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人材確保のジレンマ:社内体制を整えるべきか、優秀な人材を採用するべきか
時折、企業の社長から 「うちはまだ社内体制が 整っていないから新卒はまだ早い」 という言葉が漏れ聞こえてきます。 具体的にどういう状況なのか聞いてみると、 「教育するほどの人がいない」 「マニュアルがない」 「新人にやってもらう仕事がない」 「人事評価制度がない」と、 多岐にわたる課題を抱えていることがわかります。 社員の高齢化が進行し、 現場の人数自体はなんとか足りている状況。 しかし、将来を見据えると 何となく不安を感じる。 そう考える人ほど、 上記のような問題を挙げるように思えます。 一方で、 私たちが常に強調してお伝えするのは 「良い人材を採用しようと思ったら 良い組織でなければならない」 「良い組織にするためには 良い人材を採用しなければならない」 ということです。 そうなると まるで鶏と卵の問題のように、 どちらが先かに頭を悩ませることになります。 結局のところ、 「中途で若くて良い人はいないかな…難しいよね…」 という話で終わってしまうことが多いのが現状です。 だからと言って、 その問題から逃げるわけにはいきません。 私の結論は、 採用も組織づくりも 同時に進行しなければならない ということです。 新卒や中途の採用においては 会社の相性や好みも重要ですが、 一方に偏らずに 全てを並行して進めることが 求められます。 しかし、「現場が回らなくて…」 「時間が取れなくて…」という 反論が返ってきます。 ここで問われるのは、 高齢化や人手不足といった問題を抱えながら、 経営の優先順位をどこに置くかという点です。 組織強化や採用は 緊急性がないかもしれませんが、 重要度は高い。 優先度を下げて 先延ばしにしてしまうと 組織が混乱し、 結果的に大きなコストを 払うことになります。 企業として強くなるためには、 採用や組織強化を継続的に行い、 その効果を確認し改善していく 仮説・実行・検証のサイクルが必要です。 最終的には、 社長自身が力を振り絞って 組織をまとめ上げるケースが 多いように思えます。 確かに、そのように問題を 解決できれば良いのですが、 それには大きな労力と コストが必要になります。 悩んでいる時間があれば、 専門家に相談することや 具体的な行動を起こすことが重要です。 なにか一歩でも前に進むことで、 組織の未来を切り開くことが 可能になるのです。
小濱亮介
高卒と大卒の離職率の差が縮まってきている
7月に入り高卒求人が公開になったことで、 いよいよ高校生の採用活動が本格化しました。 既に高校へ求人を郵送された 企業の方も多いのではないかと思います。 高卒採用と大卒採用では 様々な議論がされますが、 よく言われるのは、 「高卒人材は大卒人材より 離職率が高いから、不安」ということです。 実際、新卒の離職率は、 中卒:7割、高卒:5割、大卒:3割が 3年以内に離職することから 「七五三」と言われていました。 実際にここ30年の間、 3年以内に離職する新卒社員全体の離職率は 大きな変化がありませんでした。 ただ、最新のデータを見てみると、 この数字に変化があることがわかります。 厚生労働省が2022年10月に公表した、 新規学卒者の就職後3年以内の離職状況によると、 高卒就職者では、35.9%、 大卒就職者では31.5%という結果になりました。 (2019年3月に卒業した新規学卒就職者のデータ) このように、以前ほど離職率に差がないことがわかります。 では、高卒と大卒では退職理由に変化はあるのでしょうか? 結果は下記のようになっております。 ○高校卒 1位 人間関係がよくなかった(29%) 2位 労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった(28.7%) 3位 賃金の条件がよくなかった(26.1%) 4位 仕事が自分に合わない(22.2%) 大学卒 1位 労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった(33.2%) 2位 人間関係がよくなかった(21.3%) 3位 賃金の条件がよくなかった(20.9%) 4位 仕事が自分に合わない(19.2%) ※厚生労働省が発表した 「平成30年若年者雇用実態調査の概況」より 順位の変動はありますが、 どちらも退職理由の上位3つは同じ理由でした。 つまり同じ対策で、 高卒・大卒問わず退職を抑制することが期待できます。 大卒採用に行き詰まりを感じていらっしゃる 企業の方は、この機会に高卒採用も ご検討してみてはいかがでしょうか。
乾 恵
何のために経営していますか?
経営者の方と込み入った話になったときに よく「〇〇社長は何のために経営していますか?」と 尋ねることがあります。 また顧問先の社員さんや新入社員の方に 「何のために働きますか?」と聞くことも多くあります。 多くの経営者は、 「良い会社にしたい」と思い会社を経営しているはずです。 恐らく良くない会社にしたいと思っている人はいないでしょう。 では”良い会社”とはどんな会社でしょうか? 社員が笑顔でいる会社? 残業が少ない会社? 黒字がずっと続いている会社? 離職が少ない会社? 一つに絞ることはなかなかに難しく、 何をもって良い会社とするかは人によって大きく違うはずです。 これは働く従業員も同じです。 従業員が考える良い会社と 経営者が考える良い会社も 違うことが多いでしょう。 これが一致すれば経営者としては嬉しいですよね。 経営者にはそれぞれの経営の目的があり、 良い会社の定義が変わってくるのは当然です。 社員も「何のために働いているか」が経営者と違えば、 良い会社の定義も変わります。 もちろん互いに本音ではなく、 世間で一般に良いとされていることを口に出しただけなら、 イコールになることもあると思います。 しかしその場合、 腹の奥底では「それが一番ではない」と思っているはずです。 経営者であっても、 関わる人や環境によって 何のために経営するのかは変わっていきます。 変わってきて当然ですし、 100%腹落ちしていれば大きな変化ではなく、 小さな変化でその言葉は変わってくると思います。 経営者が”なんのために経営をしているか?”という 問いに対しての答えが言語化できていれば そこはブレることはありません。 それがきっと経営理念やミッション、 パーパスと呼ばれるようなものに 置き換わっていくのではないでしょうか。 そして、経営者はそれを思っているだけではいけません。 ちゃんと関わる人達にわかりやすい言葉で 伝え続けなければならないのです。 何のために経営しているのか。 自分たちはそのためにどこに向かって仕事をしているのか。 ちゃんと言語化して伝え続けていきましょう。
小濱亮介
技能実習制度廃止について、特定技能活用の視点から考えること
今年4月、政府の有識者会議にて技能実習制度の廃止と、 それに向けた新たな制度への移行を求めるたたき台が示されました。 もとより技能実習制度は、 海外からは「奴隷制度」と言われており、 その背景には過酷な労働環境や低賃金、相次ぐ失踪などといった トラブルが相次いでいることが挙げられます。 また、「技能移転を目的」とした意義を掲げていますが、 日本の労働力不足を補っている実態もかねてより問題視されてきました。 新たな制度の方向性として、 「定義の変更」「対象職種の限定」「転籍の自由」 「監理団体・登録支援機関の要件の厳格化」などが挙げられています。 特定技能制度から見たこの制度変更に対する メリット、デメリットとしては、 あくまでも個人的見解ですが以下のようなことが考えられます。 メリット ・日本語能力はこれまで以上に高いレベルの人材が採用できる →現行の技能実習制度は 日本語能力に関しては水準を設けていませんが、 新制度ではこの部分も水準が設けられます。 また、日本で働きながら 日本語能力を向上させる仕組みも設けられるようです。 ・不要な登録支援機関の排除 →技能実習制度でも悪徳なブローカー問題はありますが、 実は特定技能でも同じように起こっています。 今後は監理団体、登録支援機関は 人材派遣と同じように許可制に移行することが検討されており、 よりまともな機関だけが残る制度になることが期待されます。 デメリット ・3年の経験を有する人材の採用ができない →特定技能の採用の一番のメリットは 「技能実習で3年の経験を積んだ」人材を採用できること だと考えられていました。 もし技能実習制度の廃止で 特定技能がスタートラインになる場合は、 最も大きなメリットが失われてしまいます。 ・外国人の転職慣れ →特定技能制度では転職は認められています。 SNSコミュニティで求人を見つけ転職するケースが大半です。 雇用の流動化が悪いことだとは思いませんが、 「日本人と同等以上」という条件を設けている特定技能制度では、 短期離職はコスパが決して高くないのかなと思います。
乾 恵
自社が選ばれる理由は明確ですか?
先日、2023年度の日本の主要企業の採用計画において、 中途採用の比率が過去最高の37.6%まで高まったと報道がありました。 背景には、新卒一括採用や年功序列の評価制度、終身雇用のような 硬直的な雇用慣行が限界を迎えていることが挙げられます。 人口減少で技術やノウハウを次世代に継承することが 難しくなっているのに加え、 人手不足に拍車がかかっている業種もあります。 23年の春闘で賃上げを表明する企業が増えましたが、 人の採用や定着に関することがとても重要であることが見えてきます。 ますます採用活動が難しくなっている昨今、 採用活動が上手くいくためのポイントを3つまとめましたので、 お役に立てれば嬉しいです。 ①自社が選ばれる理由は明確か 企業様とお話をすると『求める人物』は明確であることが多いです。 一方で「その人物は御社のどこに部分に魅力を感じますか?」と伺うと、 明確に答えられない場合が多いです。 どのような人物を採用したいかも重要ですが、 同時に選ばれるための理由も明確にする必要があります。 『自社が求める人物』に選ばれる理由を明確にし、 もしなければ人物像を変えるか、魅力を作っていく必要があります。 ②その人物は本当にいるかどうか ①と少し関連しますが、『求める人物が本当にいるかどうか』も とても重要なポイントです。 定めたはいいものそのような人物がいなければ、 採用することはできません。 人物像を定めたら、本当にその人物がいるかどうかを見極める必要があります。 例えば、そもそも20代であれば数は少ないですし、 30代は小さなお子さんを持っている割合が多く、 転職に踏み切るにはハードルが高くなります。 そのようなことも踏まえて、人物像を設定することが重要です。 ③その魅力は自社だけのものか 『求める人物像』の設定もきちんとできており、 しっかりと選ばれる理由も明確にできたとします。 あと考えるべきポイントは、 『選ばれる理由は自社だけのものか』ということです。 同じような魅力が他の企業にあれば、 その企業が採用活動における競合企業になります。 競合企業を調査し、差別化ポイントを整理して、 求人票や採用活動に反映させることが重要です。 以上、3つのポイントをまとめました。参考にしていただければ幸いです。
乾 恵
部下を離職に追い込む『上司の3つの大罪』
人が辞める原因の多くは上司に関係していると言われています。 離職するときの主な理由は、 上司(人)が合わない 仕事内容が合っていない 環境が合っていない この3つのどれかに当てはまることが多いように思います。 今回は様々な会社の組織を見てきた中で見聞きした 上司の言動が部下の離職につながった事例を3つ紹介します。 これは上司だけでなく経営者も 知らぬ間にやっていることもあると思いますので、 参考にしていただければ幸いです。 部下を離職に追い込む、上司の3つの大罪 ダメ出し、やり直しをさせる 何かをやってもらいたいと考えて仕事を振った時に、 部下が作ったものが違ったからといって、 上司が全て修正してしまうと部下はやる気をなくしてしまいます。 当人は今までの時間はなんだったのかと考えてしまいます。 メールのテンプレートや言い回し等をアドレスして 再度考えてもらうようにしましょう。 部下の仕事を認めつつ観点や基準を提示して、 もう一度考えさせることで部下の成長が期待できます。 部下と向き合うことを諦める 例えば部下が問題を起こしたり、意図しない行動を取ったり、 結果が出せなかったり、取るべき行動が取れていなかった時に、 上司が「この人(部下)は駄目だ」と諦めムードを出すと相手に伝わります。 部下は「自分はここにいてはダメなんだ」と感じてしまいます。 「この人は駄目だ」というレッテルを貼るのは危険です。 人は他人から自分がどう思われているのかを意識しているので、 「駄目な人」だと思われていると感じた人は 駄目な人の行動を取ってしまいます。 貼るのであれば、良いレッテルを貼るようにしましょう。 「あなたはできるできる」と言われた人は、 できるように育っていくと心理学の研究で証明されています。 ちゃんとさせる 意外かもしれませんが、ちゃんとさせることも離職に繋がります。 上司が完璧主義や管理統制型の人であれば、離職につながる可能性も高まります。 やはりモチベーションの源は自分の自発性や創造性です。 誰かに「ちゃんとしろ」と言われると、それ自体がストレスになります。 上司が注意をしなければ、失敗するのではないかと 心配に思われるかもしれません。 それは部下が自身の役割や責任などを理解できていないことが原因です。 ベストなのは部下が自分で役割や責任に気づくことです。 「ちゃんとする」ことが目的になった結果、 成果につながらずストレスになり離職に繋がることもあります。 そのため「仕事を通して人を成長させていく」ことを、 どう仕組みや関わりで実現するかがとても重要になってきます。 今回解説した3つに気をつけて、部下をコントロールしようと 思わないことが大切です。 コントロールせずに理想を実現できる組織こそが、 最高の組織なのではないでしょうか。 時にはコントロールすることも必要な場合もあると思います。 しかしコントロールは最小限にとどめ、部下とすり合わせを行い 理解してもらうことで、小さな失敗から気づきを与えていくのが 素晴らしい上司です。 最高の組織が増えると、イキイキと社員が働く職場が 増えるのではないでしょうか。
小濱亮介
特定技能2号 2分野から全分野へ拡大か
出入国在留管理庁は自民党の外国人労働者等特別委員会で、 特定技能2号に関する対象拡大を提案しました。 特定技能2号とは、1号より熟練した技能が必要で 「特定技能2号評価試験」という試験に合格することで 移行できる在留資格です。 1号との主な違いは以下のようになっています。 現行では「建設」「造船」の2分野のみで 2号への移行可能です。 また「介護」分野に限っては介護福祉士の資格取得により 就労ビザ自体を「介護」に変更することができます。 特定技能は2024年4月で制度創設から5年を迎え、 特定技能1号での在留期間が上限に達する 外国人労働者が出てきます。 通算3年以上特定技能として働く外国人へのアンケート調査によると、 1号期間満了後は2号への移行を希望し、 また移行可能な制度変更を希望する人も一定数います。 技能実習制度廃止というニュースも耳にしますが、 今後の外国人労働者の活用に関しては これから数年で大きな変化が起こりそうなので、 しっかりアンテナを張っておく必要があります。
乾 恵
求職者の離脱を防ぐ、Wantedlyの活用法
自社の存在や求人を認知した求職者に対して、 魅力づけする活動ができていますか? 求人以外にも魅力づけするための情報発信を することがとても重要です。 現在、インターネットで、多くの情報を 入手することができます。 そのため求職者は求人以外にも 様々な場所で情報を収集しています。 HPを始め、SNS、口コミ等、 様々な手段・場所へ遷移しながら、 応募する企業を決めています。 また最近では、すぐすぐの転職を 考えていなくても、 「いい企業があればいずれ転職したい」 と考えている転職潜在層も多く、 日頃から情報収集している求職者も多くいます。 そのような状況の中で求人情報以外にも、 定期的に会社のことや最近あった出来事など 情報発信をすることがとても効果的です。 求人以外の情報がなければ、 せっかく興味を持ってくれても、 応募というあと一歩が踏み出せず 離脱されてしまいます。 そのような背景から、 情報発信がとても重要な時代になりました。 現在、会社についての情報発信のツールの1つとして Wantedlyが注目を集めています。 Wantedlyはストーリーという機能を使い、 ブログのように、会社の考え方や価値観、 取組みを日々の活動などを 発信することができます。 こちらから弊社のストーリーをご覧いただけます。 もちろん自社HPでも情報発信はできますが、 Wantedlyが求人に特化しているため 求人のブログ記事専門のツールとして活用できます。 また、それぞれのストーリーの下部に、 記事に関連した求人のエントリーボタンを 貼り付けることができます。 そのためストーリーを読んで 会社に興味を持った求職者は、 すぐにエントリーすることが可能です。 Wantedlyでは、求人の制限がなく、 ストーリーでの投稿も制限がありません。 求人とストーリーをリンクさせることで、 採用効果の最大化を狙うことが可能です。 ぜひ採用活動の1つの参考として、 お役に立てれば幸いです。 ご興味ありましたらお気軽にご連絡ください。
乾 恵
自社が求職者に選ばれる理由
先日、2023年度の日本の主要企業の採用計画において、 中途採用の比率が過去最高の37.6%まで高まったという報道がありました。 背景には、新卒一括採用や年功序列の評価制度、終身雇用などの 硬直的な雇用慣行が限界を迎えていることが挙げられます。 人口減少で技術やノウハウを次世代に継承することが 難しくなっているのに加え、 人手不足に拍車がかかっている業種もあります。 2023年の春闘で賃上げを表明する企業が増えましたが、 いかに採用や定着できるかが、とても重要であることが見えてきます。 ますます採用活動が難しくなっている昨今、 自社が求める人物を採用するポイントを3つにまとめました。 ①自社が選ばれる理由を明確にする 企業様とお話をすると『求める人物』は明確であることが多いです。 一方で「その人物は御社のどこに部分に魅力を感じますか?」と伺うと、 明確に答えられない場合も多くあります。 どのような人物を採用したいかも重要ですが、 同時に『自社が選ばれる理由』も明確にする必要があります。 『自社が求める人物』に選ばれる理由を明確にし、 もしなければ人物像を変えるか、魅力を作っていく必要があります。 ②自社が求める人物は本当にいるかを見極める 前述の①と少し関連しますが、 『求める人物が本当にいるかどうか』もとても重要なポイントです。 定めたはいいものそのような人物がいなければ、 採用活動は難航するはずです。 人物像を定めたら、本当にその人物がいるかどうかを見極める必要があります。 一例を挙げると、そもそも20代であれば数は少ないですし、 30代は小さなお子さんがいる割合が高く、転職に踏み切るにはハードルが高くなります。 そのようなことも踏まえて、人物像を設定することが重要です。 ③その魅力は自社だけのものかを考える 『求める人物像』の設定もきちんとできており、 しっかりと選ばれる理由も明確にできたとします。 あと考えるべきポイントは、『選ばれる理由は自社だけのものか』ということです。 同じような魅力が他の企業にあれば、その企業が採用活動における競合企業になります。 競合企業を調査し、差別化ポイントを整理して、求人票や採用活動に反映させることで、 やっと『求める人物』に選んでもらえるのです。 以上、採用活動が難しくなっている中で自社が選ばれる3つのポイントをまとめました。 参考にしていただけますと幸いです。
乾 恵
Z世代が今注目を浴びている理由
2021年に流行語大賞にノミネートされた「Z世代」という言葉を 最近よく耳にするのではないでしょうか。 お笑いでは少し前に第7世代というものが流行り話題になっていましたが、 世界のマーケティングにおいてはZ世代が非常に注目を浴びています。 Z世代とは1996年~2012年の間に生まれた人たちを指しており、 一般的には「最近の若者」というニュアンスで使われる言葉です。 ちなみに2013年以降に生まれた人たちはα世代と呼ばれています。 急激に注目されるようになった印象があるかもしれませんが、 実はZ世代とそれに類する言葉は以前から存在していました。 例えば1965年~1980年に生まれた人はX世代、 1981年~1995年に生まれた人はY世代と呼ばれています。 X世代が最初に呼ばれるようになったのですが、 「これまでとは異なる考え方をする未知の若者」の総称として、 第二次世界対戦後に生まれた人たちのことをX世代と呼ぶようになりました。 その後、時代背景や景気の状況、情報に触れ価値観が変わる世代ごとに区切って アルファベット順に呼ばれるようになったのです。 では、なぜZ世代が注目を浴びているのでしょうか? それは、これからの消費においてZ世代の影響がとても強くなってくるからです。 世界の人口が約77億人、そのうちY世代が31%でZ世代が32%と言われています。 世代によって若い頃の情報収集の仕方に始まり、景気の状況から興味の対象まで 全く異なります。 最近になってLGBTQや人種差別が社会的な問題になってきましたが、 これはZ世代が社会的な問題にとても注目しているという側面があります。 テレビ離れが進み、ネットやSNSを信頼できる情報として様々発信しています。 一方日本ではZ世代の割合が15%と、世界に比べ非常に低くなっています。 そのため他国と比較するとZ世代に向けた取り組みが遅れていると言われています。 X世代やY世代を取り込んでいかないと選挙に勝てないということも、 大きな要因ではないでしょうか。 世界に比べその波は遅くはありますが、 若い世代が今後の日本を引っ張っていくのは間違いありません。 その世代に合わせたマーケティングや働き方を考えていかなければ、 企業は必ず衰退していきます。 自分たちの世代とは違うからと距離を置くのではなく、 その価値観をしっかり理解して、自分たち企業を変えていかなければならないのです。
小濱亮介
山形県が外国人介護士向けに「方言マニュアル」をリリース
「じょごたごと」「そさ」「たんに」…… 日本語が母国語の私たちでも難しい、 聞き慣れない言葉が羅列されています。 出典:山形県「やまがた方言マニュアル」より これらは2023年2月に公開された、 外国人介護士向けに山形の方言を解説した 研修教材「やまがた方言マニュアル」に 取り上げられた言葉の一部です。 主なターゲットは県内で働く技能実習生、 特定技能の在留資格を有した介護人材であり、 日本語の習得のための集合研修なども 別途行なわれているようです。 日本語を外国語として学んできた海外の方々にとって、 方言はさらに「わからない」言葉に感じることは 間違いありません。 「方言が分からない」という相談は、 私も実際に受けたこともあります。 日本中見渡してもやはりそういった声は多いようです。 このマニュアルには、1つの単語に対して 複数の山形弁が記載されているものもあります。 これは山形の方言が、4つのエリアごとに 種類がわかれるためです。 また実際に使用頻度の高い(外国人がよく耳にする)単語の 調査を行なったうえで作成されており、 かなり実用を前提に作られています。 山形県によると、県内で働く外国人は昨年末時点で約4800人、 そのうち介護事業界では、85の事業所で外国人約200人が働いており、 このマニュアルも現場で活用されているそうです。 住んでいると「そんなに難しい表現は広島にはないよな」と思いますが、 いつか広島も含め全国的にマニュアルが作成される日が 来るのかもしれません… ちなみに、私がサポートをしている特定技能の方々からは 「広島弁は怖い」とよく言われます(笑)
乾 恵
4~6月の活動が高校生採用の分かれ目
新年度を迎え、忙しくされている方も多いかと思います。 大卒採用の選考、新入社員の受け入れや教育に関する業務など、 多くの業務に手を取られるのが4月です。 同時に高校生採用を考えていかないといけない時期でもあります。 ”高校生採用を始めたいけど、どのように進めれば良いか分からない” という声をよく伺いますので、 以下に一般的な高校生採用のスケジュールをまとめました。 高校生採用は7月が本格的なスタートですが、 実はその前の4~6月に企業がどのような活動をしていたかが とても重要になってきます。 7月になると多くの企業から求人情報が学校に届き、 高校生はその中から8月の夏休み期間に見学に行く企業を選びます。 学校によっては1,000件近くの求人が集まるため、 短い期間で大量の求人を見て、気になる企業を探すことになります。 そのため自社の求人が埋もれてしまったというケースが多く、 見学の申込みや応募を獲得することが難しくなってしまいます。 つまり4~6月の期間に自社をアピールして、 より早い段階で高校生や先生方に興味を持ってもらうことで、 7月以降の問合せにつながるのです。 例えばA4用紙1枚に年齢の若い社員のインタビュー内容をまとめたり、 社長からの手紙を高校の就職指導の先生へ送付したりするのもおすすめです。 もちろん時間があれば高校を訪問するのも良いですが、 前述のような資料を郵送するだけでも十分に効果を発揮します。 ぜひ他の企業の情報が動き出していない4~6月に、 情報発信を行い、採用活動を有利に進めていきましょう。 ご不明点や気になる点ございましたら、お気軽にご相談ください。
乾 恵
欲望を解放しろ、環境にこだわれ
この3月に元日本代表の本田圭佑氏が近畿大学の卒業式で、 ゲストスピーカーとしてお話されました。 その中で強く語っていたのは 「欲望を解放しろ、環境にこだわれ」ということです。 多くの人は子供の頃に将来の夢があったのではないかと思います。 私もそうでした。 しかし歳を重ね経験を積むことで、 人間関係が壊れることやリスクを避けて、 欲望を抑えつけることを覚えてしまいます。 それに対して 「限界を決めずに欲望を開放して、 自分がどうなりたいのかを感じたほうが良い」と 学生たちにぶつけていました。 また環境にこだわることの重要性について このように述べていました。 「成果が出せない人や夢が叶えられない人の多くは、 環境にこだわっていない。 そんな状況でとても頑張っている。 その状況では夢や目標は達成できないのです」 では、なぜ環境にこだわる必要があるのでしょうか。 学校を卒業するまでは、 自分で選ぶことができない環境の中で生きていくしかありません。 誰と出会うのか、毎日何を見るのかということが 五感に働きかけ、最高の習慣を作ってくれるはずです。 自分にとって良い環境に身を置き、 良い習慣を身につけることができれば、 自分にとって当たり前にしていることであっても 周りから「すごいね。それってどうやるんですか」と 言われることが増えるはずです。 ブラジル代表がいい例で、 ブラジルに生まれサッカーの上手い人たちに囲まれた環境で プレーしていると、そのような感覚でいるそうです。 その環境と目標や夢が結びついていると、 それが当たり前になれると言う状態は素晴らしいですよね。 最後に言っていた 「いつかは死ぬ。生きたいように生きろ」という言葉は、 学生ではない人にも刺さる言葉でしょう。 どんなに追い込まれた状況にあっても 「まぁ、なんとかなるだろう」と楽観的に考えることができれば、 楽しく生きる上で大切な考え方ではないかと思います。 歳を重ねていくことで、 いつの間にか変化しているということはあります。 ついできない理由ばかり考えて、 行動できなかったということもあるのではないでしょうか。 本田圭佑氏が語った内容は、悩んでいる若い人たちにとって 非常に刺さる内容だったと思います。 近畿大学は毎年卒業式に著名人を招いており、 学生に向けてのメッセージではありますが、 経営者や社会人にも響く内容が多くあります。 興味を持たれた方はぜひご覧ください。
小濱亮介
『2023年3月問題』に直面!今後の特定技能外国人採用の行方は…
特定技能制度が設立からこの春で5年を迎えます。 制度が開始してから今に至るまで、 それほど大きなガイドライン変更はありませんが、 この3月に大きな問題に直面することとなりました。 それが2023年3月問題です。 2020年3月の新型コロナウイルスの大流行から 丸3年が経過し規制も緩和されてきましたが、 3年前の今頃は感染拡大の水際対策として 出入国も規制がかかっていました。 特に2020〜2021年の2年間は制限が厳しく、 海外への移動も困難な状況で、 技能実習生の入国も制限されていました。 ここで特定技能外国人の現状を整理しておきましょう。 昨年12月の時点で、特定技能外国人は 約13.1万人にまで増えています。 しかし、このうちの約8割は技能実習からの移行です。 つまり特定技能外国人を雇おうとしても、 技能実習修了者の母数自体が 激減する時期にこれから突入するのです。 技能実習生を雇用されている会社では、 今まで特定技能に移行させていた人材と 2021年以降に実習生として雇用した人材、 また今後新たに受け入れる実習生で ヘッドカウントを満たすこともできるでしょう。 一方でこれから特定技能1本でいこうと 考えていらっしゃる会社にとっては、 特定技能1号の要件を満たし国内で移動できる人材が かなり少ないため厳しい1年となりそうです。 そうなると技能実習を良好に終了して 一度母国へ帰国している人材や、 国内外問わず特定技能1号評価試験に合格した人材を 雇用するしかありません。 現状8割が技能実習からの移行ですが、 今年から来年にかけてその割合が一度減少する、 もしくは特定技能外国人の総数が 伸び悩むことが予想されています。 もし外国人雇用を検討する場合は、 こうした背景も考慮しながら、 自社にはどの制度を活用するのがよいか 考えていく必要があります。
乾 恵
学生の志望度が高まる場面の第1位は”面接”
先日、リクルートマネジメントソリューションズが、 2023年卒の大学生の就職活動調査の結果を先日リリースしました。 それによると、学生の志望度が最も高まる場面は”面接”でした。 学生の志望度に最も影響を及ぼすプロセスは、 コロナ禍前からずっと「面接」が1位です。 面接との会話を通して会社の魅力や自分が働く姿をイメージし、 結果として志望度が上がるのではないかと思います。 また2023年卒の採用活動では、コロナ禍前の2020年卒と 同じレベルで「先輩社員との接触」が増加しました。 コロナ禍でオンライン採用が一般化する中、 徐々にオンラインとリアルを組み合わせて行う ハイブリッド採用が主流になり、対面での採用活動が 増えてきたことが背景にあるのではないかと思います。 そのため面接の中で学生の見極めを行うことも重要ですが、 同時に自社の魅力づけ、志望度を高めるために どのような面接を行うべきか考えていく必要がありそうです。 ただ多くの企業様から「内定辞退や選考辞退が多い」 というお悩みをよく伺います。 これは、魅力づけで他社に負けていることが原因と思われますが、 面接を行う前に志望度を高めることができれば、 辞退数も減っていくのではないかと思います。 では、どうやって面接前に志望度を高めるのかですが、 ”情報発信”をすることで自社の志望度をあげることが有効です。 情報発信というとSNSがよく取り上げられますが、 手法はSNSだけではありません。 例えば、エントリーした学生に対して社内報を毎月送ったり、 HPのブログに自社の紹介や社員紹介の記事を書いたりすることも、 有効な情報発信の手法です。 情報発信をする上で最も大事なことは、 その情報を受け取った学生が自社に興味を持ち、 入社したいと感じるものにすることです。 そのためには、どのようなことを取り上げて、 どのように伝えるのが良いか考える必要があります。 ぜひ、面接の前に学生の志望度を高め、 入社してくれる学生を1名でも増やすための ヒントになれば嬉しいです。
乾 恵
外国人雇用は海外からの呼び寄せがスタンダードになる時代
特定技能制度が始まっておおよそ丸3年が経過しましたが、 始まってすぐに新型コロナウイルスの感染が拡大したこともあり、 制度自体の改正が進んでいるわけではありません。 そもそもの政府が打ち出している外国人受け入れに関する基本方針には ①「専門的・技術的な能力を持った外国人」を積極的に増やしたい ②それら以外の資格の分野は様々な検討を要する という意向があります。 ①は、いわゆる技人国やその他専門の在留資格である 高度人材(高度専門職や経営・管理等様々)のことです。 ②は技能実習制度と考えるのが妥当かと考えています。 「技術・人文知識・国際業務」については、 現在日本で学んでいる留学生や海外の大学を卒業した学生であれば、 雇用のハードルは比較的低いと言えます。 私の経験では、四年制大学の留学生と日本語学校の留学生では 知識レベルが大きく違います。 そのため、彼らにどんな仕事を任せたいかによって、 ターゲットは変えるべきだと考えています。 特定技能制度に関しては、「専門的・技術的な能力を持った外国人」の 拡充を図ることで、昨今の人手不足に対応していくという方針があります。 制度が始まってすぐに新型コロナウイルスの感染拡大があり、 最近になってようやく収束を迎えようとしていることで、 人材の流れも変化してきています。 今までは国内の技能実習生が特定技能1号に上がることが主流となっていました。 しかし出入国に制限が緩和されつつあることで、 3年・5年の満期を迎える技能実習生は、 一度帰国をすることを希望する人が多くなっています。 そのため今後はより一層、「技術・人文知識・国際業務」の資格を持つ外国人も 特定技能外国人も海外から呼び寄せる方向にシフトしていくものと思われます。
乾 恵