激しい時代において、 将来の社会や会社の状況は個人の意思でコントロール不可能です。 故に効果的なキャリアプランは立てにくくなっています。 クランボルツが提唱する理論はあえて明確なゴールを定めず、 現在に焦点をおいてキャリアを考えることを推奨しています。 理論の骨組みとしては3つあります。 予期せぬ出来事がキャリアを左右する 偶然の出来事が起きたとき、行動や努力で新たなキャリアにつながる 何か起きるのを待つのではなく、意図的に行動することでチャンスが増える つまり予期せぬ出来事が起きたときに行動できるだけの準備をしたり、 偶然の出来事に遭遇すべくフレキシブルに行動したりすることで チャンスが生まれるということです。 目標に固執せずに現在を見るには勇気が必要ですが、 とても大事だと思います。 予期せぬ出来事がいつ起こるかわからないため、 それがいつ起こっても良いように 個人は準備をしなければなりません。 予期せぬ出来事が起きた時に成功しやすい行動特性は、 以下の5つです。 好奇心:新しいことに興味を持ち続ける 持続性:失敗しても諦めずに努力する 楽観性:何事もポジティブに考える 柔軟性:こだわりすぎず柔軟な姿勢をとる 冒険心:結果がわからなくても挑戦する 起きた出来事や周囲の変化を意識し、受け止める姿勢がキャリアの成功には大切です。 これは、新しい出来事や成功体験ばかりではなく、失敗体験にも当てはまります。 出来事を前向きに捉えることが今後のチャンスへとつながるでしょう。 出会いに関しても同様のことが言えます。 たまたま連絡した友人、街で出会った人、SNSでつながった人など、 誰から良い知らせがもたらされるかはわかりません。 偶然の出会いこそ大切にした方が良いでしょう。 また偶然の出来事や出会いを必然へと変えるために最も大切なことは、 あらゆる出来事に関心を持つことです。 偶然の出来事は、起きた時点ではどのような結果をもたらすのかわかりません。 未来が予想できないほど変化の激しい時代において、 用心しすぎるよりも、挑戦してみることが重要です。 キャリアの8割が偶然の出来事によると考えると、 成功しやすい5つの行動特性を身につけられる環境を整え 今をどう生きるかを我々大人がしっかりを伝えていくことが、 これからの若者が育つきっかけになるのではないでしょうか。

クランボルツに学ぶキャリア理論と経営者の役割

小濱亮介

2022.07.12
アナログで属人的な幹部人材の採用手法
経営者向け

アナログで属人的な幹部人材の採用手法

人材採用を行う中で、会社の規模はどうであれ採用手法の根幹は一緒です。 よく「うちは中小企業だから大手企業のように費用を掛けることはできない」 ということを言ってしまいがちです。 もちろん母数を稼ぐには多くの費用がかかります。 そのため採用手法は大手と中小では違ってきますが、 根幹となる考え方と口説き方は変わりません。 また幹部人材を口説く採用手法は非常に属人的で、 仕組みに落とし込むことはできません。 ただ一般社員であれば、仕組みを使って採用することも可能です。 福利厚生を整えたり、ブランディングを行ったりといった 様々な工夫と仕組みを活用することで採用できるケースもあります。 しかし、幹部人材は違います。 幹部人材は仕組みではなく、属人的に口説いていくしかありません。 よく営業は恋愛に例えられますが、採用も恋愛に例えることができます。 まだ付き合ってもいない相手にいきなり婚姻届を渡し、 サインを求めるでしょうか? 恋愛であれば「ありえない」とわかることが、 採用の場では平気で行われてしまうのです。 参加者が結婚を意識して行われる婚活パーティーの場でも、 年収や年齢・趣味などの条件を見て好感が持てる人が 目の前に現れたとしても、 急に婚姻届を渡すなんてありえないですよね。 しかし採用となると、求人票を見て自社が気になって来社しくれた人に 「いつから来れる?うちに入りなよ!」と言ってしまうのです。 会社の側は、始めから結婚(=雇用契約)を想定していますが、 求職者の側は「とりあえず付き合ってみるか」という感覚で話が進み、 運良く採用に至ってもすぐ破局してしいます。 せっかく採用した社員がすぐに辞めてしまう一因は、 こういった採用手法にあるのではないかと思います。 一般社員ならまだ諦めはつきますが、 幹部人材にそう簡単に退職されるようでは困ります。 そのため自分たちのことを知ってもらい、 相手のことを理解できるだけの時間が必要です。 私は最低でも4回は面談するべきだと思っています。 最近ではオンラインで全てを完結させることもできますが、 2回はリアルで会うべきだと思います。 もちろん相手にはよりますが、口説くには順番が大切です。 1回目:自社が向かうべき方向性(ビジョンやミッション)の説明 2回目:相手のこと(スキルやキャリアまで)を具体的に理解できるまで聞く 3回目:自社が向かうべきところの、どの部分を担ってほしいか明確に伝える 4回目:相手を理解し、その課題において活躍できるところで条件の明示 以上のように最低でも4回は会って話をすることをおすすめします。 上記のことを1度に伝えてしまうと、 大事なことが忘れられてしまう可能姓があります。 人は忘れる生き物だという大前提のもと、 重要なことは何度かに分けて伝えましょう。 またやってしまいがちですが、 1回目で条件(年収)を伝えるのは避けるべきです。 相手の能力(スキル)もわからないまま、幹部人材として迎え入れてしまうと 後々困った事態になるかもしれません。 特に重要なのは3回目の面談で相手の得意分野・不得意分野だと 思われることを、明確に本人に伝えることです。 「この欠点は弱点まで引き上げてほしい」 「ここは得意分野なので、入社後もしっかり伸ばしてほしい」 といったことを、文章または口頭で伝えることが大事です。 そうすることでこちらが提示した条件への納得度も高まり、 入社後に活躍する確率も高くなります。 幹部人材の採用はこういったステップを踏まなければならないのです。 面倒だからと手を抜いてはいけません。 そしてこれらは仕組みにすることは非常に困難ですし、 経営者もしくは幹部が本気になって採用に携わらなければ 成功しないのです。

アナログで属人的な幹部人材の採用手法

小濱亮介

2022.06.15
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「日本で長く働きたい」――仕事、家族、将来。特定技能外国人の本音から見えること
外国人採用
採用担当者向け
経営者向け

「日本で長く働きたい」――仕事、家族、将来。特定技能外国人の本音から見えること

特定技能外国人は、どのような思いで日本に来て、何を目標に働いているのでしょうか。 企業側から見ると、在留資格や支援手続きに目が向きがちです。 しかし、実際に働く一人ひとりには、 日本人と同じように、仕事の目標や家族への思い、将来の夢があります。 建設分野で働くBさんは、 今後についてこう話しています。 仕事は大変なときもありますが、日本で満足するまで働きたいです。 できれば上の資格にも挑戦して、もっと長く働けるようになりたいです。 Bさんは、仕事を続けながら日本語能力試験や技能試験の勉強をしています。 自動車免許の取得を目指したり、 現場で一人前になるために日本語力を高めたりと、将来に向けて具体的な目標を持っています。 介護分野で働くCさんの目標は、「利用者さんともっと仲良くなること」。 自分の故郷や食文化を写真で紹介し、会話のきっかけを増やしたいと考えています。 別のスタッフは、介護福祉士の資格取得を目標に、実務者研修や日本語の勉強に取り組んでいます。 生活面では、家族への仕送りを続けながら日本で暮らす人も少なくありません。 家族のために毎月仕送りをしています。 日本での生活も大切なので、少しずつ貯金をしながら、将来は母国で自分の仕事を始めたいです。 もちろん、仕事も生活も順調なことばかりではありません。 日本語への不安、冬の寒さ、病院の受診、 銀行や携帯電話の手続きなど、来日して初めて直面する困りごともあります。 しかし、受入れ企業や登録支援機関が相談に乗り、必要な場面で少し手を差し伸べることで、多くの問題は解決できます。 実際に、職場の仲間と旅行や食事を楽しみ、 「スタッフの皆さんがよくしてくれるので、今の職場で働き続けたい」と話す人もいます。 外国人材の受入れで重要なのは、何でも代わりにやってあげることではありません。 困ったときの相談先を明確にする 生活ルールや手続きを、理由と一緒に説明する 資格取得や日本語学習の目標を応援する 本人の成長に合わせて、少しずつ任せる仕事を増やす このような関わりがあれば、 外国人スタッフは支援されるだけの存在ではなく、職場を支える頼もしい仲間へ成長していきます。 「外国人=大変そう」 というイメージの向こう側には、 学びたい、役に立ちたい、家族を支えたい、 将来をつくりたいという前向きな思いがあります。 受入れの第一歩は、制度を知ることだけではありません。 働く本人の声を聞き、同じ職場の仲間として向き合うことです。 その積み重ねが、長く活躍できる職場づくりにつながります。 まとめ シナジーでは、企業様と外国人スタッフの 双方に定期的なヒアリングを行い、 仕事と生活の不安を早期に確認しています。 特定技能外国人の採用や受入れ体制について、気になることがあればお気軽にお問い合わせください。 [no_toc]

「日本で長く働きたい」――仕事、家族、将来。特定技能外国人の本音から見えること

藤原 幹雄

2026.10.20
「分からないことは聞けばいい」――特定技能外国人が語る、日本の職場で働くリアル
外国人採用
採用担当者向け
経営者向け

「分からないことは聞けばいい」――特定技能外国人が語る、日本の職場で働くリアル

「外国人材を採用すると、教えることが多くて大変そう」 特定技能外国人の採用を検討する企業から、よく聞かれる不安です。 言葉や文化の違いがある以上、最初から何もかもスムーズに進むとは限りません。 しかし、実際に日本で働く外国人の声を聞くと、見えてくるのは“大変さ”だけではありません。 介護の現場で働くAさんは、来日当初をこう振り返ります。 最初は、利用者さんの言葉が分からないことがありました。 特に小さな声や方言は難しかったです。 でも、分からないときは近くのスタッフに聞いたり、まず利用者さんのところへ行って様子を確認したりしました。 少しずつ慣れてきました。 Aさんが苦労したのは、 介護技術そのものよりも、日本語で状況を理解し、記録することでした。 それでも、周囲に確認することを習慣にし、 一つずつできる仕事を増やしていきました。 別のスタッフは、電話やナースコールへの対応に不安を感じていました。 そこで職場では、よく使う受け答えを整理し、困ったときに相談できる体制を用意しました。 すると、積極的に内線を取るスタッフも現れ、日本語の上達にもつながりました。 受入れ企業からは、こんな評価も聞かれています。 技術面では一人で対応できるようになり、仕事への姿勢や動きも良いです。 吸収しようとする意欲が高く、成長も早いと感じています。 ここで大切なのは、外国人だから特別に 難しい仕事の教え方が必要なのではなく、 「分からないままにしない仕組み」をつくることです。 作業を見せながら、短く分かりやすい日本語で説明する 「分かりましたか?」だけでなく、本人に手順を説明してもらう よくある場面の会話例や対応方法を共有する 質問したことを責めず、「聞いてくれてありがとう」と伝える こうした工夫は、外国人スタッフだけでなく、 新入社員や経験の浅い日本人スタッフの育成にも役立ちます。 外国人雇用は、「採用したら大変になる」ものではありません。 最初の不安を職場全体で共有し、 小さな成功を積み重ねることで、外国人スタッフは着実に戦力へと成長します。 最初から完璧な人を求めるのではなく、 分からないことを聞ける職場をつくること。 それが、外国人材が安心して力を発揮できる第一歩です。 まとめ シナジーでは、採用前のご相談から、 受入れ準備、就労後の定期面談まで継続してサポートしています。 「自社で受け入れられるだろうか」と不安を感じている企業様も、まずはお気軽にご相談ください。 [no_toc]

「分からないことは聞けばいい」――特定技能外国人が語る、日本の職場で働くリアル

藤原 幹雄

2026.10.10
経営マガジン”ぐっとシナレッジforEXECUTIVE vol.166″を発行しました!
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2026.10.01
求人費、「なんとなく」で払い続けていませんか? ——応募単価・採用単価で見直す媒体運用
キャリア採用
シナジー活動記
新卒採用(大卒・高卒)
経営者向け

求人費、「なんとなく」で払い続けていませんか? ——応募単価・採用単価で見直す媒体運用

実際の自社の取り組み シナジーでは派遣スタッフの募集で複数の求人媒体を併用しています。 媒体が増える ほど「どの求人がどこに掲載中か」 「どの媒体にいくら払って、何名の応募があった か」は曖昧になりがちです。 そこで自社では担当者を決め、 ①掲載中の求人と媒体の 一覧 ②媒体ごとの月別費用 ③応募単価(費用÷応募数)と採用単価(費用÷採用数) をデータベースとダッシュボードで毎月把握する仕組みを整えています。 数字にすると見えてくること 1. 「応募が多い媒体=安い媒体」とは限らない 応募単価で比べると、感覚とは違う媒体が健闘していることがあります。 2. 予算配分の判断に根拠が持てる 増額・縮小・停止の判断を「なんとなく」ではなく数字で詰められます。 3.掲載漏れも防げる 人員が必要なのに求人が出ていない、という見落としにも一覧化で気づけます。 ポイント 専用ツールは不要で、Excel1枚からで十分です。 媒体ごとに「今月の費用」「応募数」「採用数」をまとめ、 応募単価を毎月出すだけで、求人費の議論が「感覚」から「数字」に変わります。 求人費が高騰する今だからこそ、まずは自社の 「応募単価」を算出してみてはいかがでしょうか。 [no_toc]

求人費、「なんとなく」で払い続けていませんか? ——応募単価・採用単価で見直す媒体運用

樋野 竜乃介

2026.09.25
育成就労制度に向けて9月から始めたい準備とは?企業が確認すべきポイント
外国人採用
採用担当者向け
経営者向け

育成就労制度に向けて9月から始めたい準備とは?企業が確認すべきポイント

来年度から始まる予定の育成就労制度に向けて、 企業側では早めの準備が重要になります。 制度が始まってから情報収集や体制づくりを始めると 受け入れまでに時間がかかったり、現場での対応が後手に回ったりする可能性があります。 特に外国人材の受け入れでは、採用だけでなく、 教育、生活支援、職場定着までを見据えた準備が必要です。 第2回では、9月から確認しておきたい具体的な準備についてご紹介します。 1. 受け入れたい職種・業務内容を整理する まず確認したいのは、自社で外国人材にどのような業務を任せたいのかという点です。 人手が足りないから受け入れる、というだけではなく、 実際に担当してもらう業務内容、必要な技能、現場での教育方法を整理しておくことが大切です。 例えば、次のような内容を確認しておくと、受け入れ準備が進めやすくなります。 どの部署・現場で人材が必要か 具体的に任せる業務は何か 入社後にどの業務から覚えてもらうか どの程度の日本語力が必要か 現場で誰が指導するか 業務内容が明確になることで、採用時のミスマッチ防止にもつながります。 2. 現場の受け入れ体制を整える 育成就労制度では、外国人材を受け入れるだけでなく、育成していくことが重要になります。 そのためには、現場での指導体制や相談しやすい環境づくりが欠かせません。 受け入れ前に、次のような点を確認しておきましょう。 指導担当者を決めているか 業務手順を説明できる資料やマニュアルがあるか やさしい日本語で説明する意識が共有されているか 困ったときに相談できる窓口があるか 既存社員に制度や受け入れ目的を説明できているか 外国人材が安心して働ける環境を整えることは、早期離職の防止にもつながります。 3. 日本語・生活面のサポートを考える 外国人材の定着には、仕事だけでなく生活面のサポートも重要です。 日本での生活に慣れるまでには、 住居、交通、銀行口座、携帯電話、病院、行政手続きなど、さまざまな場面で不安が生じます。 企業として、どこまで支援するのか、 誰が対応するのかを事前に整理しておくことで、 受け入れ後のトラブルを防ぎやすくなります。 また、日本語力の向上をどのように支援するかも大切です。 業務に必要な言葉、職場でよく使う表現、 安全に関する指示などを、日々の業務の中で学べる仕組みを作っておくとよいでしょう。 4. 特定技能への移行を見据える 育成就労制度は、将来的に特定技能へつなげていくことが想定されています。 そのため、受け入れ時点から、特定技能への移行を見据えた計画を立てておくことが重要です。 具体的には、次のような点を確認しておきましょう。 特定技能の対象分野に該当するか 必要な技能や日本語水準を把握しているか 試験や評価に向けた支援ができるか 長期的に働いてもらうためのキャリアイメージを示せるか 雇用条件や職場環境が継続就労に適しているか 外国人材にとっても、将来の見通しがある職場は安心感につながります。 5. 9月から準備を始めるメリット 来年度の制度開始に向けて、9 月から準備を始めることで、余裕を持って受け入れ体制を整えることができます。 制度の詳細確認、社内体制の整理、現場への説明、 採用計画の検討など、準備には意外と時間がかかります。 早めに動き出すことで、次のようなメリットがあります。 自社に合った受け入れ方法を検討できる 現場の不安や疑問を事前に解消できる 採用から定着までの流れを整理できる 必要な支援体制を早めに整えられる 制度開始後にスムーズな受け入れがしやすくなる 「制度が始まってから考える」のではなく、 「制度開始前に準備しておく」ことが、今後の外国人材活用では大切になります。 まとめ 育成就労制度に向けた準備では、 制度の理解だけでなく、業務内容の整理、 現場の教育体制、生活面の支援、 特定技能への移行計画までを総合的に考える必要があります。 9月から少しずつ準備を進めることで、 来年度の制度開始に向けて余裕を持った対応ができます。 外国人材の受け入れを検討している企業様は、 まずは自社の現場でどのような人材が必要か、 どのようなサポートができるかを確認するところから始めてみてはいかがでしょうか。 [no_toc]

育成就労制度に向けて9月から始めたい準備とは?企業が確認すべきポイント

藤原 幹雄

2026.09.20
育成就労制度に向けて、9月から始める準備
外国人採用
採用担当者向け
経営者向け

育成就労制度に向けて、9月から始める準備

来年度から新たに「育成就労制度」が始まる予定です。 これまで外国人材の受け入れに関わってきた 企業様にとっても、 これから検討を始める企業様にとっても、 制度の内容を理解し、早めに準備を進めることが重要になります。 今回のブログでは、9月から準備を始めるきっかけとして、2回に分けて育成就労制度についてご紹介します。 外国人材の受け入れ制度として、 これまで多くの企業で活用されてきた技能実習制度が 見直され、来年度から新たに「育成就労制度」が始まる予定です。 「名前は聞いたことがあるけれど、具体的に何が変わるのかわからない」 「特定技能とはどう違うのか知りたい」 「今のうちに何を確認しておけばよいのか不安」 このように感じている企業様も多いのではないでしょうか。 第1回では、育成就労制度の基本的な考え方と、 特定技能制度との関係についてわかりやすくご紹介します。 育成就労制度とは 育成就労制度は、日本国内で人材確保が 難しい分野において、外国人材を受け入れ、 一定期間の就労を通じて知識や技能を身につけてもらうことを目的とした制度です。 これまでの技能実習制度では、「国際貢献」や「技能移転」という考え方が中心でした。 一方で、育成就労制度では、 日本の産業を支える人材を育成し、 将来的に特定技能へつなげていくことが大きな目的とされています。 つまり、育成就労は単に外国人材を 受け入れる制度ではなく、 一定期間をかけて人材を育て、 長期的な就労につなげていくための制度といえます。 特定技能との関係 育成就労制度は、特定技能制度と 深く関係しています。 特定技能は、一定の専門性や技能を持つ外国人材が 日本国内で働くための在留資格です。 介護、外食、宿泊、製造、建設など、人手不足が深刻な分野で活用されています。 育成就労制度では、外国人材が日本で働きながら 技能や日本語力を高め、将来的に特定技能1号へ移行することが想定されています。 そのため、企業側としては 「育成就労で受け入れて終わり」ではなく、 受け入れ後にどのように教育し、 職場に定着してもらい、特定技能へつなげていくかを考える必要があります。 企業にとってのポイント 育成就労制度が始まることで、 企業にはこれまで以上に計画的な受け入れ体制が求められます。 特に重要になるのは、次のような点です。 外国人材に任せる業務内容を明確にすること 日本語や業務習得を支援する体制を整えること 現場での指導担当者を決めておくこと 生活面や職場定着のサポートを考えること 将来的に特定技能へ移行する流れを理解しておくこと 制度の開始後に慌てて準備を始めるのではなく、 早い段階から自社の受け入れ体制を確認しておくことが大切です。 まとめ 育成就労制度は、外国人材を受け入れ、 育成し、将来的に特定技能へつなげていくための新しい制度です。 これまでの制度との違いや、特定技能との関係を 理解することで、自社にとってどのような準備が必要かが見えやすくなります。 次回は、来年度の制度開始に向けて、 9月から企業が具体的に準備しておきたい内容についてご紹介します。 [no_toc]

育成就労制度に向けて、9月から始める準備

藤原 幹雄

2026.09.10
経営マガジン”ぐっとシナレッジforEXECUTIVE vol.165″を発行しました!
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2026.09.01
「ご縁がなかった」で終わっていませんか?  辞退された方こそ、未来の仲間
キャリア採用
シナジー活動記
新卒採用(大卒・高卒)
経営者向け

「ご縁がなかった」で終わっていませんか? 辞退された方こそ、未来の仲間

一度は選考や内定を辞退された方から、 数年後に「やはり御社で働きたい」とご連絡をいただく ――そんなケースは、実は決して珍しくありません。 新卒・中途を問わず、選考や内定を辞退された方を 「ご縁がなかった」の一言でそのままにしていないでしょうか。 人口減少が進み、特に若手の優秀な人材の確保はますます難しくなっています。 だからこそ、一度接点を持った方との“過去の出会い”を 大切にすることが、これからの採用では大きな力になります。 辞退=「もう縁がない」ではない 辞退の理由はさまざまです。 「タイミングが合わなかった」 「他社の条件が良かった」 「家庭の事情」など、必ずしも自社に魅力を感じなかったわけではありません。 実際、入社した会社が合わずに早期離職する方も一定数います。 そのとき、丁寧に見送ってくれた企業のことは、 意外なほど記憶に残っているものです。 辞退者は“今は縁がなかっただけの、未来の候補者”と捉え直すことが第一歩です。 辞退された方を“未来の仲間”に変える3つの方法 1.辞退の瞬間こそ、丁寧に見送る 辞退の連絡は、企業の本性が最も出る場面です。 冷たい対応をすれば、その印象がそのまま口コミやSNSで広がります。 逆に 「ご縁があればまたぜひ」と気持ちよく見送ることで、 良い印象が残り、再応募や紹介につながります。 2.公式LINE等で「つながり」を残しておく 辞退された方とは、 その場でご縁を切ってしまうのではなく、 公式LINEやメールマガジンなどで“ゆるくつながる”状態を作っておきましょう。 許可を得たうえで登録してもらえば、 いわゆる“人材のストック(タレントプール)”になります。 次の募集が出たときに、「以前ご縁のあった〇〇さん」へ直接お声がけできる状態が整います。 3.定期的に情報が届く「仕組み」を作る 何を達成すれば「合格点」なのかを事前に定義し、 期待値を揃えることが不可欠です。 あらかじめゴールを共有することで、 学生は自律的に動きやすくなり、迷いなく業務に集中できるようになります。   注意点:成功の分かれ目は“採用プロセス化” 大切なのは、担当者の記憶や手作業に頼らず、自動的に情報が届く仕組みにしておくことです。 公式LINEやメルマガを活用すれば、 自社の様子や活躍する社員の話などを、定期的に・負担なく届け続けられます。 求人の押し売りではなく 「気にかけています」という接点を保ち続けることで、 転職を考えたそのときに、真っ先に思い出してもらえる存在になれます。 これからの採用は、「新しい出会いを増やす」だけでなく、「過去の出会いをどう活かすか」が問われます。 一度会えた方は、それだけで貴重なご縁です。 目の前の一人ひとりを大切にする積み重ねが、数年後の採用を支えてくれます。 ぜひ自社の辞退者フォローができているか、見直してみてはいかがでしょうか。 [no_toc]

「ご縁がなかった」で終わっていませんか?  辞退された方こそ、未来の仲間

樋野 竜乃介

2026.08.25
まずは「1名」から始めるスモールスタート
外国人採用
採用担当者向け
経営者向け

まずは「1名」から始めるスモールスタート

はじめに 前回は、特定技能外国人の受け入れで起こりやすい トラブルと、その多くは日本人側の「伝え方」や 「関わり方」を少し変えることで防ぎやすくなる、というお話をしました。 では、初めて受け入れる企業様は、実際にどのように始めればよいのでしょうか。 その答えの一つが、今回ご紹介する「1人から始めるスモールスタート」です。 特定技能外国人の受け入れに興味はあるものの、 いきなり複数名を受け入れるのは不安 現場が対応できるかわからない 教育や生活支援の負担が心配 まずは自社の現場に合った受け入れ方を確認したい このように感じている企業様も多いのではないでしょうか。 そのような場合におすすめしたいのが、 「1人から始めるスモールスタート」です。 特定技能外国人の受け入れは、 必ずしも最初から複数名を採用する必要はありません。 まずは1人を受け入れ、現場での教育方法や 支援体制を確認しながら、段階的に広げていく方法があります。 なぜ1人から始めるのがよいのか 初めて外国人材を受け入れる企業様にとって、 最初から複数名を受け入れることは大きな負担になる場合があります。 受け入れ直後は、業務の説明、生活面の確認、 現場スタッフとの関係づくりなど、通常の採用とは異なるサポートが必要です。 1人から始めることで、 教育担当者の負担を抑えられる 現場スタッフが受け入れに慣れやすい 自社に合った教え方を見つけられる 課題が出ても早めに改善できる 次に受け入れる時の準備がしやすくなる というメリットがあります。 小さく始めることで、無理なく受け入れ体制を整えることができます。 1人目は「受け入れ体制づくり」の大切な一歩 1人目の受け入れは、単なる人材確保ではありません。 自社にとっての受け入れ体制をつくる大切な一歩です。 たとえば、1人目を受け入れることで、 どの業務から任せるとよいか どの説明が伝わりにくいか どのマニュアルが必要か 現場スタッフがどこで不安を感じるか 生活面でどのような支援が必要か が見えてきます。 この経験をもとに改善していけば、 2人目、3人目を受け入れる時には、よりスムーズに対応できるようになります。 1人でも孤立させない受け入れ方 スモールスタートを考える時、 会社側が一番不安に感じやすいのが、 「1人だけで大丈夫なのか」「かわいそうではないか」という点です。 この不安は、とても大切な視点です。 特定技能外国人は、日本で働くだけでなく、 日本で生活していくことになります。 そのため、会社側が「1人でも問題ない」と一方的に 考えるのではなく、本人が孤立しない環境をつくることが重要です。 ただし、問題は「1人から始めること」そのものではありません。 大切なのは、1人で入社した外国人材を、 職場の中で1人にしないことです。 前回の記事でもお伝えした通り、 トラブルを防ぐためには、 一つひとつを「教育しなければならない」と 重く考えすぎるのではなく、 同じ会社で働く同僚としてのコミュニケーションの一つだと考えることが大切です。 たとえば、 朝に「体調は大丈夫?」と声をかける 作業前に「今日はこの手順で進めてください」と一言伝える 困っていそうな時に「分からないことはありますか?」と確認する 仕事で困った時に誰へ聞けばよいかを伝えておく 生活面で不安がある時の相談先を共有しておく このような小さな声かけだけでも、本人の安心感は大きく変わります。 実際に1人から受け入れを始めた場合でも、 多くの外国人材は、周りの日本人スタッフに対して感謝の言葉を伝えてくれることがあります。 それは、外国人材が置かれている状況を周りの 日本人が汲み取り、声をかけたり、 気にかけたりしていることを、本人が実感しているからだと思います。 中には、「自分ひとりでも大丈夫です」と言い切る外国人材もいます。 もちろん、それが本心かどうかは本人にしか分かりません。 しかし、少なくとも周りのスタッフの思いや気遣いは、 外国人材に伝わっていることが多いと感じます。 同じ国の人がいることも安心材料の一つですが、 それ以上に大切なのは、職場の中に「気にかけてくれる人」がいることです。 たくさん教えてくれる人、 声をかけてくれる人がいるほど、 外国人材も質問しやすくなり、トラブルを未然に防ぎやすくなります。 つまり、1人から始めるスモールスタートは、 本人を1人にすることではありません。 会社全体で受け入れ方を確認しながら、 同じ会社で働く同僚として関わり、無理なく体制を整えていく方法です。 スモールスタートで大切な準備 1人から始める場合でも、準備は必要です。 特に大切なのは、次の4つです。 1. 任せる業務を明確にする 最初からすべての業務を任せようとすると、本人も現場も混乱しやすくなります。 まずは、 入社後1週間で覚える業務 1か月後にできるようになってほしい業務 3か月後に任せたい業務 のように段階を分けて考えることが大切です。 2. 教育担当者を決める 「誰かが教えるだろう」という状態では、 教え方にばらつきが出てしまいます。 教育担当者を決めておくことで、 本人も質問しやすくなり、現場も責任の所在が明確になります。 3. 現場スタッフへ事前に共有する 外国人材が入社することを、現場スタッフへ事前に共有しておくことも重要です。 なぜ受け入れるのか どのような業務を担当するのか 最初はどのようなサポートが必要か 困った時は誰に相談するのか を共有しておくことで、現場全体で受け入れる雰囲気をつくることができます。 4. 定期的に面談する 入社後は、定期的な面談の機会をつくりましょう。 本人が困っていることを早めに把握できれば、 大きなトラブルになる前に対応できます。 面談では、仕事のことだけでなく、 生活面や人間関係の不安も確認することが大切です。 1人から始めることで、将来の採用につながる 1人目の受け入れがうまくいくと、企業にとって大きな自信になります。 現場スタッフも「外国人材と一緒に働くイメージ」を 持ちやすくなり、次の受け入れに対する不安が減っていきます。 また、受け入れた本人が職場に定着し、 活躍することで、社内の理解も広がります。 その結果、将来的に複数名を受け入れる際にも、 よりスムーズに採用・育成を進めることができます。 まとめ 特定技能外国人の受け入れは、最初から大きく始める必要はありません。 初めての受け入れに不安がある場合は、 まず1人から始めることで、現場の負担を抑えながら、 自社に合った受け入れ体制をつくることができます。 大切なのは、人数の多さではなく、 受け入れた人が安心して働き、定着できる環境を整えることです。 1人目の受け入れは、将来の人材確保に向けた大切な第一歩です。 無理なく始め、経験を積み重ねながら、 外国人材が活躍できる職場づくりを進めていきましょう。 [no_toc]

まずは「1名」から始めるスモールスタート

藤原 幹雄

2026.08.20
日本人が変われば、外国人材も動きやすくなる?
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日本人が変われば、外国人材も動きやすくなる?

特定技能外国人の受け入れに興味はあるものの、 「現場でトラブルが起きないか不安」 「言葉や文化の違いに、どう対応すればよいのかわからない」 「外国人材にどこまで説明すればよいのかわからない」 このように感じている企業様も多いのでは ないでしょうか。 今回から2回に分けて、 初めて特定技能外国人を受け入れる企業様に向けて、 受け入れ前に知っておきたいポイントをお伝えします。 第1回のテーマは、 「日本人が変われば、外国人材も動きやすくなる」 です。 このように聞くと、「出稼ぎに来る外国人のために、 なぜ日本人側が変わらないといけないのか」と感じる方もいるかもしれません。 しかし、ここで言う「変わる」とは、 会社の仕組みを大きく変えることや、現場に大きな改革を求めることではありません。 必要なのは、10秒あればできる心構えの変化です。 たとえば、曖昧に伝えそうになった時に、少しだけ言葉を足して言い切る。 「誰かが説明しているだろう」と思った時に、念のため一言だけ確認する。 長く説明しようとせず、伝えたい内容を短く区切って話す。 このような小さな変化だけでも、外国人材にとっては 「何をすればよいのか」が分かりやすくなり、現場でのトラブルを防ぎやすくなります。 私が特定技能外国人の支援に関わる中で 実際に経験したトラブル事例をもとに、 なぜトラブルが起きるのか、 そして受け入れる日本人側がどのように伝え方を変えればよいのかをお伝えします。 外国人材の受け入れでは、外国人本人に 「日本の職場に慣れてもらう」ことも大切です。 しかし、それだけでは十分ではありません。 日本人側が曖昧な表現を減らし、 期限・手順・確認先・完了条件をしっかり言い切ることで、外国人材は迷わず行動しやすくなります。 そして第2回では、 いきなり複数名を受け入れるのではなく、 まずは「1名」から始めるスモールスタートという考え方をご紹介します。 第1回となる今回は、 実際に起こりうるトラブルを通じて、 「外国人材をどう変えるか」ではなく、 「受け入れる側の伝え方をどう変えるか」という視点でご覧ください。 よくあるトラブル①:職場の指示が正しく伝わらない 特定技能外国人は、一定の日本語能力を持って来日・就労します。 しかし、日常会話ができることと、 職場で使う専門用語や細かな指示を正確に理解できることは別です。 実際の支援記録でも、勤務先でのルール確認や 感染症対策に関する指導として 「職場側の指示に従うことを再確認」 「作業時のルール指導」 「決められた区域や手順を守るよう再指導」 といった対応が必要になっています。 これは、本人に悪気があるというよりも、 職場ごとのルールや日本語での細かな指示が十分に伝わっていないことで起こりやすいトラブルです。 たとえば、職種を問わず次のような場面で起こります。 作業手順や安全ルールの理解 衛生管理・感染症対策の手順 使用してよい場所、入ってはいけない場所の区別 報告・連絡・相談のタイミング 「あとで」「なるべく早く」「大体○日くらいまで」 「このようにすればうまくいくと思う」など、期限や判断基準が曖昧な表現 特に製造業では、クリーンルームでの衛生管理、 異物混入を防ぐための服装・入室手順、 製品に傷を付けないための取り扱い、 機械や工具を使う際の安全確認など、 細かなルールを高い意識で守ることが求められます。 こうした内容がうまく伝わらず、 現場での不安やミスにつながることがあります。 正しい対応策:曖昧な表現を避け、具体的に伝える 大切なのは、「一度説明したから大丈夫」と考えないことです。 特に安全・衛生・品質に関わる業務は、 口頭説明だけで終わらせず、 実際の動きを見せながら確認することが重要です。 たとえば、 「職場のルールを守ってください」ではなく 「このエリアに入る前に、手洗い・消毒・専用服の着用をしてください」 「製品を丁寧に扱ってください」ではなく 「製品を置く時は、角をぶつけないように両手で持ち、このマットの上に置いてください」 「気をつけて」ではなく 「機械を動かす前に、必ず周囲に人がいないか確認し、社員へ声をかけてください」 「わかった?」ではなく 「次に何をするか、もう一度説明してもらえますか?」 このように、曖昧な表現を避け、具体的な行動で伝えることが大切です。 特に、期限や判断を伝える時は「言い切る」ことを意識しましょう。 たとえば「大体○日くらいまでに」ではなく 「○月○日の17時までに完了してください」、 「このようにすればうまくいくと思う」ではなく 「この手順で進めてください」と伝えます。 日本人同士であれば、 相手の表情や雰囲気、言葉の裏側から 「急ぎなのか」「どこまで任されているのか」を察することがあります。 しかし、外国人材には、日本人のように 相手の言葉の裏を読み取る文化がない場合も多くあります。 ここで大切なのは、外国人材だけに 「日本のやり方に慣れてください」と求めるのではなく、 受け入れる日本人側も伝え方を変えることです。 日本人が曖昧な表現をやめて、 しっかりと言い切ることができれば、 外国人材は「何をすればよいのか」 「どこまでやればよいのか」が分かりやすくなります。 つまり、日本人の伝え方が変われば、外国人材も動きやすくなります。 そのため、日本人にとっては少し難しく感じるかもしれませんが、あえてしっかりと言い切ることが大切です。 「たぶん」「できれば」「大体」ではなく、 「いつまでに」「どの手順で」「誰に確認して」 「どの状態まで行うのか」を明確に伝えることで、本人も迷わず行動しやすくなります。 具体的には、 いつまでに行うのか どの手順で行うのか 誰に確認するのか どの状態になれば完了なのか をはっきり伝えることが重要です。 また、写真付きのマニュアルやチェックリストを 用意しておくと、言葉だけに頼らず業務を覚えやすくなります。 よくあるトラブル②:生活ルールの違いによる近隣・同居者トラブル 外国人材を受け入れると、職場だけでなく 住まいや生活面でも、日本のルールとの違いが出ることがあります。 実際に私の外国人への支援記録の中にも、 寮での生活指導として 「ゴミ出しルールの説明」 「共有部(廊下・階段・玄関)の使い方説明」 「近隣・同居者トラブル時の連絡ルート共有」 といった対応がありました。 たとえば、 ゴミを出す曜日や分別方法がわからない 廊下や玄関など共有部分に私物を置いてしまう 同居者との生活リズムが合わない 近隣から注意を受けても、どう対応すればよいかわからない といったことが起こる可能性があります。 これは「マナーが悪い」というより、 母国と日本で生活ルールが違うこと、 そして日本のルールを最初に具体的に教わっていないことが原因になりやすいトラブルです。 正しい対応策 生活ルールは、入居時に具体的に説明しておくことが大切です。ただ、生活ルールや文化の違いは、 説明する側にとっても難しく感じやすい内容です。「どこまで言えばよいのか」 「細かく言いすぎると失礼ではないか」と 考えてしまい、できれば誰かが教えてくれることを期待してしまう方も多いと思います。そのような時は、伝えたい内容を 一度にまとめて説明しようとせず、 短く区切って伝えることがポイントです。 たとえば、ゴミ出しであれば、 「燃えるゴミは火曜日と金曜日に出してください」 「朝8時までに出してください」 「この袋に入れてください」 「出す場所は建物の前ではなく、右側のゴミ置き場です」 このように、1つの文章に多くの情報を入れず、 短い文に分けて伝えることで、本人も理解しやすくなります。 特に、 ゴミ出しの曜日・分別・出す場所 共有部に物を置かないこと 夜間の騒音に注意すること 来客時のルール 困った時の連絡先 は、書面や写真で見せながら説明すると伝わりやすくなります。 また、トラブルが起きた時に本人だけで 判断させるのではなく、 「まず誰に連絡するのか」を決めておくことも重要です。 住まいでの不安が減ると、 本人も安心して仕事に集中しやすくなります。 よくあるトラブル③:現場スタッフとの関係がうまくいかない 受け入れ後に意外と多いのが、外国人本人ではなく、 現場側の受け入れ準備不足によるトラブルです。 たとえば、 誰が教育担当か決まっていない スタッフによって教え方が違う 外国人材に対して過度に期待しすぎる 「なぜ外国人を採用するのか」が現場に共有されていない このような状態では、 本人も何を信じて行動すればよいかわからず、 現場スタッフも負担を感じやすくなります。 正しい対応策 受け入れ前に、現場スタッフへ目的を共有することが重要です。 現場スタッフとの関係づくりについても、 説明が難しいと感じる方は多いと思います。 「なぜ外国人材を受け入れるのか」 「最初はどこまでサポートが必要なのか」 といった内容は、感覚的に伝えようとすると 曖昧になりやすく、結果として誰も本人に説明していなかった、ということが起こりえます。 ここでも大切なのは、伝えたい文章を短く切って説明することです。 たとえば、 「最初の1か月は、○○の作業を覚えてもらいます」 「わからない時は、○○さんに聞いてください」 「急ぎの相談は、その場で声をかけてください」 「判断に迷った時は、自分で決めずに確認してください」 このように短い文章で伝えると、 外国人材も理解しやすく、現場スタッフも説明しやすくなります。 特定技能外国人は「人手不足を埋めるための即戦力」 として期待される一方で、最初から日本人スタッフと まったく同じように動けるわけではありません。 そのため、 教育担当者を決める 最初の1か月で覚える業務を絞る 教え方を統一する 困った時の相談先を明確にする 現場全体で育てる意識を持つ といった準備が必要です。 外国人材だけに努力を求めるのではなく、 受け入れる側も「伝えやすい形に分けて説明する」ことが、定着のポイントです。 よくあるトラブル④:生活手続きのつまずきが仕事に影響する 特定技能外国人は、日本で働くだけでなく、 日本で生活をしていく必要があります。 私の支援記録にも、銀行口座の暗証番号トラブル、 口座引落の設定、携帯電話の契約・初期設定、 料金プランの見直し、市役所での転入届・住所変更、 マイナンバー申請など、生活面のサポートが多く記録されています。 仕事自体には前向きでも、 銀行口座の暗証番号がわからず、お金を引き出せない 携帯電話の契約や支払い設定ができない 市役所での手続きに必要な書類がわからない 住所変更後に銀行や携帯の登録住所を変更していない マイナンバーの申請・受け取り方法がわからない といった生活面の不安が積み重なると、 仕事への集中力や定着に影響することがあります。 正しい対応策 生活手続きは「本人がそのうち慣れるだろう」と 考えず、最初に段取りを組んで支援することが重要です。登録支援機関を活用する場合は、 入国前後の手続きだけでなく、就労後の生活相談まで対応できるかを確認しましょう。また、外国人の受入企業側でも、 銀行口座・携帯電話・市役所手続きの流れを一覧にする 必要書類を事前に確認する 初回は同行や通訳サポートを検討する 手続き後に住所変更などの追加対応がないか確認する 困った時の連絡先を共有する といった支援を行うことで、本人の不安は大きく減ります。 生活面が安定することは、職場で長く活躍してもらうための大切な土台です。 よくあるトラブル⑤:体調不良・感染症発生時の対応が遅れる どの職場でも、本人の体調不良や感染症の疑いが出た時の対応は重要です。 私の支援記録では、発熱時の体温確認、 咳・倦怠感などの症状聴取、受診先の選定、 病院予約、必要に応じた同行、診断結果の共有、 療養期間や出勤停止の判断、同居者への注意事項共有などの対応が記録されています。 このような場面で対応が遅れると、 本人がどの病院に行けばよいかわからない 職場への報告が遅れる 出勤してよいか判断できない 同居者や職場への感染リスクが高まる 本人が不安を抱えたまま過ごしてしまう といった問題につながります。 正しい対応策 体調不良時の対応は、入社時にルール化しておくことが大切です。 具体的には、 発熱や咳などの症状がある時の連絡先 何度以上の熱で報告するか 受診する病院や相談窓口 出勤可否を誰が判断するか 同居者がいる場合の注意事項 職場へ共有する内容 を事前に決めておきましょう。 また、感染症対策では、本人への説明だけでなく、 受入先・登録支援機関・職場が同じ情報を共有することが重要です。 「本人が連絡してくるはず」と待つのではなく、 定期面談や日常の声かけで体調面も確認しておくと、 早期対応につながります。 具体例に共通する落とし穴 ここまで紹介したトラブル事例の多くは、 「言われれば何となく納得できること」だと思います。 だからこそ、そこに落とし穴があります。 知っていそうなこと、誰かが伝えてくれるだろうと 思われることほど、「他の人がもう伝えているだろう」 という感覚になりやすく、結果的に本人は誰からも聞いていなかった、ということが起こりえます。 一つひとつを「教育しなければならない」と考えると、 大きな負担に感じます。 しかし、同じ会社で働く同僚としての コミュニケーションの一つだと考えると、意外とストレスなく伝えることができます。 また、日頃からたくさん教えてくれる人がいるほど、 外国人材にとっても質問しやすくなります。 その関係性ができていることが、 今後のトラブルを未然に防ぐ大きなポイントになります。 トラブルを防ぐために大切なこと 特定技能外国人の受け入れで大切なのは、 「トラブルが起きた時にどうするか」だけではありません。 そもそもトラブルが起きにくい状態をつくることです。 そのためには、次の3つが重要です。 受け入れ前に、仕事内容と職場ルールを具体的に伝えること 受け入れ後に、相談できる人と仕組みを用意すること 現場スタッフにも、受け入れの目的と関わり方を共有すること 特定技能外国人の受け入れは、単に人を採用して終わりではありません。 企業と本人が、お互いに理解しながら働ける環境をつくることが大切です。 まとめ 外国人材の受け入れには、言葉や文化、 生活面での違いから、さまざまなトラブルが起こる可能性があります。 しかし、その多くは事前の説明、現場の準備、 定期的なフォローによって防ぐことができます。 「外国人だから難しい」と考えるのではなく、 起こりやすい課題を知り、正しい対応策を準備することが成功への第一歩です。 特定技能外国人は、しっかりと受け入れ体制を 整えることで、現場にとって心強い戦力になります。 そして、その受け入れ体制は、必ずしも大きな制度や 特別な改革だけでつくるものではありません。 曖昧な表現を避ける、短く区切って伝える、 理解できているか一言確認する。 このような10秒の心構えの変化が、 外国人材の働きやすさにつながり、トラブルを未然に防ぐ第一歩になります。 次回は、初めて特定技能外国人を受け入れる 企業様に向けて、 「1人から始めるスモールスタート」という考え方をご紹介します。 [no_toc]

日本人が変われば、外国人材も動きやすくなる?

藤原 幹雄

2026.08.10
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